アキ・カウリスマキ新作「枯れ葉」の世界を木内達朗×大島依提亜が表現

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アキ・カウリスマキ監督作「枯れ葉」の“オルタナティブポスター”と、同作を鑑賞した著名人のコメントが到着した。

「枯れ葉」オルタナティブポスターのビジュアル。

「枯れ葉」オルタナティブポスターのビジュアル。

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同作は、孤独を抱えながら生きる男女が、人生最初で最後のかけがえのないパートナーを見つけようとするさまを描く心優しいラブストーリー。「TOVE/トーベ」のアルマ・ポウスティがアンサを演じ、彼女と惹かれ合うホラッパにユッシ・ヴァタネンが扮した。

オルタナティブポスターのビジュアルは、小津安二郎監督作「お茶漬けの味」「お早よう」Blu-rayジャケットを担当したイラストレーターの木内達朗と、デザイナーの大島依提亜が手がけたもの。赤いワンピースを着て佇むアンサと、彼女を見つめるホラッパと飼い犬の姿が描かれた。ポスターは上映劇場限定で販売される予定だ。

脚本家・映画監督の足立紳は「人間てなんてバカな生き物なんだろうという現実の中、それでもやっぱり人間て美しいよなあ、それは俺も含めなんだよなあ。と、カウリスマキ監督の作品を観たらいつも自己肯定感が爆上がりして活力がみなぎる」とコメント。映画監督のアミール・ナデリは「アキ・カウリスマキの新作を観ることは、現在の世界の映画界ではめったにできない、真の宝物です。カウリスマキの映画を見るという経験を逃すべきではありません」と、アニメーション作家の山村浩二は「カウリスマキの老練な『真の花』によって、私の心に花が開いた」と思いをつづる。著名人から届いたコメントは下記の通り。

「枯れ葉」は、12月15日より東京・ユーロスペースほか全国でロードショー。

大島依提亜(オルタナティブポスター デザイン担当)コメント

最初に本作を観ている最中もうすでに、すっかり魅了された主人公アンサがなぜか木内さんの絵で脳内変換されていて、試写室出てすぐに、オルタナティブポスターを作りたい旨を配給の方にお伝えし、木内さんにもご快諾いただきました。
そして、木内さんから上がってきた絵は、とうぜんながら自分のちっぽけな脳みそで考えていた想像の絵を遥かに凌駕していて、ポスターのデザイン中もドキドキしてました。

木内達朗(オルタナティブポスター イラスト担当)コメント

大島さんから室内のシーン、犬もというヒントをいただきましたので、それならばやはり主人公の部屋しかないだろうと思い構成しました。カウリスマキ監督が大事にされている、家具や内装や服装などの色が最大限に生きるように照明と配色とを考えました。

足立紳(脚本家・映画監督)コメント

人間てなんてバカな生き物なんだろうという現実の中、
それでもやっぱり人間て美しいよなあ、それは俺も含めなんだよなあ。
と、カウリスマキ監督の作品を観たらいつも自己肯定感が爆上がりして活力がみなぎる。今回も。

アミール・ナデリ(映画監督)コメント

アキ・カウリスマキの新作を観ることは、現在の世界の映画界ではめったにできない、真の宝物です。
カウリスマキの映画を見るという経験を逃すべきではありません。
カウリスマキは詩人であり、独創的で、独特のユーモアと魅力を持った映画監督です。
彼の作品は、小津安二郎、ロベール・ブレッソン、ルイス・ブニュエル、映画史に残る偉大な映画作家の作品と肩を並べることができるでしょう。

植本一子(写真家)コメント

わたしたちの希望は枯葉のようにとても軽く、ささやかな日々の幸福は奪われやすい。
今も続く戦禍に胸をいため、自分には何ができるんだろうと考える。
だから隣の人と手を繋ぐ、小さな抵抗のために。

小野正嗣(作家、フランス文学者)コメント

ユーモアと悲哀がたゆたう物語を運ぶ映像が、現代の社会を描きながら古い時代の絵画のように美しく懐かしいのは、恋する不器用な二人を通じて、誰のなかにもあるみじめさや挫折もひっくるめて人間を抱擁し肯定しようとするカウリスマキの愛ゆえなのだ。

小野瀬雅生(クレイジーケンバンド ギタリスト)コメント

こんなに優しい映画に巡り会ったのは何時以来だろう。世の中は悲惨だし救いようがないし、人々はみんな不器用で壊れていてどうしようもない。でも人々の心の中には力と優しさがたっぷりとあって、それは様々な音楽が饒舌に物語ってくれている。犬もいる。アンサがちょっとだけ笑う。だからきっと大丈夫。

鴻巣友季子(翻訳家/文芸評論家)コメント

生活困窮者を救って店をクビになった女とアルコール依存の男のもどかしい関係。電話番号を渡すが使われない。次に住所、最後にようやく名前を知るふたり。スーパーで買う安い皿、もてなしのための小さなボトル、町の花屋の出来合いのブーケ……。つましい生活の背後にはあの侵略戦がある。不器用で繊細な「距離感」の映画だ。そこかしこにカウリスマキの映画愛が溢れ出している。

週末北欧部 chika コメント

「働き、生きよう。どんなに孤独でも、いつか出会う同じ魂も、この暗闇を生きている。」
そんな余韻を感じた、フィンランドの愛と孤独の無表情ロマンス。
どうしようもなく痛く困難な人生で、愛がもたらす希望を最低限の会話と美しい音楽で描き切る。
そのミニマルさが観る人の感情が入り込む余地を作り出し、きっと一人ひとりに異なる余韻を残す。

岨手由貴子(映画監督)コメント

生活に困窮しながらも、アンサとホラッパの日常には音楽や衣服といった文化が存在する。そんなささやかで豊かな事実に、何度もハッとさせられた。
(※フィガロジャポン2024年1月号より抜粋)

高橋ヨーコ(写真家)コメント

世界がおかしな方向に行こうとしてる時にカウリスマキは帰ってくる。
あの独特の悲哀と、可笑しみを携え、溢れる映画愛をちりばめて。真実とは、喜びとは何なのかを問われながらも、心が軽やかになるのです。

滝口悠生(小説家)コメント

この監督の作品のなかでだけ捉えられる人間の佇まいがある。
強い意志や意味のないまま、まるでただ死の反対側にあるだけのような生が続いてしまうとしても、続いていくことで人生は必ず美しくなってしまうものなのだ。

武田砂鉄(ライター)コメント

切れそうな糸を、それでもまっすぐ伸ばそうとする。
その脆さと強さに引き込まれた。

中田クルミ(俳優)コメント

ふとした所で出逢い、不運にもすれ違い、なぜか惹かれ合う2人。
描かれていること自体はとてもシンプルで無駄なものが一つもない。独特な空気と流れる時間、そして印象的な色彩描写が脳と心をじんわりと温めてくれる。
映画という芸術の愛おしい部分を再確認させてくれる至福の81分。

ピーター・バラカン(ブロードキャスター)コメント

連日ラジオから淡々と流れるウクライナの絶望的なニュースを背景に、
運に恵まれない2人の話が鮮やかな色彩と美しい画面構成で展開します。
最後の小さな希望には思わず感動しました。

甫木元空(映画監督、ミュージシャン)コメント

滑りを繰り返す曇天の現代。
どこか乗り物は全て宙に浮いているようで、地に足がつかない浮遊した社会をそこに見る。
労働と移動を繰り返す毎日に、音楽や映画は一瞬の足止めを与える。
「また明日」
また明日がやってくる安堵と共に、どんな闇にも木漏れ日が差す事を
枯れ葉は知らせてくれる。
何よりアキ・カウリスマキがまた映画を撮ってくれたことが只々嬉しい。

山村浩二(アニメーション作家)コメント

たっぷりのユーモアとわずかな表情の機微の積み重ねで、最大級の「シネマ」へ昇華された世界。ポジティブなオーラに包まれた全てのショットは、どの瞬間も美しく、直球で心に沁みる。カウリスマキの老練な「真の花」によって、私の心に花が開いた。世の中は少しも良くならないが、前向きに生きるしかない。

この記事の画像・動画(全13件)

(c)Sputnik (Photo by Malla Hukkanen)

アキ・カウリスマキ監督作「枯れ葉」予告編

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山村浩二 @Koji_Yamamura

アキ・カウリスマキ「枯れ葉」にコメントさせていただきました。今年のベスト映画です!
https://t.co/5rms4BB6OQ

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