「ABYSS」脚本家・渡辺あやにとって須藤蓮は「何になるかわからない大きな種」

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ABYSS アビス」の公開記念舞台挨拶が本日9月16日に東京・シネクイントで行われ、監督・主演の須藤蓮、須藤とともに脚本を担った渡辺あやが登壇した。

「ABYSS アビス」公開記念舞台挨拶の様子。左から須藤蓮、渡辺あや。

「ABYSS アビス」公開記念舞台挨拶の様子。左から須藤蓮、渡辺あや。

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「ABYSS アビス」メインビジュアル

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「逆光」で監督・主演を務めた須藤、脚本を手がけた渡辺の2作目のタッグとなる本作。東京・渋谷のバーでアルバイトをしている23歳のケイが、自殺した兄の元恋人・ルミに惹かれていくさまが描かれる。須藤がケイを演じ、佐々木ありさがルミに扮した。

須藤蓮

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須藤は「企画を準備し始めてからかれこれ4、5年経っていて、編集だけでも1、2年やっていた作品なので、噛みすぎて味のしないガムのようになってしまったらどうしようという気持ちだった」と公開前の不安を吐露する。続けて「でも(観客の前に)立ったら感情が込み上げてきて。飽きるほどやった映画でも、お客さんに観てもらうことで、こんなに特別な気持ちになれるのが映画の素晴らしいところだなと思いました」と感慨深げに語った。

渡辺あや

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須藤との出会いは、NHKで2018年に放送された京都発地域ドラマ「ワンダーウォール」だったという渡辺。ある日突然、須藤からスマホで書かれた脚本の一部が送られてきたと言い、渡辺は「若い世代がたまに脚本を送ってくれるんですけど、私は『ハードルを下げない』『容赦しない』という接し方を心掛けているんです。多くは1回で心折れて去ってしまうんですけど、彼(須藤)は何回も書き直しては送り返してくるのが珍しかった」と振り返る。そして「それだけではなくて、彼自身の生々しいものを書き起こしているんだということが脚本の段階で感じられたので、非常に魅力的でした」と称賛した。

須藤蓮

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撮影中の話題になると、須藤は「実体験も込みのテーマなので扱いきるのがすごく難しくて、形容しがたい地獄を味わいました」と告白。特に編集には苦労したと言い「これ(編集途中の本編)をあやさんに観られるととっちめられる!と思って隠してたんです。そしたらプロデューサーさん経由であやさんの手に渡ってしまって……」と話す。渡辺は「『とんでもない駄作ができてますけどどうしますか?』ってね(笑)」と述懐し、須藤は「最終的に胸を張って出せるものになってよかったです」とほほえんだ。

渡辺あや

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渡辺は須藤について「大きい種を見つけたら『これは何になるんだろう?』と、土に埋めて水をあげずにはいられないじゃないですか。須藤くんに対してはそういう感覚で、期待感とともに芽が伸びていくのを見ていたいと思っています。大変なのでそろそろ誰か(見守る役を)変わってほしいですけど(笑)」と声を弾ませる。須藤は「真剣になり続けられるって貴重だなと思っていて。映画以外の世界でも、とにかく面白いものに向かって突き進んでいきたい」と述べ、今後に関しては「海外で何かやるっていうのは決めています」と宣言した。

※「ABYSS アビス」はR15+指定作品

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(c)2023『ABYSS アビス』製作委員会

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おおとも ひさし @tekuriha

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