10月12日に開催予定だったものの、台風19号の影響を受け15日に振替公演が行われた同イベント。日程変更に伴いスケジュール都合で欠席となっていた安藤も、後半になって急遽会場へ駆け付けた。
イベント冒頭には、MCとともに細野が登壇し、開幕の挨拶を行った。そこで細野は、自らセレクトしたこの日の上映作品「
同作の35mmフィルム上映を終えると、細野は再びステージへ。2011年の日本公開時、東日本大震災の直後に鑑賞したこともあって思い出深いという本作について、細野は「タチの動きがそのままアニメとして表現されているのにびっくりしました。アニメーターは、タチの全作品を観て練習したらしいんです。僕もあの動きを練習したんですけど、すごく難しいんですよ(笑)」と明かす。また本作やタチの「プレイタイム」に感じる印象を「今観ると、時代の変わり目を感じるんです。未来的な都市と、主人公のギャップがかなりある。『イリュージョニスト』では、マジシャンの主人公はパリで仕事がなくなってスコットランドの田舎へ行く。そこで少しはウケるんですけど、彼の出番が終わったあとにジュークボックスが出てきて、ロックがかかりますよね。あれが新しい時代の前兆なんです」と述べ、「タチの気持ち、なんとなくわかりますよね。自分がその歳になってきているから。時代が変わっていく中で、芸人や音楽家も疎外感を味わうんです」と共感を語った。
さらに細野は、この日のためにセレクトしていたほかの上映候補作品6本も紹介。劇中に登場する現地のミュージシャンに感動した1958年のインド映画「音楽サロン」、なくしたソフトをファンがプレゼントしてくれたという「
続いてのトークコーナーからはリリーも参加。登壇するなりリリーは、観客に向けて細野を「ご紹介します。樹木希林さんです。……これ、日本アカデミー賞でウケたので、味をしめてもう1回やりました(笑)」とジョークで紹介したほか、赤裸々トークで爆笑を起こす。そして後半、別の仕事を終えた安藤が飛び入り参加。ここからは、リリーと安藤が出演し、細野が音楽を手がけた是枝裕和の監督作「
細野と樹木の外見が似ているという話題では、細野自身が「希林さんが『あんたに似てるって言われるのよ。あと吉永小百合さんの旦那さんにも似てるって言われるから、私たち吉永さんにモテるわよ』って言ってきて。だから僕は『じゃあ内田裕也さんにもモテるかな』って言ったら、『そんなことはない』って返されました」と笑って回想。「万引き家族」は当初、低予算映画としてスタートしていたそうで、安藤は「希林さん、現場で1日10回くらい『こんなに(出演料が)安いと思わなかったわ』って言ってましたよ(笑)」と樹木らしい歯に衣着せぬエピソードも披露した。また細野は「万引き家族」で第13回アジア・フィルム・アワードの音楽賞受賞も果たしている。リリーに「若い頃は『賞なんて』という気持ちがあったかもしれないですが、歳を取るとどんどんうれしくなりますよね?」と聞かれると、細野は「本当にありがたいです。財産ですよ。次はノーベル賞かな(笑)」と笑った。
イベントではこのほか、音楽活動50周年を祝福する著名人のメッセージ動画を上映。森高千里、東京03、水原希子、糸井重里、鈴木慶一、犬童一心、オダギリジョー、小泉今日子、是枝、坂本冬美、ナイツ、中川翔子、豊崎愛生、s-ken、槇原敬之、さまぁ~ず、松本隆、そして坂本龍一という豪華な面々の言葉に、会場から拍手が起こる。その中で松本は、細野との出会いを振り返り「当時『君は音楽をやるには髪が短すぎるって怒られて(笑)。その出会いがなかったら今の日本の音楽界はだいぶ違うことになっていると思います」とコメント。そして坂本は「ハンバーグ目玉焼き乗せ、また食べに行きましょうよ」とメッセージを寄せた。
このイベントでは最後に、11月1日に公開となる細野のドキュメンタリー映画「
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