破壊し再構築し合う…若妻が気難しい作家の書斎を訪れる「Shirley」本編映像

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エリザベス・モスがゴシック作家シャーリイ・ジャクスンに扮した映画「Shirley シャーリイ」の本編映像の一部が、YouTubeで新たに公開された。

「Shirley シャーリイ」場面写真

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「Shirley シャーリイ」ポスタービジュアル

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「Shirley シャーリイ」場面写真

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原作は架空の若い夫妻が、実在した小説家シャーリイとその夫スタンリーとともに1964年の米バーモント州ベニントンで1年を過ごすさまを描いた同名小説。映画「Shirley シャーリイ」はシャーリイの小説、文芸評論家でもあったスタンリーと彼女の数百通の手紙も参考にして作られた心理サスペンスだ。劇中では、長いスランプにいたシャーリイが若い夫婦と共同生活を送るうちに、若妻ローズと奇妙な絆を築いていく様子が映し出される。

今回公開されたのは、オデッサ・ヤング演じるローズがシャーリイの書斎を訪れるシーン。気難しいシャーリイが不器用ながらもローズの出産を気遣う姿や、タロットカード占いをする様子が捉えられた。

監督のジョセフィン・デッカーは「シャーリイの心の中の世界は外の世界と分かちがたいように作られているんです。つまり、いくつもの層が折り重なっている。ナプキンが落ちて、スプーンがフォークになったり、それが幽霊になったり」と述べ、「すべてを現実的にするのではなく、謎の部分は謎のまま残した」「映画が、シャーリイの心の中と同じくらいミステリアスなものになるよう、今まで得てきた映画の知識を超えた未体験の領域で映画を作ってきた」と解説する。

脚本を手がけたサラ・ガビンズを、デッカーは「さまざまな世界が同居する素晴らしい脚本を書いてくれた。シャーリイの家の世界は外の世界とまるで違う」とたたえた。またシャーリイとスタンリーの関係性について「劇中の2人にはウィットや相互依存、“人を操って喜ぶ”という特徴があって、それが私たちの物語を醸成させていった。現実世界のシャーリイとスタンリーはとても開かれた関係でありながら心をむしばみ合う関係でもあったんです。だからある意味、サラが書いた物語は虐待の過程を描いたもので、いかに自己破壊が成功を装っているのかを示した物語でもある」とコメント。そのうえでシャーリイとローズにも触れ「これは成長途中の小説家(シャーリイ)に、成長途中の主婦(ローズ)に当てはまる。引っ越してきたローズとシャーリイは影響を与え合い、破壊し合い、再構築し合い、創造し合い、脱却し合う。2人は互いの強迫観念を糧にしている。どのように崩壊していき、その崩壊を本当の自分への足がかりにするのか?」と述べた。

マーティン・スコセッシが製作総指揮を担った「Shirley シャーリイ」は、7月5日より東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国でロードショー。

映画「Shirley シャーリイ」本編映像2

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