第96回アカデミー賞(2024年)

日本時間2024年3月11日にアメリカ・ハリウッドのドルビーシアターで授賞式が開催され、ジミー・キンメルが司会を務めた。

作品賞を含む最多7部門で受賞を果たしたのは、原子爆弾の開発に携わった物理学者J・ロバート・オッペンハイマーの栄光と没落を描いた「オッペンハイマー」。クリストファー・ノーランが監督賞、キリアン・マーフィーが主演男優賞、ロバート・ダウニー・Jr.が助演男優賞を受賞したほか、編集賞、撮影賞、作曲賞も獲得した。

「オッペンハイマー」に次いで主演女優賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、美術賞、衣装デザイン賞の4部門を受賞したのは「哀れなるものたち」。エマ・ストーンが「ラ・ラ・ランド」以来7年ぶり2度目の主演女優賞に輝いた。そのほか「関心領域」が国際長編映画賞、音響賞を受賞した。

日本の作品では「ゴジラ-1.0」が日本映画として初めて視覚効果賞を受賞。受賞者には監督の山崎貴のほか、VFXディレクターの渋谷紀世子、CGディレクターの髙橋正紀、コンポジターの野島達司が名を連ねた。同部門における監督の受賞は「2001年宇宙の旅」のスタンリー・キューブリック以来55年ぶり、史上2人目。また、宮崎駿の監督作「君たちはどう生きるか」が長編アニメーション賞を受賞した。日本の作品の長編アニメーション賞受賞は、同じく宮崎が監督を務めた「千と千尋の神隠し」以来21年ぶり。

アカデミー賞関連特集

作品賞

アメリカン・フィクション
落下の解剖学
バービー
ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
マエストロ:その音楽と愛と
オッペンハイマー
パスト ライブス/再会
哀れなるものたち
関心領域

主演男優賞

ブラッドリー・クーパー
マエストロ:その音楽と愛と
コールマン・ドミンゴ
ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男
ポール・ジアマッティ
ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ
キリアン・マーフィー
オッペンハイマー
ジェフリー・ライト
アメリカン・フィクション

主演女優賞

アネット・ベニング
ナイアド ~その決意は海を越える~
リリー・グラッドストーン
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
ザンドラ・ヒュラー
落下の解剖学
キャリー・マリガン
マエストロ:その音楽と愛と
エマ・ストーン
哀れなるものたち

助演男優賞

スターリング・K・ブラウン
アメリカン・フィクション
ロバート・デ・ニーロ
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
ロバート・ダウニー・Jr.
オッペンハイマー
ライアン・ゴズリング
バービー
マーク・ラファロ
哀れなるものたち

助演女優賞

エミリー・ブラント
オッペンハイマー
ダニエル・ブルックス
カラーパープル
アメリカ・フェレーラ
バービー
ジョディ・フォスター
ナイアド ~その決意は海を越える~
ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ
ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ

監督賞

ジュスティーヌ・トリエ
落下の解剖学
マーティン・スコセッシ
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
クリストファー・ノーラン
オッペンハイマー
ヨルゴス・ランティモス
哀れなるものたち
ジョナサン・グレイザー
関心領域

脚本賞

落下の解剖学
ジュスティーヌ・トリエ
アルチュール・アラリ
ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ
デヴィッド・ヘミングソン
マエストロ:その音楽と愛と
ブラッドリー・クーパー
ジョシュ・シンガー
メイ・ディセンバー ゆれる真実
サミー・バーチ
アレックス・メヒャニク
パスト ライブス/再会
セリーヌ・ソン

脚色賞

アメリカン・フィクション
コード・ジェファーソン
バービー
グレタ・ガーウィグ
ノア・バームバック
オッペンハイマー
クリストファー・ノーラン
哀れなるものたち
トニー・マクナマラ
関心領域
ジョナサン・グレイザー

国際長編映画賞

僕はキャプテン
PERFECT DAYS
雪山の絆
ありふれた教室
関心領域

撮影賞

伯爵
エドワード・ラックマン
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
ロドリゴ・プリエト
マエストロ:その音楽と愛と
マシュー・リバティーク
オッペンハイマー
ホイテ・ヴァン・ホイテマ
哀れなるものたち
ロビー・ライアン

編集賞

落下の解剖学
ロラン・セネシャル
ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ
ケヴィン・テント
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
セルマ・スクーンメイカー
オッペンハイマー
ジェニファー・レイム
哀れなるものたち
ヨルゴス・モヴロプサリディス

美術賞

バービー
サラ・グリーンウッド
ケイティー・スペンサー
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
ジャック・フィスク
アダム・ウィリス
ナポレオン
アーサー・マックス
エリ・グリフ
オッペンハイマー
ルース・デ・ヨング
クレア・カウフマン
哀れなるものたち
ジェームズ・プライス
ショーナ・ヒース
Zsuzsa Mihalek

衣装デザイン賞

バービー
ジャクリーン・デュラン
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
ジャクリーン・ウェスト
ナポレオン
ジャンティ・イェーツ
デイヴ・クロスマン
オッペンハイマー
エレン・マイロニック
哀れなるものたち
ホリー・ワディントン

メイクアップ&ヘアスタイリング賞

Golda(原題)
Karen Hartley Thomas
Suzi Battersby
Ashra Kelly-Blue
マエストロ:その音楽と愛と
カズ・ヒロ
ケイ・ジョージウー
ロリ・マッコイ=ベル
オッペンハイマー
ルイサ・エイベル
哀れなるものたち
ナディア・ステイシー
マーク・クーリエ
ジョシュ・ウェストン
雪山の絆
Ana López-Puigcerver
デヴィッド・マルティ
モンツェ・リーベ

視覚効果賞

ザ・クリエイター/創造者
Jay Cooper
Ian Comley
Andrew Roberts
ニール・コーボールド
ゴジラ-1.0
山崎貴
渋谷紀世子
高橋正紀
野島達司
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3
ステファン・セレッティ
アレクシ・ワジブロア
ガイ・ウィリアムズ
Theo Bialek
ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
Alex Wuttke
Simone Coco
Jeff Sutherland
ニール・コーボールド
ナポレオン
チャーリー・ヘンリー
Luc-Ewen Martin-Fenouillet
Simone Coco
ニール・コーボールド

音響賞

ザ・クリエイター/創造者
Ian Voigt
エリク・アーダール
イーサン・ヴァン・ダー・リン
Tom Ozanich
Dean Zupancic
マエストロ:その音楽と愛と
Steven A. Morrow
リチャード・キング
Jason Ruder
Tom Ozanich
Dean Zupancic
ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
Chris Munro
James H. Mather
Chris Burdon
Mark Taylor
オッペンハイマー
ウィリー・バートン
リチャード・キング
ゲイリー・リッツォ
ケヴィン・オコネル
関心領域
ターン・ウィラーズ
ジョニー・バーン

作曲賞

アメリカン・フィクション
ローラ・カープマン
インディ・ジョーンズと運命のダイヤル
ジョン・ウィリアムズ
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
ロビー・ロバートソン
オッペンハイマー
ルドウィグ・ゴランソン
哀れなるものたち
ジャースキン・フェンドリックス

歌曲賞

The Fire Inside フレーミングホット!チートス物語
I'm Just Ken バービー
It Never Went Away ジョン・バティステ:アメリカン・シンフォニー
Wahzhazhe (A Song for My People) キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
What Was I Made For? バービー

長編アニメーション賞

君たちはどう生きるか
マイ・エレメント
ニモーナ
ロボット・ドリームズ
スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース

短編アニメーション賞

Letter to a Pig
Ninety-Five Senses(原題)
Our Uniform(原題)
Pachyderme(原題)
WAR IS OVER! Inspired by the Music of John and Yoko(原題)

長編ドキュメンタリー賞

ボビ・ワイン:ゲットー・プレジデント
エターナルメモリー
Four Daughters(英題)
虎を仕留めるために
マリウポリの20日間

短編ドキュメンタリー賞

The ABCs of Book Banning(原題)
The Barber of Little Rock(原題)
Island in Between(原題)
ラスト・リペア・ショップ
世界の人々:ふたりのおばあちゃん

短編実写映画賞

彼方に
Invincible(原題)
ナイト・オブ・フォーチューン
Red, White and Blue(原題)
ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語

アカデミー名誉賞


アンジェラ・バセット

キャロル・リトルトン

メル・ブルックス

フォトギャラリー(全170件)

過去の授賞式

年度(回数) 概要
2023年(第95回)

アメリカ・ロサンゼルスのドルビーシアターで、現地時間2023年3月12日に授賞式が行われた。「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」が作品賞を含む最多7冠を達成。同作に出演しているミシェル・ヨーが主演女優賞、キー・ホイ・クァンが助演男優賞、ジェイミー・リー・カーティスが助演女優賞を獲得した。ドイツ映画「西部戦線異状なし」が国際長編映画賞、撮影賞、美術賞、作曲賞に輝き、ブレンダン・フレイザーが主演男優賞を受賞した「ザ・ホエール」はメイクアップ&ヘアスタイリング賞にも選ばれている。授賞式では作品賞受賞に感極まったキー・ホイ・クァンが、かつて「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」で共演したプレゼンターのハリソン・フォードとハグで喜びを分かち合う場面も。キー・ホイ・クァンが出演した「グーニーズ」で原案・製作総指揮を担当したスティーヴン・スピルバーグは、その光景を笑顔で見つめていた。

2022年(第94回)

2022年3月27日にアメリカ・ロサンゼルスのドルビーシアターで授賞式が行われた。作品賞に輝いた「コーダ あいのうた」は助演男優賞と脚色賞も獲得。音響賞、作曲賞、編集賞、美術賞、撮影賞、視覚効果賞の6部門を制した「DUNE/デューン 砂の惑星」が最多受賞となった。また濱口竜介の監督作「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞に選ばれた。授賞式中にはウィル・スミスがプレゼンターのクリス・ロックに激怒し平手打ちを食らわせるというハプニングも。

2021年(第93回)

2020年(第92回)

2019年(第91回)

過去の受賞作品

年度(回数) 受賞作品
2023年(第95回)
2022年(第94回)
2021年(第93回)
2020年(第92回)
2019年(第91回)

同年の映画賞・映画祭

最終更新日時:2024/9/19