凶悪殺人犯を父に持った娘描く、藤原知之×湯川ひな「誰が為に花は咲く」来年公開

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「そうして私たちはプールに金魚を、」の湯川ひなが主演を務めた映画「誰が為に花は咲く」が1月26日より、東京・アップリンク吉祥寺で上映される。

「誰が為に花は咲く」メインビジュアル

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藤原知之が監督・脚本・編集を担当した本作は、逃亡中の凶悪殺人犯を父に持つ、思春期を迎えた少女の物語。高校3年生の佐久間椿の父・秀明は4年前に小学生を殺害する事件を起こし消息を絶った。父親は死んだものと思われていたが、ある日、秀明に似た男が公園で子供に声をかけたという目撃情報が入る。だが男は別人だった。そして2年後、椿の弟が行方不明になり、SNSに「卑劣な殺人犯の息子を殺害した」と犯行声明が出される。椿を湯川が演じ、椿の父・秀明役でマツモトクラブが出演。高橋里恩小島聖梅田誠弘渡辺裕之もキャストに名を連ねた。現在YouTubeでは予告編が公開中だ。

「誰が為に花は咲く」場面写真

「誰が為に花は咲く」場面写真[拡大]

「誰が為に花は咲く」場面写真

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藤原は「自分にこの題材を扱う資格があるのか。結局答えは出ず、自問自答しながら撮影する日々でした。しかし撮影をしながら主人公・椿が不器用にいろんなことを模索しながら生きる様を見て、自分の資格云々は置いといて、椿を多くの人に見てもらいたい、この作品を多くの人に見て貰いたいと強く思いました」とコメント。湯川は「椿と自分の間にある距離を、部外者的な目線で埋めてしまわないためにも、むしろ見逃してしまうような瞬間にこそ表れる椿の為人を、監督と話し合いながら大切に演じました。けれども私は結局、椿のような立場で人生を送る人たちにとって部外者であることに変わりはなく、その葛藤は今でも続いています。皆さんにご覧いただくことは少し怖いです…。でもやっぱり嬉しい気持ちが強いです。何かを受け取ってもらえたら嬉しいです!」と思いを伝えた。

「誰が為に花は咲く」場面写真

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また本作を鑑賞した映画監督の堤幸彦は「大事な仲間である藤原知之君のオリジナルムービーである。しかし見始めてすぐ仲間であることや自主映画であることを忘れてしまう。あまりに丁寧に、人間の『ダークな意志』や『立っていることの脆さ』の感情を捉えているからだ」とつづっている。

なお本作は今年9月に米ロサンゼルスで開催されたJAPAN FILM FESTIVAL LOS ANGELES 2023にて、BEST FEATURE AWARD(最優秀長編作品賞)を受賞した。

※高橋里恩の高は、はしごだかが正式表記

映画「誰が為に花は咲く」予告編

藤原知之 コメント

映画を作るということは自分の生き方と正面から対峙して目を逸らさず見つめ直す作業でもあるので毎回苦しいのですが、今作は特にそう感じました。自分にこの題材を扱う資格があるのか。結局答えは出ず、自問自答しながら撮影する日々でした。
しかし撮影をしながら主人公・椿が不器用にいろんなことを模索しながら生きる様を見て、自分の資格云々は置いといて、椿を多くの人に見てもらいたい、この作品を多くの人に見て貰いたいと強く思いました。この作品に触れることで何かを感じてくれる人がいるのなら届けたいと思いました。見てくれた人にどういう感情が芽生え、どういう疑問や不条理を感じるのか見てみたいと思いました。この作品は上映がゴールではなく、見てくれた人の中でも動き続ける、そんな作品になればと思っています。
ぜひご覧ください。

湯川ひな コメント

いよいよ公開されること、楽しみであると同時に緊張が高まっています!
私が演じた椿の人生は、2時間では語りきれない程の壮絶なものでした。自分が演じることで、劇的で大きな出来事の感情にだけ目が向けられることを恐れました。椿と自分の間にある距離を、部外者的な目線で埋めてしまわないためにも、むしろ見逃してしまうような瞬間にこそ表れる椿の為人を、監督と話し合いながら大切に演じました。けれども私は結局、椿のような立場で人生を送る人たちにとって部外者であることに変わりはなく、その葛藤は今でも続いています。皆さんにご覧いただくことは少し怖いです…。でもやっぱり嬉しい気持ちが強いです。何かを受け取ってもらえたら嬉しいです!

堤幸彦 コメント

大事な仲間である藤原知之君のオリジナルムービーである。
しかし見始めてすぐ仲間であることや自主映画であることを忘れてしまう。あまりに丁寧に、人間の「ダークな意志」や「立っていることの脆さ」の感情を捉えているからだ。その感情達は「解放」を求めているが「予定調和的提示」はされない。きっと本能的に藤原視線はたった一つのアングルで人間を撮ることができないことを知っている。それは同時に私や彼を含む「日常としての映画作り」への静かで強烈なアンチテーゼであり、解体作業だ。
結果として「未完」の美しい作品ができ上がる。登場人物の誰にも例外なく等距離で感情移入できる。なぜならどの人物にも「私」が埋め込まれているからだろう。それが「映画」なのだ。それこそが。
美しい斜光に「映画を見た幸福」がやってきた。

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Miyaguchi @magoroku_seven

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