ルチオ・フルチ「野獣死すべし」日本初上映、「夏のホラー秘宝まつり」今年も開催

「夏のホラー秘宝まつり2022」が東京、愛知、大阪、京都で開催される。

今年で9回目となる「夏のホラー秘宝まつり」は、長らく開催している東京・キネカ大森、愛知・シネマスコーレ、大阪・シアターセブン、昨年から開催劇場となった東京・アップリンク吉祥寺、京都・アップリンク京都、大阪・第七藝術劇場に加え、東京・ヒューマントラスト渋谷でも実施。4都市7劇場での開催で、ルチオ・フルチ作品8作、マリオ・バーヴァ監督作6作を含めた計20作のホラー映画がラインナップされた。

日本初上映となる、フルチによるギャング映画「野獣死すべし」は、ヒューマントラストシネマ渋谷および第七藝術劇場にて単独上映。本作には映画評論家の高橋ヨシキから「愛するナポリをフランスのギャングに蹂躙されてたまるかと、引退した老マフィアが次々と立ち上がるクライマックスは本当に熱い！ 魂を揺さぶるフルチ一世一代のギャング映画を見逃すな！」というコメントが到着している。

バーヴァ特集としてスクリーンにかけられるのは、過去2年の上映で反響が大きかった「血ぬられた墓標」「呪いの館」「血みどろの入江」など6本。そのほかフランク・ヘネンロッターの「バスケットケース」、ゾンビ映画の黎明期に制作されたイタリア・スペイン合作の「悪魔の墓場」、ジョージ・A・ロメロの初期監督作「ザ・クレイジーズ」など6本もラインナップに並んだ。

各劇場でのスケジュールは下記で確認を。

夏のホラー秘宝まつり2022

2022年8月12日（金）～9月1日（木）東京都 キネカ大森
2022年8月12日（金）～9月1日（木）東京都 アップリンク吉祥寺
2022年8月12日（金）～25日（木）東京都 ヒューマントラストシネマ渋谷
2022年8月 愛知県 シネマスコーレ
2022年8月13日（土）～ 大阪府 第七藝術劇場
2022年8月13日（土）～ 大阪府 シアターセブン
2022年8月12日（金）～9月1日（木）京都府 アップリンク京都
料金：一般 1500円
※各劇場のサービス適用
※東京は「野獣死すべし」をヒューマントラストシネマ渋谷にて、「ホラー秘宝 レトロスペクティブ」19作品をキネカ大森、アップリンク吉祥寺にてそれぞれ上映。
※大阪は「野獣死すべし」を第七藝術劇場にて、「ホラー秘宝 レトロスペクティブ」19作品をシアターセブンにて上映予定。
※愛知のシネマスコーレ、京都のアップリンク京都では全20作品を上映。

＜上映作品＞

スクリーン初上映

「野獣死すべし」

ホラー秘宝 レトロスペクティブ

ルチオ・フルチ監督特集

「ビヨンド（4Kレストア版）」
「地獄の門（4Kレストア版）」
「墓地裏の家（4Kレストア版）」
「ルチオ・フルチのザ・サイキック」
「マンハッタン・ベイビー」
「ルチオ・フルチのマーダロック」
「サンゲリア2」

マリオ・バーヴァ特集上映

「血ぬられた墓標」
「モデル連続殺人！」
「呪いの館」
「白い肌に狂う鞭」
「血みどろの入江」
「ブラック・サバス 恐怖！三つの顔」

名作・傑作ホラー

「バスケットケース」
「悪魔の墓場」
「ザ・クレイジーズ」
「ファニーゲーム」
「4匹の蝿」
「宇宙からのツタンカーメン」

高橋ヨシキによる「野獣死すべし」推薦コメント

ナポリの密輸マフィア対フランスの麻薬ギャングの、文字通り血で血を洗う抗争を描いたルチオ・フルチ版「仁義なき戦い」とでもいうべき作品である。もちろん、フルチのトレードマークともいえる残酷描写も大盤振る舞い。物語が進むにつれて残虐度がどんどんと増していく、血まみれローラーコースター・ライドとしての側面もある。一方、謀略と裏切り、怒りと愛と復讐が交錯する物語は堂々たるマフィア映画の風合いを感じさせる。実際にナポリの密輸マフィアが製作に協力したことで醸し出される異様な迫力も特筆に値する。冒頭を飾る、圧巻のボート・チェイスに登場する高速ボートは密輸団が使っている本物なのだそうだ。愛するナポリをフランスのギャングに蹂躙されてたまるかと、引退した老マフィアが次々と立ち上がるクライマックスは本当に熱い！ 魂を揺さぶるフルチ一世一代のギャング映画を見逃すな！