Japanese Film Project(JFP)が、3月25日から4月30日まで実施した文化庁Arts for the future!(AFF / コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業)の映画上映および製作領域におけるアンケート調査の結果を報告した。
「映画業界がどういった実態であるか? どういった文化支援制度が求められているのか?」という点をデータとして十分に可視化するため、行われたこのアンケート。映画製作では52件、映画上映では47件の有効回答が集まった。
「AFFをはじめとする文化支援制度を2023年以降も継続してほしいか?」という質問には95.9%が「はい」と答え、「いいえ」は0%、「その他」が4.1%という結果に。「はい」と答えた理由として、コロナ禍により大きな経済的打撃を受けた映画製作者および上映者にとって、AFFが文化支援制度として有効活用されたとの意見が多数あった。他方で、コロナ禍以前から映画製作および上映に対する文化支援が不十分であり、今回を機に恒常的な支援の制度設計を求める声も多く寄せられた。
映画製作者からは、AFFでは「完成(初号試写)から1年以内に公開」、AFF2では「完成(初号試写)から1年以内に国内の『映画館・ミニシアター等で、概ね7日間以上かつ14回以上』、有料一般公開を行うもの」という要件が加わった点を踏まえ、これにより一部の作品のみが助成対象となってしまう懸念があり、映画への公的支援の仕組みが多様な邦画の海外展開を妨げている恐れがあるという意見も。これらの調査結果は、今後の制度設計の参考になるように、5月23日に文化庁参事官へ提出された。
なおJFPの2年分の継続的な活動資金を募るクラウドファンディングが、GoodMorningにて7月8日まで実施中。
関連記事
杉本穂高@初書籍「映像表現革命時代の映画論」発売中!! @Hotakasugi
映画上映および製作領域における支援事業のアンケート結果をJFPが報告 - 映画ナタリー https://t.co/neR9dfVpSz