アニメ映画「
田辺聖子の同名小説をもとにした本作は、車椅子生活を送る少女ジョゼと大学生・恒夫の関係を描く物語。2003年には妻夫木聡と池脇千鶴の共演で実写映画化され、今回のアニメ版では中川が恒夫、清原がジョゼに息を吹き込んだ。
完成した本作について、中川は「この作品に携わって自分がやらせていただいたことは、本当にちっぽけなことで、すごくたくさんのアニメーターの方がキャラクター1人ひとりを作り、映像を作り上げてくださいました。自分が作品の中の1人になれたことを誇りに思います。こうやって代表してこの場に立たせていただくのがおこがましいんですが、それぐらい映像に感動しましたし、アニメーションって素晴らしいなと思いました」と熱弁。清原は「声優の皆さんに混じらせていただいて、本当に私で大丈夫かなと思いつつ、収録中も中川さんに引っ張っていただきました。『なんとか切り抜けてやっていたな……』と完成したものを観て思い出しました」と伝えた。
映画では恒夫とジョゼのやり取りが多く、中川は清原とそろって収録したことを紹介。「一緒にやれてよかったです」という中川に、清原も「そうですね。1人だけじゃイメージできないこともあるので、(中川の声を)隣で聞きながらやれるのはありがたいなと思っていました」とうなずく。また清原に対して中川は「ストイックだなと思いました。ひたむきにジョゼという役に向き合っていました」と述べ、収録中のあるエピソードを明かす。「ジョゼが車椅子から降りて腕だけで進むシーンがあるんですが、息遣いや力んだ声を出さないといけないんです。そのときにどういう声が出るのか、清原さんがブースの中でほふく前進をして、演技に取り込んでいたのですごいなと思いました」という中川の称賛に、清原は照れながら「ほふく前進しながら収録したわけじゃないですけど(笑)。(体の)重みを息遣いでどう表現しようかと思ったら、ブースの中にスペースがあったので、『やろう』と思ったんです」と説明した。
本作の舞台が大阪であることから、関西弁での演技が求められた清原。大阪出身だが、普段関西弁の演技を求められることはあまりなかったという。清原は「不思議な感覚がありました」と述べ、「私が地元に帰って使う関西弁とは違っていて、ちゃんと方言指導の先生もついてくださったので、がんばって関西弁をしゃべっていました」と振り返る。「清原さんに関西弁のイメージがなかったので新鮮でした」という中川は、「ジョゼは周りに攻撃的で、線を引いている女の子なんですが、いざ距離が縮まってくると弱い部分も見せてくれるんです。弱っているときの関西弁のセリフがキュンとしましたね」とほほえんだ。
恒夫と出会い、新しい世界に踏み出していくジョゼにちなんで、イベントでは2人が「来年新しく挑戦したいこと」を発表するコーナーも。「日記を書く!」と宣言した中川は「1年が目まぐるしく過ぎていきますし、あと忘れっぽいので書き留めておいたら『このときこういう感情だったな』と思い出して芝居に役立つかもしれないと思いました。(マスコミがいるので)あえてここで言ったろう、と。有言実行です!」と笑う。「有言実行できるかわからないですけど……」と言いながら、清原が見せたフリップには「空手」の文字が。「小学生のときにクラシックバレエを始めたんですけど、そのときは空手が習いたかったんです。気付いたら母親が私をクラシックバレエの教室に連れて行っていたんですけど(笑)。機会があれば空手も経験してみたいなと思ったんです」と明かすと、中川は「全然真逆ですけど!?」とツッコんだ。
タムラコータローが監督を務めた「ジョゼと虎と魚たち」は12月25日に公開。
※記事初出時、見出しに一部誤りがありました。お詫びして訂正します
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映画『#ジョゼと虎と魚たち』(#田辺聖子/原作 角川文庫)
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