第1弾として発表された13作品に加え、上映が発表されたのは“ソウルの女王”と呼ばれた
「Peter Barakan's Music Film Festival 2022」は9月2日から15日まで東京・角川シネマ有楽町で開催。詳細な上映スケジュールは公式サイトで確認できる。
Peter Barakan's Music Film Festival 2022
2022年9月2日(金)~15日(木)東京都 角川シネマ有楽町
ピーター・バラカンによる上映作品解説
「アメリカン・エピック エピソード1 ザ・ビッグ・バン 元祖ルーツ・ミュージックの誕生」「アメリカン・エピック エピソード2 『血と土』過酷な労働から生まれたブラック・ミュージック」「アメリカン・エピック エピソード3 多民族音楽国家アメリカ」「アメリカン・エピック エピソード4 セッションズ」※いずれも日本初上映
電気による録音が可能になった1925年から、アメリカ各地の住民を視野に入れたレコードが作られるようになりました。そのプロセスを描いた3部作のドキュメンタリーではフォーク、カントリー、ブルーズ、ジャグ・バンド、ゴスペル、ケイジャン、ネイティヴ・アメリカン、ハワイアン、ラテンの世界を掘り下げ、最後の長編では甦らせた20年代の機材で現役世代のミュージシャンたちが当時の曲を再現する姿が記録されています。2017年にイギリスとアメリカのテレビで放映されたシリーズの日本初上映です。
「バビロン デジタルリマスター版」※日本初上映
ロンドンのレゲェ・シーンを舞台に、作り物とは思えないリアリズムでアスワドの
「ブリング・ミンヨー・バック!」※日本初上映
ここ数年の日本から出たバンドで最も国際的な可能性を秘めているのが
「ルンバ・キングズ」※日本初上映
アフリカのコンゴで1950年代にキューバのラテン音楽に独自の解釈を加えたミュージシャンたちは祖国に新たなアイデンティティをもたらし、国民的英雄と祭られました。コンゴの独立にもつながるこの音楽はアフリカ全土で一生を風靡しました。そのプロセスを描いたこの優れたドキュメンタリーは日本初上映です。
「ブリティッシュ・ロック誕生の地下室」※日本初上映
イギリスのロックが誕生した地下室。嘘のような本当の話です。結成前のローリング・ストーンズのメンバーが1960年代初頭に集まっていた西ロンドンのイーリングのブルーズ・クラブは今や伝説となっています。当時のことを振り返る様々な関係者のインタヴューはファンにとって興味の尽きない内容です。日本初上映です。
「タゴール・ソングス」
ノーベル文学賞を1913年に受賞した詩人として有名なラビンドラナート・タゴール。インドの特にベンガル地方では彼が作曲した数々の歌は時代が大きく変わった今も驚くほど広く歌い継がれています。この題材を身近に感じるように綴ったこのドキュメンタリーは製作当時26歳の
「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」
1969年の夏、ニューヨークのハーレムの公園で1ヶ月半にわたって開催された音楽祭の様子を撮ったこの傑作コンサート・フィルムは2021年度のグラミー賞とアカデミー賞を受賞しました。社会的な背景も絶妙に盛り込んだこの作品、映画館の大きい画面で見るラスト・チャンスを見逃さないでください!
「ディーバ デジタルリマスター版」
アフリカン・アメリカンの女性オペラ歌手を主人公に、公演のためにパリを訪れている彼女の歌を無断で録音したテープを巡るとてもシャレたミステリーです。ジャン・ジャック・ベネックスの記念すべき1981年の監督デビュー作、日本では久しぶりの上映です。
「黄金のメロディ~マッスル・ショールズ~」
アメリカ南部アラバマ州の僻地で1960年代初頭につくられたレコーディング・スタジオからソウル・ミュージックの多くのヒットが生まれた物語のドキュメンタリーです。アリーサ・フランクリン、ウィルスン・ピケットなどから
「アメリカン・ユートピア」
2021年の日本映画シーンで大きな話題となったこのコンサート・フィルムによって、かつては「
「アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン」
キャリアのピークに達した29歳のアリーサ・フランクリンは突然LAの教会で録音したゴスペルのライヴ・アルバムを1972年に発表すると彼女の全作品の中で最高の売り上げを記録しました。そのライヴ収録を撮影した映像は諸事情のために半世紀近く公開されないままでしたが、アリーサの歌い手としての凄まじさを余すところなく伝える強烈なパワーを秘めています。
「私が殺したリー・モーガン」
人気も実力も豊富にあったジャズのトランペット奏者リー・モーガンがヘロイン中毒だったときずっと付き添っていた妻のヘレンは1972年にニューヨークのクラブで彼を射殺しました。年をとった彼女が当時のことを語るとても興味深いドキュメンタリーで、リー・モーガンの映像が少ない分最後まで見る者の注意を逃さず、非常に評判の高い作品です。
「ミカ・カウリスマキ/ママ・アフリカ ミリアム・マケバ」
「ママ・アフリカ」と呼ばれたミリアム・マケバは「パタ・パタ」というヒット曲のために世界的に有名でしたが、1950年代から76歳で亡くなる2008年まで様々なスタイルで歌い、また活動家としても広く知られていました。彼女の波乱万丈の人生を丁寧に追ったミカ・カウリスマキ監督によるこのドキュメンタリーを見る滅多にないチャンスです。
「さらば青春の光」
「BILLIE ビリー」
「ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたち」
ネイティヴ・アメリカンのミュージシャンが100年前から現在まで、ブルーズ、ジャズ、ロック、ヘヴィ・メタルまで、アメリカのポピュラー音楽の各ジャンルで果たしてきた知られざる大きな役割、そして民族として彼らが受けてきたひどい差別を描いた秀逸なドキュメンタリー。
「ジャズ・ロフト」
日本では水俣の写真で有名なユージーン・スミスが1950年代から60年代初頭にかけて住んでいたマンハッタンのロフトには、連日様々なジャズ・ミュージシャンが出入りしていました。常に回っていたテープ・レコーダーに収められた音、そしてスミスの劇的な人生を捕らえた写真の数々は興味の尽きないものです。
「真夏の夜のジャズ 4K」
1958年のニューポート・ジャズ・フェスティヴァルを撮影した伝説のコンサート映画。セローニアス・マンクから
「MONK モンク」「モンク・イン・ヨーロッパ」※2本同時上映
伝説のジャズ・ピアニスト、セローニアス・マンクの活動を描いた、1968年にドイツのテレビのために製作された2つの短いドキュメンタリー。片方は主にニューヨークを舞台に、クラブでのライヴ演奏とスタジオでの録音風景をとらえ、もう一本はヨーロッパ・ツアーを追ったものです。
「キラー・オブ・シープ」
1977年の淡々としたこの映画で、LAのワッツに住むスタンは屠場で働いています。家族をかろうじて支えながらも、気力はなく、かわいい妻のことも省みない起伏のない日常を過ごします。こんな中にも何かマシなことがあるか、スタンの心の中が時々音楽から伝わります。チャールズ・バーネットというアフリカン・アメリカンの監督が自身の育ったゲットーの内側を描いた作品です。
「ルードボーイ:トロージャン・レコーズの物語」
60年代のロンドンにできた初のレゲェ専門レーベル「トロージャン・レコード」。ジャマイカの音楽が世界的に拡散するのにカリブ海からイギリスに渡った移民の存在が不可欠でした。その若者たちと彼らに憧れたイギリス人が築いたレゲェ・シーンの成り立ちを貴重なインタヴューで伝えるドキュメンタリーです。
「リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス」
現在はパーキンソン病のため活動できなくなったリンダ・ロンスタットのキャリアを振り返る素晴らしいドキュメンタリーです。メクシコ生まれの父の影響を受けた幼少期、故郷のアリゾナ州でのフォークの活動からLAへ、ロック界の大スターとなった70年代、そして次々と人々の予想を裏切る多様な活動から知られざる彼女の大物ぶりに感心してしまいます。
「ミスター・ダイナマイト:ファンクの帝王ジェームス・ブラウン」
ソウル・ミュージックの立役者ジェイムズ・ブラウンの人生を振り返った2014年の優れたドキュメンタリー。バンドの元メンバーによるインタヴューでJBに関する知られざる面白い話が色々あり、まさに芸術が爆発であることに納得する作品です。
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