本作で仲野と若葉が演じたのは、幼なじみの山田厚久と武田。結婚しており5歳の娘がいる厚久は、平凡な毎日を送っていた。しかしある日、会社を早退して帰宅した彼は、妻が見知らぬ男と情事にふけっているところを目撃。その日を境に、厚久と妻、武田の関係はゆがみ、物語は予期せぬ方向へと向かっていく。
「生きちゃった」は2019年6月に第22回上海国際映画祭で発表されたプロジェクト「B2B (Back to Basics) A Love Supreme(原点回帰。至上の愛)」の1本として製作された。これは“映画製作の原点回帰”を探求するというコンセプトのもと、アジアの監督たちが各々で“愛”についての映画を作る企画だ。石井のほか「河」のツァイ・ ミンリャン、「慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ」のチャン・リュル、「ホメられないかも」のヤン・ジン、「Love Conquers All(原題)」のタン・チュイムイ、「九龍猟奇殺人事件」のフィリップ・ユンが参加している。
脚本、プロデュースも担当した石井は「おカネも時間もなかったですが、とにかくみんなでフルパワーを出し合って捨て身でこの映画を作りました。出来上がったのは、俳優たちの凄まじい本気と魂が感じられる剥き出しの映画です」とコメント。仲野は「胸が張り裂けるような日々を過ごして作った今作が、きっと誰かを勇気づけると信じています」、若葉は「毎日、全シーン、全カット、心血込めてやりました。そしたら、、すごいラストシーン、撮れちゃった」と自信をうかがわせている。
なお「生きちゃった」は「All the Things We Never Said」という英題で、中国、香港、台湾、マカオでも公開される。
※「生きちゃった」はR15+指定作品
石井裕也 コメント
忖度や制約ゼロ、完全なる自由の中で映画を作ったらどうなるのか? 強度の高い傑作になるのか、はたまた独りよがりの映画になるのか。大いに興味が湧き、このプロジェクトを引き受けました。
「作りたい」という衝動と熱が何より大切だと思ったので、脚本は3日間で一気に書いて、信頼している仲間を急いで集めて、やると決めてから2ヶ月でクランクインしました。まるで自主制作映画のように夢中になって撮影しました。おカネも時間もなかったですが、とにかくみんなでフルパワーを出し合って捨て身でこの映画を作りました。出来上がったのは、俳優たちの凄まじい本気と魂が感じられる剥き出しの映画です。
仲野太賀 コメント
本当のことが言いづらいこの世界で、懸命に生きる父親を演じました。愛について真っ向から挑んだ、人間回帰の物語です。
若葉竜也さん、そして尊敬する石井裕也監督と共に、胸が張り裂けるような日々を過ごして作った今作が、きっと誰かを勇気づけると信じています。僕自身にとって、生涯大切にしたい映画になりました。
若葉竜也 コメント
オファーをもらい、台本を開いた時、石井裕也監督からの「果たし状」をもらったような気分でした。「死ぬ気で来てよ。」って。
「生きちゃった」の台本にはそれだけの気迫があったし、役者の端くれとして「やらない」という選択肢はなかった。
毎日、全シーン、全カット、心血込めてやりました。
そしたら、、すごいラストシーン、撮れちゃった。
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