中国ドラマ「キミに恋々!」が5月3日よりU-NEXTで独占先行配信、7月3日よりDVDが順次リリースされる。「国子監は花ざかり~ロマンスは最高学府で~」のシュー・カイチョン(徐開騁)と「雪華の炎~揺るぎない誓い~」のグーリーナーザー(古力娜扎)が共演した本作は、恋に奥手で恋愛経験0のレスキュー隊隊長と30歳を目前に自分らしく生きると決めた女性が織り成す爽快じれキュンラブコメディだ。
映画ナタリーでは本作の日本上陸を記念し、中国ドラマに造詣の深いライター・小酒真由子と島田亜希子の対談をセッティング。作品の魅力や、「奥手男子×しっかり者の女子」が視聴者の支持を集める理由を語り合ってもらった。
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取材・文 / 金子恭未子
中国ドラマ「キミに恋々!」予告編公開中
さすがシュー・カイチョン(小酒)
──シュー・カイチョンとグーリーナーザーが共演した「キミに恋々!」が日本上陸します。恋に奥手で恋愛経験0のレスキュー隊隊長と30歳を目前に医師としてのキャリアを捨て、自分らしく生きると決めた女性のじれったい恋模様をつづるラブストーリーです。
島田亜希子 シュー・カイチョンのひそかなファンである私としては、日本に入ってきて、ガッツポーズ!(笑) ラブストーリーの王道展開が盛りだくさんなところがかえって新しくて面白かったです。現地で観ていた視聴者の82%が女性で、その中でも年齢層がやや高めな女性が多かったそうなんです。だから30歳以上の大人の女性が観るドラマとしてウケていたようですね。
小酒真由子 シュー・カイチョンって大人の女性に人気があるイメージですよね。彼は海外人気も高いので、配信元のテンセント国際版WeTVでは、アメリカ、オーストラリア、ポルトガル語圏で1位になっていました。海外サイトのコメントを見ていても、多くの女性が中国ドラマに求めているのは現実を忘れてうっとりできるもの。アメリカドラマはリアルすぎるし、日本や韓国のラブコメもイケメンがヒロインを抱き止めてクルクル回ったりすることはあんまりない(笑)。だから夢が見られるラブストーリーを求めている人には、これがまさに!というドラマだったんだと思います。
島田 ですよね。どハマりしたと思います(笑)。シュー・カイチョンとグーリーナーザーって2人ともダンス経験者なので、ラブシーンがダンスのペアみたいでめちゃくちゃ画になるのも見どころ。
──シュー・カイチョン演じるスー・チンチョーは頼れるレスキュー隊隊長ですが、一方で恋愛経験0の奥手な男性というキャラクターです。劇中では彼の遅咲きの初恋が描かれます。
小酒 シュー・カイチョンがレスキュー隊隊長という設定はずるいぞと(笑)。崖から落ちたところを救ってくれたりするので、つり橋効果的に「あれ、頼りになる!?」と思わせる。レスキューシーンがシリアスになりすぎない気楽さもよかったです。
島田 シュー・カイチョン=スー・チンチョーなんじゃないかというナチュラルさがあって魅力的。聖人君子じゃなくて、素敵な彼氏とダメンズの間を行ったり来たりするような、ちょっと揺らぎもあるキャラクターがすごく似合っていました。
小酒 まさに、そこがシュー・カイチョンらしいですよね。最初のお見合いシーンで、あんなひどい態度のヒロインを見たらわざと自分に嫌われようとしているって察してもいいと思うんですが、それがわからず怒り出す。そこが、イケメンだけど恋愛経験0の原因だなと思って。かっこいいけどなんだかダメなところがスー・チンチョーのかわいい部分で、母性本能をくすぐるんだと思います。
島田 そうそう! 隙のあるところが魅力的ですよね。
小酒 訓練合宿中にもレスキュー現場では爪が長いとダメだからってヒロインの爪を断りもなく切り始めるじゃないですか。イケメンですごいモテるのに、そういうとこだぞ!と(笑)。でもちょっとこじらせてる部分が、女性としては世話を焼きたくなるし、ヒロインもまんまと彼の魅力にハマっていってしまう。
島田 劇中にも周りの女の子が「スー・チンチョーさんってすごい素敵だけど、でも……」みたいなシーンありましたよね(笑)。
小酒 そういう意味で、恋愛経験0という設定に説得力がありましたよね。たまに全然説得力ないときあるじゃないですか? こんな素敵なイケメンがなぜ女性と付き合ったことがない設定になっているの!?と。でもスー・チンチョーはリアリティがありますし、そういうキャラクターをかっこよく見せてくれるのが、さすがシュー・カイチョンなんですよね。かっこよく見えてこないと2番手男子になってしまうから。
中国ドラマあるあるを言い出したらきりがない(島田)
──恋に奥手な男子スー・チンチョーと自分らしく生きると決めた最強女子ソン・シンチェンが織りなすラブストーリーが本作の大きな見どころの1つです。
小酒 奥手な主人公を演じるシュー・カイチョンが困ったりやきもちを焼いたり、ドギマギしたり、一人相撲をする姿が見られる。ヒロインが別の男性とデートしていると勘違いするとか、王道シチュエーションもいっぱいあって。
島田 “中国ドラマあるある”を言い出したらきりがないぐらいありますよね。「勘違いからのすれ違い」とか。
小酒 「あてにならない人から恋のアドバイスを受ける」も(笑)。
島田 「2人の秘密をなぜかみんなが知っている」「いちいち距離置く」もありました(笑)。「携帯のメッセージを書いたけど、消して出さない」とか、そういうじれったさが面白い!
小酒 こういうタイプのドラマは、両片思いのシークエンスが長くなるので、楽しいんですよね。視聴者としては「もう早く付き合っちゃえばいいのに!」ともどかしいけど、すれ違っていく。
──シュー・カイチョンのさまざまな表情が楽しめる本作ですが、ここにやられた!というポイントはありましたか?
島田 いっぱいありすぎて全部って言いたくなっちゃいますね(笑)。
小酒 シュー・カイチョンの場合は、かっこいいシーンだけにキュンとくるわけじゃないですよね。普通だったら素敵なキスシーンを挙げるところを、抜けている場面にキュンときてしまう。
島田 そうそう、そこなんです! 片ひざついてプロポーズするシーンよりも、焼き芋を焼いている姿にキュンときたり(笑)。
──個人的には体温計で熱を測ってる姿がかわいらしいと思いました。
小酒 まさに、現代劇のシュー・カイチョンにやられてしまうパターン!(笑) 自然体な日常のシーンについついキュンときちゃうんですよね。ここのシーンが好きだったとか、この表情がよかったとか日常の一コマに表れた魅力を見つけるのが楽しい。それが時代劇とはまた違った現代劇の醍醐味だと思います。
──日常のかわいらしいシーンも満載な一方で、王道の胸キュンシーンもしっかり押さえてくれていました。
小酒 護身術の練習中に急接近したり、ヒロインがアーチェリーの練習をするシーンでは、「来るぞ、来るぞ」と思っていると、やっぱりシュー・カイチョンが後ろにいた(笑)。時代劇と同様に、現代劇でも見せてくれます。
島田 そんなんじゃない!とか言いながら、お互いに気があるのがバレバレなんですよね(笑)。
小酒 肝心なキスシーンはキラキラした雰囲気で本当にロマンティック! 日常を忘れて甘い世界に浸れます。
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女性が恋も仕事もどちらも実現している姿は爽快(小酒)