第24回東京フィルメックスのコンペティション部門に出品されている映画「
山本の商業映画デビュー作となる本作では、愛した恋人を刺し殺そうとした過去を持つ沙苗が、数年の服役後に別の男性との結婚を経て、自分の愛し方をまっとうしようとするさまが描かれる。彼女の人物像は、2019年に起きた新宿ホスト殺人未遂事件にインスパイアされ作られた。橋本が沙苗役で主演。彼女の過去を知りながらも結婚する夫・健太を仲野、謎めいた女性・足立を木竜が演じた。
橋本は「すごく思い入れの強い作品。とても素敵な作品ができあがったことに感無量です。今日皆さんに観ていただけることをうれしく思っています」と笑みをこぼし、仲野は「少数精鋭で心を込めて作った映画です」「フィルメックスは大の映画好きが集まっていると思うので、緊張しています」と挨拶する。木竜も「濃密な時間を過ごした作品。上映できることをうれしく思います」と続け、山本は「3、4年前から向き合い続けてきた映画です。どう受け取っていただけるのか楽しみです」と伝えた。
韓国で開催された第28回釜山国際映画祭のニューカレンツ部門に出品された本作。同映画祭で行われたQ&Aに登壇した橋本は「海外のお客さんの反応に直に触れることができました。細かい部分までじっくり観ていただいて、Q&Aではそんなところまで観てくれたんだと思うような質問もあって」と振り返り、「すごく丁寧に作った映画なので、細部まで観ていただけたらと思っています。テーマの1つが愛の形、愛とは何か?といったもの。沙苗、健太、足立の愛の形もそれぞれ違いますし、皆さんの持っている愛の形や質感、色も異なると思います。この映画が、自分自身を見つめる時間になれたらいいなと」と願いを込める。これを受けた仲野は「ありがとう! 全部言ってくれた。今、愛が言ったことがすべてです!」と言って、会場を笑わせてから「映画全体のトーンはシリアスなんですが、ちょっとした笑える部分があったり。あまり肩肘張らずに観ていただきたいです」と呼びかける。
最後に山本は「スタッフ、キャストに支えられて、なんとか作ることができた映画です。誰かのそばにいられることと、いられないことをずっと考えながら作りました。そういう部分を考えてもらえたらうれしいです」と観客に語りかけ、イベントの幕を引いた。
「熱のあとに」は2024年2月より東京・新宿武蔵野館、シネクイントほか全国でロードショー。「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」のイ・ナウォンが脚本を手がけた。
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橋本愛「熱のあとに」日本初上映を喜ぶ、仲野太賀は「ありがとう!全部言ってくれた」 https://t.co/4fnEoUGMnT