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水木しげるの生誕100周年を記念した本作。野心と密命を背負った水木と、妻を探す鬼太郎の父が、因習渦巻く村の怪奇に巻き込まれるさまが描かれる。鬼太郎の父に関俊彦、水木に木内秀信が声を当てたほか、種崎敦美、小林由美子、古川登志夫、沢城みゆき、庄司宇芽香、
会場の照明が落ち、スクリーンに水木しげる生誕100周年のロゴが映し出されると、観客からは「しげる先生ありがとー!」という大合唱が起こる。主人公たちの登場シーンには「きゃー!」「顔がいい!」と歓声が上がり、アクションシーンではサイリウムを振りながら応援、ラストシーンはすすり泣く声が広がるなど、ファンの感情は大忙しだ。最後にタイトルが出ると、大ホールは拍手に包まれた。
熱気が収まらない中、舞台上に登場した古賀は「皆さんを見て『こんな楽しみ方があるのか』と気付かされました。僕が応援されているような感じでうれしかったです」とはにかみつつ挨拶する。本作の反響については「映画って、最初の週末に一番お客さんが入ってその後減っていくことが多いんですが、この作品はどんどん増えて、上映館も100館ほど増えました。お客さんの口コミで広げていただけたので、感謝しています」と伝えた。
制作においては、水木の自伝的作品「昭和史」を参考にしたという古賀。「読んで学んでいると、水木先生の人生には1つテーマがあるのではないかと思った。そのテーマを『ゲゲゲの鬼太郎』に入れ込んで、新たな物語を誕生させようと思いました」と語る。MCから「鬼太郎がほとんど出てこない、という構成は勇気が必要だったのでは?」と聞かれると、古賀は「最初は悩んでいたんですけど、中途半端に出すのではなく、思い切ったほうがいいよねと脚本の吉野(弘幸)さんと話して決めました」と振り返った。
本作の舞台は昭和31年(1956年)。時代考証について話題が及ぶと、古賀は「この頃は日本映画の黄金期でもある。社会が発展するときは映画が強いテーマ性を持っているので、当時の作品をよく観ました。服装に関しては、東映で当時の衣装を用意してもらい、キャラクターと同じ背丈の方に着てもらってその写真を参考にしました。水木のスーツが現代より少しダボッとして見えるのも、そのためです」と伝える。また、鬼太郎の父が座敷牢に入るシーンに関しては、「最初から、座敷牢を出したいと思っていました。そこで繰り広げられる魅力的なやり取りはどんなものかと逆算して考え、あの水木とのシーンが生まれました」と裏話を披露した。
観客からは「野沢雅子さんが演じているもう1つの役は?」という質問も飛んだ。目玉おやじ役の野沢が別の役で一言しゃべっていると明かされているが、いまだに正解は発表されていない。古賀がもったいぶりつつ「11月17日に発売される豪華版Blu-rayのオーディオコメンタリーで話しています」と口にすると、観客からは興奮の声が上がった。
ちゃんちゃんこを着て参加していた中学1年生の女の子は「監督から裏話とかも聞けて楽しかった!」と笑顔で話し、その母親は「この作品を観るのは9回目なんです。娘もハマっちゃって、応援上映に参加したり入場者特典をもらったりするために、2人でいろんな場所に行ってきました」と、応援うちわを手に充実した表情を見せる。応援上映が3回目だという女性は「水木さんが大ボスのキャラクターから『会社を2つ、3つ持たせてやろう』と言われるシーンでは、『遠慮しておきます!』という声を送らせていただきました」とほほえんだ。
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