「
神奈川・大磯を舞台に、恩師の死をきっかけに露呈する若者たちの不安と孤独を描いた本作。三澤の「3泊4日、5時の鐘」に続く長編第2作で、三澤とともに「十年」の
俊を演じた守屋は、三澤との最初の出会いについて「監督のご実家の庭でキャッチボールしながらエチュードするというオーディションをしたのが思い出深いです」と述懐。4人の中でもっとも口数が少ないため多様な解釈ができる俊は、自身とは違うキャラクターだったようで「俊は“しゃべらないけど、何か考えている人”。同じような友人を見ながら、視線の動かし方などを勉強しました」と明かした。
知樹役の中崎は、日本・香港・韓国の共同制作のため複数の言語が飛び交う撮影現場を「カットが掛かるたびにその国の言語で意見交換され、その後、英語、日本語と通訳されていく現場は新鮮でした」と振り返る。キャスト4人の中で英語が堪能な中崎と森は、俳優部への通訳も行っていたという。
続いて和也役の森が「脚本を読んでもわからないところがたくさんあったけど、わからないところをそのままにしている脚本でもあって。そうした雰囲気の映画が好きだったから楽しめそうだと感じました」と印象を述べると、三澤は「優作は正直なので、監督としては緊張する部分もあった。無理に笑ったり、繕ったりしない。でもそこが信頼できると思いました」と素直な思いを伝えた。
また英太を演じた永嶋は、同年代のキャストが集まった現場について「仲はよかったけど、同年代が集まるとなりがちな和気あいあいとした空気にはならず、1人ひとり“仕事をしに来ている”というドライな雰囲気をまとっていました」とコメント。最後に三澤は「2020年10月に茅ヶ崎で先行上映した際、この作品をどう受け止められるか不安もあったが、2、3回観るなどハマった方もいて、『#ジワジワ広がる』というハッシュタグを作ってくれた。そのとき、自分が作った映画が新しいコミュニケーションを生んでいることを実感でき、とてもうれしかった。キャストみんなで意見交換しながら作った作品。これからも気に留めていただけたら」と述べて舞台挨拶を締めくくった。
三澤拓哉の映画作品
リンク
映画ナタリー @eiga_natalie
「ある殺人、落葉のころに」舞台挨拶、キャスト陣が多国籍な撮影現場を回想
https://t.co/nUvUTtjEAh https://t.co/Y606vbIX5n