南家こうじ特集で「みんなのうた」上映、大ファンのかねひさ和哉「彼はリズムの作家」

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特集上映「イン・フォーカス:フィルムメーカー 南家こうじ」が、本日8月17日に広島・JMSアステールプラザで開催。上映後にはアニメーション作家・アニメーション研究家のかねひさ和哉と、本プログラムのセレクションを担当した田中大裕が登壇した。

左から田中大裕、かねひさ和哉。

左から田中大裕、かねひさ和哉。

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田中大裕

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「ひろしまアニメーションシーズン2024(HAS)」4日目に実施された本プログラムでは、アニメーション作家・南家こうじがNHKの音楽番組「みんなのうた」で手がけた9本がスクリーンにかけられた。「上級生」「ママが白鳥だった日」「ぼくとディジャヴ」「僕は君の涙」「はる なつ」「ヒナのうた」「アオゾラ」「私と小鳥と鈴と」「愛がお仕事」を選んだ理由について、田中は「南家さんのさまざまなお仕事の中から『みんなのうた』に限定しても選びきれない、となったときに、この映画祭が『ひろしま国際平和文化祭』の一環で行われているということや、今世界の分断が深まっていることを鑑みて、少しでも優しくて温かい作品かつ、暗闇の大画面で映えるシックな作品がいいのではと考えました」と説明した。

かねひさ和哉

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2001年生まれで、小学生の頃に「みんなのうた」50周年特番で南家の過去作品に出会って以来の大ファンだというかねひさは「すごいじーんときて、『ぼくとディジャヴ』で泣きそうになって、『僕は君の涙』で目が赤くなって、最後舞台袖で『愛がお仕事』を観てこれは集大成だなあと思いました。アニメーターとしての素晴らしさはもちろん、本当に多種多様な表現を使われる方ですよね」と興奮気味に話す。彼は南家を“リズムの作家”と評し、「キャラクターが躍動するリズムが音楽との相乗効果を生む。音楽を魅力的に聴こえさせることができるし、音楽の力によってよりアニメーションが豊かに見える。そういった“音楽的なアニメーション”の極致に立っていると思います」と熱弁した。

「イン・フォーカス:フィルムメーカー 南家こうじ」の様子。

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南家は、「みんなのうた」のほかアニメ「うる星やつら」「スプーンおばさん」「キョロちゃん」などのオープニング・エンディングアニメーションなども担当してきた。かねひさは「『うる星やつら』の初代『ラムのラブソング』がテレビアニメのオープニングの歴史を変えたと言っていい」と言い、「南家さんという作家は楽曲や原作に寄り添いながら制作しているように感じます。それでも、手の細やかな動きやステップを踏む足のリズムなど、少し動きを見ただけで『南家さんだ』とわかる。それでいて、朗らかで優しい素晴らしいアニメートなのが魅力なのかなと思います」と分析した。

左から田中大裕、かねひさ和哉。

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田中から「ご自身の作風には、南家さんからどんな影響を受けていますか?」と聞かれたかねひさは「まねできないのは大前提ですが、キャラクターに生命力があって躍動していたほうが楽しいということや、ステップ1つとっても音楽と同期していたら気持ちがいいということを南家さんの作品を通して感じていたので、その影響は僕自身も認めています」と述べる。また南家が手がけた「みんなのうた」作品のベスト3を問われると、かねひさは「あさおきたん」「僕は君の涙」「海へ来て」を挙げた。

かねひさ和哉

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最後にかねひさは「南家さんの作品は時代や国籍を超えて愛されると思うので、彼の魅力を若い世代にも広く知ってほしい」と訴え、本プログラムについては「南家さんの作品は何回観ても素晴らしい。『アニメーションってこういうことだよな』と感じられる企画でした」とコメントし、イベントの幕を引いた。

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前Q(前田久) @maeQ

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