神奈川・横浜中華街の華僑を撮影したドキュメンタリー「
本作は自身のルーツが中国にあることを中学生まで知らなかった華僑四世の
本作をひと足先に鑑賞した「台湾生まれ 日本語育ち」の作家・温又柔は「二つに分かれた枝をたどって、元は一つだった『華』の根に還る林隆太の旅路は、横浜中華街に刻まれた日本人の知らざる歴史を浮き彫りにして、祖国の政治に翻弄されてきた華僑たちもまた、日本という私たちの『スミカ』を創ってきたことを突きつける」とコメントを寄せる。フォトジャーナリストの安田菜津紀、全州国際映画祭プログラミングアドバイザーの洪相鉉によるコメントは下記の通り。
「華のスミカ」は8月21日より神奈川・横浜シネマリンで先行上映。東京・K's cinema、大阪のシネ・ヌーヴォでの公開も決まっている。
温又柔(作家)コメント
中華民国と中華人民共和国。
はて、チャイナタウンのチャイナはどっちのことなの?
──国と国が、勝手に喧嘩してるだけ。日本人も、まるきりの中国人も、日本人になった中国人も、ずっとここで一緒に生きている。
二つに分かれた枝をたどって、元は一つだった「華」の根に還る林隆太の旅路は、横浜中華街に刻まれた日本人の知らざる歴史を浮き彫りにして、祖国の政治に翻弄されてきた華僑たちもまた、日本という私たちの「スミカ」を創ってきたことを突きつける。
安田菜津紀(フォトジャーナリスト)コメント
初めて出自を知ったときの「戸惑い」、父が見たこともない「故郷」の姿…監督が歩んだ、自身の「ルーツ」を探る旅は、複雑な道のりだった。複雑だからこそ、もっと触れたくなる。
「ルーツ」とは、心の根底に水脈のように流れているものなのかもしれない。その水源には、家族の言葉や生き方の蓄積がある。
ともすると国家という「大きな主語」に回収されてしまう一人ひとりの声が、この映画からは聞こえてくる。
洪相鉉(全州国際映画祭プログラミングアドバイザー)コメント
パーソナル・ヒストリーに時代史を交差させた侯孝賢の「悲情城市」を思い浮かべながら客席に座ると、やはり時代に翻弄されても粘り強く生き抜く「凡人物語」に魅せられる私がいた。おそらく「大地」のパール・S・バックが生きていたら、隣席で愉快に微笑んだことだろう。アジア最大のドキュメンタリー映画、DMZDocsの製作ファンドのチョイスに納得。
それにしてもまさか横浜でピューリッツァーに相応しい映像作家に出会うとは!
林隆太の映画作品
リンク
N.Mizusawa🇺🇦🇷🇺 @wtp2005ap
横浜でもこんなことがあったなんて知らなかった。
勉強のために見てみたいが、私の住んでいる地域の映画館でもみられるのかな。
RT横浜中華街の知られざる歴史とは、華僑四世がルーツたどる「華のスミカ」予告公開(コメントあり) https://t.co/IUVJe7SzRZ