ヒットすれば「シン・せかいのおきく」誕生?池松壮亮が阪本順治の新作イベントで発言

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せかいのおきく」の公開記念舞台挨拶が本日4月29日に東京・TOHOシネマズ 日本橋で行われ、キャストの黒木華寛一郎池松壮亮眞木蔵人、監督を務めた阪本順治が登壇した。

「せかいのおきく」公開記念舞台挨拶の様子。左から阪本順治、池松壮亮、黒木華、寛一郎、眞木蔵人。

「せかいのおきく」公開記念舞台挨拶の様子。左から阪本順治、池松壮亮、黒木華、寛一郎、眞木蔵人。

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「せかいのおきく」ポスタービジュアル

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本作は江戸時代末期を舞台に、わびしくつらい日々を懸命に生きる庶民の姿をモノクロで描いた青春時代劇。黒木が寺子屋で読み書きを教えるおきく、寛一郎が紙屑拾いの中次、池松が下肥買いの矢亮を演じたほか、眞木が寺子屋で「せかい」の意味を説く住職の孝順、佐藤浩市がおきくの父・源兵衛、石橋蓮司がおきくと同じ長屋に住む元早桶屋の孫七に扮している。さまざまな“良い日”に生きる人々の物語を映画で伝えるプロジェクト「YOIHI PROJECT」の劇場映画第1弾として4月28日に公開された。

阪本順治

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映画は2月に第52回ロッテルダム国際映画祭でワールドプレミア。今後も韓国、中国、ドイツ、アメリカなどの海外映画祭で上映が決まっており、阪本は「『せかいのおきく』が世界の『せかいのおきく』になるわけですよね」と受け止める。撮影は3年前にスタート。終盤に当たる第6章と第7章を最初に撮影したのち、2022年になってから、そのほかのパートを撮り切った。制作当初は劇場公開も想定されておらず、阪本は「撮影日数は、なんと12日間。3年がかりで撮ったものが、こうやって公開されて、世界の人にも観てもらえる。当初はまったく予想していなかった」と明かし、「この映画にある人間の営みは世界共通のもの。世界でも日本の皆さんと同じような受け止め方をしてもらえると信じてます」と自信をのぞかせた。

黒木華

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寛一郎

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映画はモノクロスタンダードサイズという現在の商業映画では珍しい画面比率で完成。小学生向けの試写会も行われ、初めてモノクロ映画を観る子供たちがほとんどだったが「今まで観た映画で一番記憶に残る」といった好感触な反応も寄せられている。キャスト陣もモノクロ映画への出演は今回が初めてで、黒木は「色だったり、音だったり、匂いだったりがより際立ってくる」「白黒だからこそ伝わるものがあると思います」、寛一郎も「景色から色の情報がなくなる。その分感じ取れるものが多かったです」と感想を吐露。モノクロ映画への出演が念願だったという池松は「昔のものとされがちですけど、技法として世界ではずいぶん見直されている。日本でもモノクロ映画にどんどんトライするべきじゃないかと思っていた。この題材でやれてうれしかったです」と話した。

池松壮亮

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「せかいのおきく」場面写真

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観客からは作品を身近に感じている感想が多く寄せられ、中でも中次と矢亮が河原で昼寝をするシーンへの言及が多いという。キャストの2人は「なんでこのシーンが?」と疑問を感じつつも、池松は「寝てる寛はかわいい(笑)」とコメント。このシーンはもともと脚本になく、ポスターでも使用されたおきく、中次、矢亮が雨宿りをする場面の合間に撮影された。阪本は「人工的に雨を降らせてるんですけど、空が晴れてきてしまったんですね。だから曇りを待つんですけど、長らく監督をやってますと、待っている間に何か撮れるんじゃないか?と思うんです。いつ、どのタイミングで編集で使うかわからない。急に思い立って『2人ここで昼寝して』と。あとは役者同士のバディの息に任せてます」と明かした。

眞木蔵人

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もともと阪本の監督作「傷だらけの天使」「この世の外へ/クラブ進駐軍」「亡国のイージス」などに出演していた常連俳優の眞木。キャリアの紆余曲折を経て、「冬薔薇」で16年ぶりに阪本の作品に登場していた。今回のタッグについても、眞木は「まず自分にお坊さんの役を持ってくる時点で『監督、大丈夫か?』と思いました」と笑い混じりに告白。眞木が長ゼリフを披露する場面で共演した黒木は「すごく楽しくて本当に純粋な方。役柄だけではなく、眞木さんの素直な心が出ている気がしました。とてもチャーミング」と話し、阪本は「やんちゃだった時期もありますけど、まっすぐな芝居しかできないよさがある。『冬薔薇』に続いてマッキーと会いたくなった」と打ち明けた。

左から池松壮亮、黒木華、寛一郎。

左から池松壮亮、黒木華、寛一郎。[拡大]

最後に池松は「これからの社会に必要な問いを持った意義深い作品に関われて光栄でした。阪本さん曰く、ヒットすれば『シン・せかいのおきく』ができるらしいので応援よろしくお願いします」と話して笑いを誘う。寛一郎は企画・プロデューサーの原田満生の名を挙げ「本当に熱を持った方が人を集めて素晴らしい映画ができたと思います。何年後も残っていく映画です」と胸を張り、黒木は「映画を愛する人たちが集まって3年前から大事に、大事に作った作品です。本当にいろんな方に観ていただける映画になったと思います」と呼びかけ、イベントを締めくくった。

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(c)2023 FANTASIA

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Chiaki @ Dorama World ドラマワールド @doramaworld

First-day event of new movie "Sekai no Okiku" at TOHO Cinemas Nihonbashi on 29 Apr 2023 - Kuroki Haru, Kanichiro, Ikematsu Sousuke & Maki Kuroudo
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