映画「わたし達はおとな」「ほつれる」で知られ、「ドードーが落下する」で第67回岸田國士戯曲賞を受賞した
本作は加藤が初めて連続ドラマで全話脚本・監督に挑み、演劇と映像の手法を組み合わせて作り上げたSFヒューマンドラマ。世界観は7つの巨大な穴が突如現れた日本だ。さまざまな調査が行われたが、穴の正体はわからないまま、人々は穴とともに暮らし始めた。穴に入る者も多くいるが、帰ってきた者は誰もいない。やがて「穴の中には救済がある」と説き穴を神と信仰する者・小澤が現れる。
舞台は小澤を教祖とする団体の信者8人が集まった12月1日のリゾート施設。小澤の説くルールでは穴に入る前に「なぜ入ろうと思ったか」を話し、記録しなければならない。そして緊張感の漂う中、8人の人生の一部分が明かされていく。堤が小澤を演じたほか、会合に集う人物として中川、染谷、上白石、森田、古舘、平原、中嶋、窪田が出演した。9人のコメントは下記の通り。現在、ティザー映像がYouTubeで公開中だ。
信者たちの会合シーンはロケーション撮影が行われた一方、語られる各々の人生はすべてスタジオセットで撮影。両親や友人など、語り手の人生にまつわる登場人物は、わずか6人のスタジオキャスト、
加藤は「映画や演劇を作ってきましたが、演劇をやれば映像的だ、映画をやれば演劇的だと言われることに嫌気が差し、今回はそのどちらの手法をも持ち込み、そのどちらでもない『滅相も無い』というドラマを作りました。映画的、演劇的の定義がハッキリとしている前提です。このドラマに集まってくれた俳優、スタッフ、それから2023年2月、松本市で演劇をしている時に会いに来てくれたプロデューサー達のおかげで、このドラマは産まれることができました。この場を借りてお礼申し上げます。そしてこれから観客の皆さんも最後までお楽しみください」と語っている。
劇伴はロックバンドの
全8話のドラマイズム「滅相も無い」はMBSで毎週火曜24時59分、TBSで毎週火曜25時28分からオンエア。
中川大志(怒れない川端役)コメント
SFとリアルが混在し、現実と非現実の境目が分からなくなる、この作品の世界観に惹き込まれ、自分も是非参加したい。と胸が高鳴りましたが、その繊細で絶妙なラインを表現する事は、僕にとって簡単ではありませんでした。加藤さんから頂く言葉の中にあるヒントを少しも逃さぬよう、そして巧みな共演者の皆様に飲まれぬよう、必死に過ごした時間はとても濃密で、ヒリヒリしました。
染谷将太(思い出す菅谷役)コメント
苦しかったり、苦かったり、つまづいたり、浮き足立ったり。人類の四苦八苦を見事に加藤拓也氏が1つの箱に閉じ込めて、それを穴へ突っ込んでくれました。このドラマの出来事は、皆さんの人生の中には無さそうに感じつつも、いや?これはなんか心のひだに触れてくるぞ?いや?これはもはや自分の事か?という物事が繰り広げられています。その沢山の匿名性がある感情に浸って頂けたら、とても有意義な時間を加藤氏から貰えるのではないかなと思っております。何せこのジェットコースターのようなリズムを感じてもらい、沢山のモノを感じて頂きたいと願っております。
上白石萌歌(田舎暮らしの松岡役)コメント
松岡役を演じさせていただきました、上白石萌歌です。まずは、ずっと憧れ続けた加藤拓也さんの世界に飛び込むことができたこと、心から幸せに思います。加藤さんの作り出す世界にはいつもなんとも言い表せないような不思議な引力があり、拝見するたびに私の心に新たな風を吹かせてくださいます。私たちの日常の延長線上にあるようで、どこか果てしなく遠い場所にいざなわれるような、唯一無二の質感。リアリティとフィクションとが交差する世界観に、いつも身ごと持っていかれそうな心地のよい危うさが好きです。生きていくなかで避けては通れない苦しみや葛藤と私たちはどう向き合っていくべきなのか、考えを巡らせながら演じました。早くみなさまにもこの「滅相も無い」を体験してほしいです。お楽しみに!
森田想(帰国生の青山役)コメント
青山役を演じました、森田想です。再び手元へやってきた加藤さんの書く言葉は、わざと見過ごしていた痛みや苦しみを掬い上げてあっけらかんと突きつけてくる、恐ろしくて笑ってしまうほどに。当たり前にこちらの想像力では到底辿り着けない場所に立たされ、まるで感情単体が自分から放り出されるような本当に不思議な感覚を抱きました。そして、小さな存在の私にとってはあまりに彩り豊かな先輩方とリレーのように物語を運べたことは心を刺激される贅沢な経験でした。負った傷や後悔を背負い続け、思い通りにならない人生と欲の正体に向き合っていくことが出来るのなら、この作品を観て耳が熱くなる瞬間があるはずです。楽しみにしていて下さい。
古舘寛治(取り返しがつかない渡邊役)コメント
加藤くんという才能溢れた作家と若い俳優たちとの仕事は楽しかったです。
しかし半屋外の豪華邸宅で寒さに耐えながらの長時間の撮影は最年長者のおじさんにはなかなか大変でした。スタジオパートもセリフが多くて、覚えたつもりでも忘れてゆく脳みそと必死に闘いながら頑張りました。おじさんはいつも必死です。
いい作品に仕上がってたらいいな~。出来上がりが楽しみです。
平原テツ(起業家の真吾役)コメント
最初、このお話を頂いた時にドラマで加藤拓也くんの作品に関われる事、そして素晴らしいキャストの方々と共演できる事に興奮しました。
加藤くんの脚本はファンタジー要素はあっても、結局は人間そのものを描いていて、観る人に何かしらあてはまったり、「あぁ~何かわかるわその感じ」と共感出来るんじゃないかと思います。演出も俳優の感じたまま演じさせてくれて、演技のすり合わせもスムーズで本当にやりやすい。共演者の方々とも少ない時間でしたが、現場で楽しく作品づくりに没頭出来ました。各人物の色々なストーリーを楽しめる素晴らしい作品になっているので、是非ご覧になってください。
中嶋朋子(好奇心の井口役)コメント
それは、心地よい違和感と、得も言われぬ親和性が共存する世界観。未体験なのに、妙に肌馴染みの良さがある──。まったくもって、奇妙な体験なのです。
初めて脚本を読んだ時から、撮影の間も、撮影を終えてしまった今も、なんだか静かに興奮しています。誰かとシェアしたいけど、非常に個人的な感覚のような気もしていて、なにやら胸がドキドキします。大人になって、こういう気持ちになったことって、あったかなぁ。早く誰か、「滅相も無い」という体験を共有出来る人が現れてくれないものかと、実は密かに待っているところです。
窪田正孝(夢うつつの岡本役)コメント
加藤くんとまた仕事ができて心底嬉しかったです。
脚本も演出も斬新でとても刺激的な現場でした。
日常に突如巨大な穴が現れて、それがどこに繋がってるかも分からない。天国なのか地獄なのか。その人にとって都合のいい理由でいつでも入ることができる穴が存在したら人にはどんな心理が働くのか。清算したい過去、トラウマ、カルマ、人間の真髄が描かれた群像劇をお楽しみください。
堤真一(“穴”の教祖・小澤役)コメント
加藤拓也監督の独特の感性が詰め込まれた、とにかく不思議な作品なので、撮影に入るまでも悩む日々が続いたんですが、楽しく撮影することができました。でもきっと登場人物たちに共感できる部分がたくさんあると思うので、物語をどう解釈するか、自分たちだったらどうするか、そんなことを考えながら観ていただけたらと思います。
とにかく、出来上がりをすごく楽しみにしています。
※古舘寛治の舘は舎に官が正式表記
マカロニ @Shota_Today
4月16日 https://t.co/7j8ze3uRMX