なら映画祭から生まれた「再会の奈良」上映、永瀬正敏「監督に身を任せてよかった」

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河瀬直美ジャ・ジャンクーがエグゼクティブプロデューサーを務める「再会の奈良」のジャパンプレミアが、なら国際映画祭2020内で本日9月19日に実施された。

左から永瀬正敏、秋山真太郎、東川裕。

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「再会の奈良」

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なら国際映画祭2018のインターナショナルコンペティション部門で観客賞を受賞した中国人監督ポンフェイが、奈良の御所市などを舞台に撮影した本作。劇中では中国人の老女が、養女として育てた残留孤児・麗華と再会するために来日することから物語が展開する。日本に住む孫娘代わりのシャオザーや、ひょんなことから知り合った元警察官の一雄もそれに巻き込まれていく。國村隼、ウー・ヤンシュ、イン・ズーらが出演した。

秋山真太郎

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奈良・ならまちセンターで開催された上映後の舞台挨拶には、河瀬のほか、寺の管理人役を務めた永瀬正敏、シャオザーの元恋人役で出演した秋山真太郎劇団EXILE)、そして御所市長の東川裕が登壇。永瀬はこの日初めて完成作品を観たそうで「最初に監督が言っていた、重いテーマを笑いで包むという方針が見事に結実していた。それと、“妙な間”が印象的。ポンフェイ監督は、台湾のツァイ・ミンリャン監督のもとで下積みしていたので、そのDNAも垣間見れた」と感想を述べる。同じく映画を初鑑賞した秋山は「言語の壁が、監督のアイデアによって面白おかしく描かれている」と話し、精肉店で老女が動物の鳴きまねをするシーンなどを絶賛した。

永瀬正敏

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さらに永瀬は、本作を生んだなら国際映画祭のNARAtive企画について触れ「ものすごい企画。エグゼクティブプロデューサーが河瀬さんとジャ・ジャンクー監督で、カメラマンのリャオ(・ベンジュン)さんはツァイ・ミンリャン監督と組んでいる方。世界に出してもおかしくない布陣を背負って、新人のポンフェイ監督が現場に立つには相当苦労があったと思う」とポンフェイをねぎらう。また先述の精肉店のシーンにはポンフェイが自ら出演し、馬の鳴きまねなどを披露していることから、永瀬は「ぜひ次は河瀬組で共演したい」と願いを口にした。

河瀬直美

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河瀬は、本作のクライマックスに登場する御所市のススキ提灯を使った祭りについて「地域のお祭りを継承していくのは、この国では困難。このお祭りは、この東川市長だからこそやり続けられているようなものなんです」と東川の取り組みを称える。さらに河瀬は、観客の想像力に任せるような映画の終わり方にも言及し「彼らが歩き続けていけばきっとつながる未来があるよね、でもそれは努力をしないと見つからないよね、という結末は、地域の話とも重なる。あのお祭りが結びになっているのが重要なんです。実は脚本段階では違う終わり方だったんですが、監督と何度もやりとりしてあの結末に持っていきました」と裏話を明かした。

オンラインで参加したポンフェイ。

オンラインで参加したポンフェイ。[拡大]

この舞台挨拶には、ポンフェイもオンラインで参加。「日本と中国の間には長い歴史がある。その中で嫌な思いもしたけど、今も変わらず強い友情で結ばれています。両国ともに、引き続き努力して友情を深めていけたら」と挨拶した。

左から永瀬正敏、秋山真太郎、東川裕。

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なお舞台挨拶後には、永瀬や秋山が囲み取材にも出席。耳の聞こえない役どころだった永瀬は、現場でも筆談によるコミュニケーションを行っていたことを明かし「そういう(耳の聞こえない)人が、ほかの人々をつなげていくきっかけになるという監督なりの描き方を観て、この人に身を任せてよかったと思った」と振り返る。そして秋山は、役作りのため柿の選果場で3日ほど働いたことを回想し、現地の人々に感謝を述べた。

※河瀬直美の瀬は旧字体が正式表記

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