深田晃司と大橋裕之が推薦、映画監督がミニシアターを旅する「あなたの微笑み」

リム・カーワイの新作「あなたの微笑み」より、深田晃司による推薦コメントとマンガ家・大橋裕之による描き下ろしイラストが公開された。

本作は、ある映画監督がコロナ禍に自分の作品を上映してくれる映画館を探して、全国のミニシアターを訪ね歩く青春ロードムービー。「普通は走り出す」などを手がけた渡辺紘文が、くすぶり続ける映画監督“世界の渡辺”を演じた。

深田は「旅を描いたリムさんの映画はこれまでもあったけど、それはどこか放浪中の監督から届いた手紙のような手触りでしたが、今回は初めてその放浪にお供をさせて頂けたようなワクワクする楽しさ（と痛々しさと優しさと）に満ちていました」とコメント。「虚実入り混じる不思議な道程だけど、旅先で言及された深田の映画に客が入らないというのは、まあ事実です。ミニシアター関係者の皆様、すみませんでした。リムさんの旅の行く末をこれからも見届けたいです。もちろん渡辺紘文監督の新作も！」と語っている。

大橋は“世界の渡辺”が本作の鍵を握る女性・yuriと出会うシーンをイラストで表現。「僕も自分の描いてる漫画を上手く説明できない。ボーッと観てしまった。ボーッと観ていたら渡辺監督と一緒に旅をしていた」と推薦している。

11月11日にエストニアで開幕する第26回タリン・ブラックナイト映画祭への正式出品も明らかに。実験的な作品を対象にしたコンペティション「理由ある反抗者」にて、現地時間11月24日にインターナショナルプレミアが行われる。英題は「Your Lovely Smile」。リム・カーワイによる喜びのコメントは下記の通り。

「あなたの微笑み」は、11月12日より東京のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次ロードショー。

リム・カーワイ コメント

笑いあり、涙あり、そして最後にあなたの“微笑み”をもたらす、そんな王道の感動大作として「あなたの微笑み」を作った。今回、ヨーロッパ最大級の映画祭のひとつであるタリン・ブラックナイト映画祭の新しい視野を開拓し、実験的で前衛的な作品を対象にしたコンペティション部門「理由ある反抗者」（Rebels with a cause）に選出されたことは、ちょっと場違いな気もした。しかしエンタメ作品である「あなたの微笑み」が「理由ある反抗の前衛的な映画」と捉えてられたことは、むしろ大変光栄なことだと気付いた。