映画「
本作は2021年の3月から4月にかけて撮影され、ロケも行われた。追い詰められた裕一が帰る北海道・苫小牧もロケ地の1つで、三浦の生まれ育った場所でもある。三浦は「そこに強い思いがあったかと言われると実はそういうことでもなくて。さんざん見てきた景色だったから切り取りやすかったというのが正直なところなんです」と笑いつつ「とはいえ、苫小牧独特の空気感がにじみ出るような映像は撮れたのかなと思っています。何より、藤ヶ谷くん自身が苫小牧へ行って、菅原の生まれ故郷を体感してバックボーンを蓄積したことが、その後の芝居においても役立ったように感じているんです」と語る。
なお本作は横長のシネマスコープサイズで撮影されているが、三浦はその狙いを「まず作品全体を『映画というもので包む』という意図があったので、仕掛けとして必要だったんです。あとは、一見、はたから見たらどうでもいいと思えるようなささいな物語なので、それを敢えて映画的に見せ切ることが“いびつ”で面白いと思いました」と説明。プロデューサーの小西啓介は「前半は室内での会話シーンが多いので『シネスコサイズの効果がどれだけあるのだろうか? 現場は狭いし、いろいろ大変なんじゃないか』とスケジュール面への影響なども心配していましたが、北海道ロケやドローンで撮った映像を観て、前半の窮屈な世界感と後半のギャップは効果的だと思いました」と振り返る。
また、小西は「終盤の大事なシーンのワンテイク目で、完全に裕一が乗り移ったかのごとく……感情があふれ出す、すごいお芝居を藤ヶ谷さんがされたんです。それはすごくよかったのですが、そのシーンの狙いとはやや違っていたので、その後、けっこうな数のテイクを重ねていたことがありました。ですが、のちの編集ラッシュで監督はワンテイク目を使って、裕一の感情に寄り添った劇伴まで付けていたんです」と回想。「三浦監督が俳優さんのお芝居に引っ張られてシーンの狙いを変えることは、これまでほぼなかった気がします。少しでも違うなと思うとテイクを重ねながら微調整して完成形に近付けていく。そのあたりの徹底ぶりはすごいものがあります。でも結果的にそのシーンではワンテイク目を使った。シーンのニュアンスを変えるほど、藤ヶ谷さんの演技に心を動かされたのだと思いました」と語った。
「そして僕は途方に暮れる」は、2023年1月13日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー。
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三浦大輔をも動かした #KisMyFt2 #藤ヶ谷太輔 の演技、「 #そして僕は途方に暮れる 」現場レポート - 映画ナタリー
「そして僕は途方に暮れる」は、2023年1月13日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー。
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