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河林満の同名小説を映画化した本作では、日照りで県内全域に給水制限が発令される中、料金を滞納する家庭を訪ねていく水道局員の岩切俊作と、2人きりで家に取り残された幼い姉妹の姿が描かれる。生田が岩切を演じ、門脇が姉妹の母・有希、磯村が岩切とバディを組む局員・木田、山崎が家に取り残された姉妹の姉・恵子、柚穂が天真爛漫な妹・久美子に扮した。
生田は観客を見渡しながら「やっぱり、初日はうれしいです。何度経験してもいいものだなと思います」と笑顔に。門脇は「思い入れのある作品。初日を迎えられてよかったなと、感慨深いです」としみじみと語る。
高橋は「原作は1990年に発表されたもので、バブル期の終わり、華やかな生活の裏側に、貧困、格差社会、児童虐待などがあるということが描かれています。2020年代もその問題は解消されていない。大人として、次世代のためにこれは変えていかなきゃいけないんじゃないかと思って、この作品を作りました」と思いを口にする。白石は「原作がビターというか残酷な終わり方。これを描くにあたって、あるメッセージを込めている。そこにこの作品を作る意義を感じました。観客の方に受け取っていただけるといいなと」と願いを込めた。
イベント中盤には、登壇者が好きなシーンを語り合う場面も。生田が「幼い姉妹が水の張っていないプールでシンクロごっこをしているシーンですね。きれいに輝く水が見えた気がしました」と言うと、山崎も「私もそのシーンは幸せの裏につらいことがあることが描かれていてお気に入りのシーンです」と続き、柚穂も「お姉ちゃんにあわせて踊るぞ!と思って、私も印象に残りました」と振り返った。
門脇は「岩切のある感情が決壊する瞬間にグッときました。自分にふたをして、見ないようにしてきたけれど、姉妹と出会って、ダムが壊れてしまうような。とても印象に残っています」とコメント。生田は「岩切はすべてにふたをして、何も感じないように生きてきた男。その岩切の感情があふれていくシーンだったんで、僕自身大切にしていました。うれしいですね」とはにかんだ。そんな生田について高橋は「目力に射抜かれて、岩切は生田さんにやっていただきたいと思ったんです。最後、爆発するときにいい目をしてほしいと思っていたんですが、そこに行き着くまでの、目が死んでいくさまもしっかり表現してくれた。とても感銘を受けました」と絶賛する。
続く磯村はお気に入りのシーンに有希がネイルを塗るシーンを挙げ「乾き切っている雰囲気がすごく出ている。何もしゃべらなくても説得力がありました」と述懐。山崎が「やったことはないんですけど、万引きのシーンは印象に残っています。やったことないんですけど」と好きなシーンを紹介すると、生田がすかさず「あんまり『やったことない』って言うと、やったことあるっぽくなっちゃうから!(笑)」と声を掛け、会場に笑いを起こした。
白石は縁側で木田らがアイスを食べるシーンを選んだ。「鬼の長回しで、アイスを食べ終わらなきゃならない。食べる技術がすごいなと思いました(笑)」とたたえると、生田は「勇斗が真夏に震えているのが不憫でならなかったです」とブルブル震えるジェスチャー付きで思い返し、磯村は「何本も食べましたね……(笑)」と回想する。
最後に生田は「河林さんの情熱が時を経て、今日実を結んだと思っています。この作品を皆さんに大切にしてほしいです」と呼びかけ、イベントの幕を引いた。
「渇水」は全国で公開中。
※山崎七海の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記
※高橋正弥の高は、はしごだかが正式表記
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