韓国の造景家チョン・ヨンソンを追ったドキュメンタリー映画「大地に詩を書くように」が、10月25日より東京・ポレポレ東中野ほか全国で順次公開される。
2023年に、造景界の最高栄誉賞と呼ばれる国際造園家連盟(IFLA)のジェフリー・ジェリコ賞を韓国人として初めて受賞したチョン・ヨンソン。これまでソウルの仙遊島公園や汝矣島セッカン生態系公園、京春線・線路跡の林道など数々の景観を手がけた。
チョン・ヨンソンの仕事は単なる緑化にとどまらず、土地の歴史や記憶、生態系と丁寧に向き合いながら未来につながる場所を作る作業だ。作中では、1970年代から現在に至るまで“韓国的な美”を作り上げた彼女の哲学に迫り、自然と人間の調和について紐解いていく。監督はチョン・ダウンが務めた。YouTubeでは予告編が公開されている。
あわせて著名人6名からの推薦コメントが到着。シンガーソングライターの
「大地に詩を書くように」の配給はスモモが担う。
映画「大地に詩を書くように」予告編
妹島和世(建築家 / 東京都庭園美術館館長)コメント
チョン・ヨンソンさんの毎朝の3時間の庭の花の手入れは韓国の風景まで繋がっている。
彼女は言う。
景観は公共の財産である。
自分ができることは、もう一度韓国の風景、国土の魅力を伝えること。
それが子供に伝えられること。
本当にそうだと、ずしんときた。
イ・ラン(シンガー・ソングライター / マルチ・アーティスト)コメント
人々がふと立ち止まり、泣いたあと、また元気を出して歩き出せるような風景をつくる造景家、チョン・ヨンソン。自然を手助けするこの仕事を彼女がしていなかったら、今、私が暮らしているこの土地がどんな姿になっていたのか、想像したくもない。彼女がしてきたすべてのことは、「アイゴ、良いわね」。
七尾旅人(シンガーソングライター)コメント
草花と詩を愛でる1人のハルモニが魔法のように都市の景観を整え、新たな生態系を生み出してゆく姿は、84歳の彼女が歩んだ朝鮮半島の歴史への治癒のようでもある。政治と経済によって無惨に切り売りされてゆくこの星、そして私たちが生を紡ぐこの街と、これからどのように向き合ってゆけるのか、示唆と可能性に溢れた、置き手紙のようなドキュメンタリー。
東直子(歌人 / 作家)コメント
植物、動物、人間、そして人間の作った建造物。それぞれの存在を、歳月を、息遣いを平等に愛でる。
チョン・ヨンソンさんが大切に育てた世界の美しさをたっぷり浴びられる、ほんとうに幸せな時間でした。
石川初(慶應義塾大学 環境情報学部 教授)コメント
チョン・ヨンソン氏のこれまでのプロジェクトや自宅周囲の季節を通してその思想が語られる。捉えるのが難しい自然とデザインのせめぎ合いをこの映画は美しく見せてくれる。
象徴的なエンディングは国土を受け継ぐ次世代へのバトンのようだ。
平賀達也(株式会社ランドスケープ・プラス 代表)コメント
百年後にこの詩を読むあなたは誰?
チョン・ヨンソンさんの生き様からタゴールの言葉を思い出した。
小さな草花の中に大きな国土の広がりを感じさせる彼女の仕事は、百年後を生きるあなたの大切な人に捧げられている。
ポレポレ東中野 @Pole2_theater
韓国の造景家チョン・ヨンソンのドキュメンタリー映画公開、七尾旅人・東直子ら推薦(予告あり) https://t.co/uMhCnLbLxz