千葉雄大、仲里依紗、福士蒼汰、森崎ウィンが監督作を語る「ASF4」舞台挨拶

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千葉雄大仲里依紗福士蒼汰森崎ウィンが監督として参加した「アクターズ・ショート・フィルム4」の期間限定上映が3月3日、東京のユナイテッド・シネマ豊洲でスタート。劇場公開を記念して監督の4名が、自身の作品上映後、各担当プロデューサーとともに舞台挨拶に登壇した。

「ハルモニア」を監督した千葉雄大。

「ハルモニア」を監督した千葉雄大。

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俳優が予算、撮影日数など同じ条件で25分の短編映画を監督する「アクターズ・ショート・フィルム」。第4弾の4作品はすでにWOWOWオンデマンドで配信されており、同劇場では7日まで上映される。

千葉雄大「ハルモニア」

「ハルモニア」ポスタービジュアル

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千葉が一ノ瀬颯を主演に迎えた「ハルモニア」は、俳優である主人公の誕生日に集った仲間たちそれぞれの人生を見つめる群像劇。第2弾で手がけた「あんた」に続きプロジェクト初の2回目の参加となった千葉は、再オファーへの驚きを述べつつ「前回も楽しかったので、またやりたいと思って飛び込みました」と明かす。「今回は良くも悪くも『こうしたいああしたい』という欲みたいなものが具体的にありました。撮影現場でも前回と同じスタッフさんが多かったので、1回目よりもチーム感があって話もしやすかった」と再挑戦ならではの変化を実感。同席したプロデューサーの宮田幸太郎は「前回は主演もされていたので、演出しながら芝居をして……と忙しそうでした。でも今回は演出に集中されていたので頼もしく、安心して見ていられました。俳優の演技を一番に考えた現場作りをされていました」と、現場での千葉の様子を伝える。

客席から監督としての次回作を要望する声が上がると、宮田も「ぜひとも長編を撮ってほしい」と期待。千葉は「お仕事、お待ちしております!」とまんざらではない様子を見せつつ、最後に「皆さんの身の回りには絶対に小さな幸せの1つは転がっているはずなので、それを見逃さずに健やかにお過ごしください」と呼びかけていた。

福士蒼汰「イツキトミワ」

「イツキトミワ」ポスタービジュアル

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福士は清水尋也と芋生悠をダブル主演に据え、徐々に親密になる男女のそれでも“溶けない壁”を描いたビターなラブストーリー「イツキトミワ」を監督。「監督の福士蒼汰です」と初々しく挨拶をすると、満席の会場からは拍手が起こった。福士はオファーを受けたときの心境を問われ「監督は難しくてできないだろうと感じていました。けれどオファーをいただいていろいろと考える中で『昔やってみたかったよな』という思いがあり、そんな気持ちと時期的にタイミングも合って受けることにしました。自分の思いを作品として残してみるのも自分の人生においていいのではないかと思いました」と話す。

「イツキトミワ」を監督した福士蒼汰。

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監督としてのオファーのため、当初は脚本を書くつもりはなかったという福士。「プロットを書いて和田プロデューサーに見せたら『書けそうですね、書いてみましょうよ』と言われて」と執筆の経緯を説明し、「予算内であればなんでもいいと言われたけれど、逆になんでもいいって難しい。制限があったほうが書きやすい」と苦労を明かす。同席したプロデューサーの和田圭介は「初顔合わせで福士さんから渡されたプロットがしっかりとした物語の形になっていた」「福士さんは仕事の早い監督。スケジュールの都合上、脚本の段階で変更せざるを得ないところがあっても、次の日くらいには『直しました!』と提出してくれる。判断と決断、直しが早い。もちろんディテールにはこだわるけれど、そこから先が早い監督でした」と称賛の言葉を向けた。

観客から自身のお気に入りのシーンを聞かれると、清水演じる一葵と芋生扮する三羽が夜道を歩く場面を挙げ「一番キラキラキュンキュンさせたくて、ここで最大の明るさと青春を描きたかった。その結果、トレンディになり過ぎて『恥ずっ!』と思ったけれど、それが逆にいいな、と。寝ないで書いたセリフをそのまま使ったり、入れ替えてみたり、セリフにもこだわりました。あのシーンには自分のエッセンスがけっこう詰まっています」と語った。

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森崎ウィン「せん」

「せん」ポスタービジュアル

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森崎の監督作は同プロジェクト史上初のミュージカルに。中尾ミエと鈴木伸之が主演を務める「せん」では、夫に先立たれ山間に1人で暮らすおばあさんの1日を描いた。ミュージカル映画を監督することが1つの目標だったそうで「まさかこんなに早く願いが叶う日が来るとは思わず、オファーは純粋にうれしくて、撮影も本当に楽しかった。俳優業とはまた違うワクワク感があって、ゼロからものを作り上げることに携わったことで新たなものづくりの魅力と深みを実感しました」と吐露。プロデューサーの樋浦悠真は「森崎監督は撮影現場を盛り上げるのが得意な監督。日本で一番『カット!』を幸せそうにかける監督です」と評す。

「せん」を監督した森崎ウィン。

「せん」を監督した森崎ウィン。[拡大]

脚本・作詞を託したのは、森崎がその才能に惚れている上田一豪。森崎は「自分が監督でミュージカル映画を撮るならば、上田さんに脚本を書いてほしいとお願いしました。僕が今の世の中で起きていることをどう映画に落とし込もうかと話していく中で、今回の物語のベースができあがりました」と共同作業を振り返る。「せん」という意味深長なタイトルについては、「戦いの発端になるボーダラインという『せん』の意味もあるし、戦争の『せん』と捉えてもらっても構いません。生きていく中で人間は勝手に線引きをしている瞬間もある。ただタイトルを漢字で『線』にしなかったのは、それだけにとらわれてほしくなかったからです」と解説。ちなみに題字は森崎自ら書こうとしたものの「僕の字を見た樋浦さんの反応が微妙で……」とぶっちゃけ、樋浦が「森崎監督バージョンもアナザービジュアルとして解禁しましょう」と提案する一幕もあった。

仲里依紗「撮影/鏑木真一」

「撮影/鏑木真一」ポスタービジュアル

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仲はお笑いトリオ・ロバートの秋山竜次を主演に迎え、スキャンダル写真で女優を死に追いやった週刊誌カメラマンを描く「撮影/鏑木真一」を監督。監督オファーを引き受けた理由を「新しいことへのチャレンジというか『面白そう! やってみよう!』というホップステップジャンプ。それでここにいる感じです」と明かしながら、シリアスなストーリーにした理由を「私は暗い内容やホラーとか恐ろしいものしか観ないタイプで、ハラハラしたものが好み。監督をするならハラハラしたものを作ろうと思った」と述懐。今回の作業で一番楽しかったのは編集だったそうで「なぜならYouTubeを自分で編集しているから」と、普段の活動が監督業にも役立ったことを語った。

「撮影/鏑木真一」を監督した仲里依紗。

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秋山演じる鏑木はセリフを一切発しない役で、プロデューサーの射場好昭は「最初に『セリフなしでいいですか?』と言われて、大胆な発想に感動した。これはうまくいくに違いないと確信しました」と振り返る。仲は秋山への演出を「秋山さんの、邪念をゼロにするというコントのときの顔が欲しかった。それをお伝えすればわかりやすいかなと思って、邪念には10段階があるので『邪念5でお願いします。次は邪念7で』という形でお願いしました」と説明。「私は秋山さんのファンなので、いつもとは違った秋山さんを見てみたいという思いがありました」とキャスティングの狙いも明かした。

今回の参加をきっかけに監督の立場を理解したという仲。「自分の頭の中にあるものを口に出して人に教えるのは大変だと思った。それに監督は意思が強くないとできない。監督は勇気をもって俳優に指示してくれていることがわかった」「今後は女優として、これまで以上に監督の思ったことをできるような人間になって『わかりました!』と返事もより一層大きく言いたい。監督が意見を言いやすい環境作りをしなければ」と気を引き締める。最後には「普段の私はド派手な恰好をしているので、それからは想像がつかないホラーな作品になっています。大好きな人たちと大好きなジャンルを作れたのがうれしいです。ホラーサスペンスの中にある社会的なメッセージも受け取ってほしいです」と呼びかけた。

なお明日3月5日19時から、4人の監督が互いの作品を語り合う完成報告座談会が開催。座談会の模様はWOWOWオンデマンドとWOWOW公式YouTubeで無料生配信される。

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