「Style Wars」の先行上映会が本日3月23日に東京・WHITE CINE QUINTO(ホワイト シネクイント)で行われ、トークイベントに
本作は1970年代から1980年代初頭、米ニューヨークのサウスブロンクスで生まれたスプレーアート“グラフィティ”を主軸に、ラップやブレイクダンスなどのヒップホップ文化が形成されていく様子を捉えたドキュメンタリー。同時期に制作された映画「ワイルド・スタイル」とともにヘッズのバイブルとして語り継がれてきたが、日本での劇場公開は今回が初めてとなる。
本作について「『ワイルド・スタイル』よりリアルでヤバい」と耳にしていたというANI。VHSで観た1990年代半ば当時のことを「オールドスクールのヒップホップが好きなので楽しかった」と振り返る。上野も「字幕なしの『Style Wars』と『ワイルド・スタイル』を先輩にダビングしてもらう“裏ビデオスタイル”で観て、みんなで『かっこいい!』とずっと言ってた」と述懐する。
また上野は神奈川・桜木町の高架下のグラフィティアートを母親と見に行ったエピソードを披露。「母ちゃんが絵描きだったんで、小5ぐらいのときに連れて行ってくれて。洋書を扱っている店で缶コントロール(グラフィティにおけるスプレー缶の扱い)の本を買ってくれたので、グラフィティライターになれって言ってるのかなと(笑)」と当時に思いを馳せる。「リリックを書くノートと一緒にブラックブック(グラフィティライターのスケッチブック)も持ち歩いて、ポスカで描いたのをみんなで見せ合ったり。SDP(スチャダラパー)とか描いてましたよ」と仲間とのグラフィティ体験を懐かしんだ。
ANIは「有名になるとディスられたり、アート方面に行くと『あいつは終わった』とか言われたり。そのせめぎ合いは昔も今も大して変わってないなと。有名になる人がいることで、こうやって映画になったりみんなに知れ渡ったりするから、なんとも言えないですけどね」と映画の率直な感想を述べる。「タイニー・パンクスのライブとかを観て、これだったらできるんじゃねえ?って。ビースティ・ボーイズの来日公演も騒いでるだけで楽しそうだなと思った(笑)」と自身の原体験を絡めつつ、「大人になって思うのは、洗練されていない感じがいいってこと。ブレイクダンスもオリンピック競技になってどうすんだ?と。街の遊びみたいな、そういうのが好きなんだって改めて気付いた」と、本作で映し出される当時の生々しい空気感を伝えた。
上野も「それがヒップホップの醍醐味ですよね。そこらへんにいるやつらがやってるみたいな」と同調。現在はスマートフォンでも曲作りができるという話にもつながり、「何もないところから作る“適当さ”に若者が移行している。生でむき出しな“ロウ”な感じがいいんですよね、ヒップホップって」と熱を込めた。そしてANIは「ぜひこのチャンスを逃さないでほしい。エネルギーがあふれていて、俺もやったるで!みたいな気持ちになりました」、上野は「若い人が観ても面白いんだろうなと思う。新たなものを見つけられるんじゃないかな」と本作をアピールしてイベントを締めた。
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