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父の通夜で母・アキコが“通夜ぶるまい”として作った目玉焼きをきっかけに、家族がさまざまな思い出を振り返っていく本作。主人公・東麟太郎に染谷が扮し、姉・美也子を戸田、兄・シュンを窪塚洋介、父・日登志を永瀬正敏が演じた。
染谷は「家族を語る物語で説教くさくないものに初めて出会いました。台本を読んだとき、優しく背中を押してもらったような気持ちになりました」と回想。「ただ『やらせてください』と言って3年半は音信不通状態で、企画自体がなくなったと思いました。『やります!』と連絡をいただいたときはうれしかったです。最初は自主映画になるものだと思っていたので、皆様と一緒に作り上げることになってうれしい限りです」と映画完成までの紆余曲折を振り返った。
戸田は「台本をもらったタイミングが、私自身が家族のことについて考えていたとき。読んだとき、作品を通して『家族とは?』という問いへの答えについて考えたいと思いました」とコメント。染谷との共演を「この変な人と一緒にやりたいと思った」とユーモアを交えつつ喜び、「染谷くんはよくわからない人。流すのが上手だし、ボソッと言うことが意外と核心を突いていたりする。見ていて面白い人です」と続ける。これに対して染谷は「そんなに変じゃないですよ? わりと大丈夫ですよ?」と返していた。
斉藤は、家族が味噌汁でもめるシーンをお気に入りの場面に挙げ「味噌汁の味は家庭によって違いがある。それについて子供たちがせめぎ合うシーンが、本当にいじらしくて愛らしいんです。常盤監督の原風景が宿っているのかも」と分析。永瀬は劇中で振る舞われる食卓のメニューについて「全部がおいしい。なぜロケ弁が用意されていたのか……。撮影で振る舞われた食事をみんなで食べた方がいいのではないかと思うくらい、おいしい食事でした」と絶賛した。
映画の内容にちなんで「家族の思い出の味」を聞かれた染谷は「2つあります」と回答。「子供の頃に母親がから揚げを揚げようとしたら油が爆発したこと。それをヘラヘラ笑いながら見ていた自分も、目玉焼きを焼こうとしたら爆発したこと」とと明かしつつ「味の思い出ではないですね……」と述べて笑いを誘った。戸田の思い出の味は、本作にも登場する餃子。「戸田家では毎週土曜日に家族で餃子を作っていたんです。『また餃子!?』と嫌だったけど、父が『みんなで餃子を作るん、楽しいやろ?』と言ったとき、父がその時間を大切にしているんだと初めて気付いて、それから餃子が愛おしくなりました」としみじみ話した。
斉藤は「家族で遠出する際に両親が作ったおにぎり」と答え、「母はふんわり、父はきっちり固く三角に。2人の性格が出たおにぎりをお昼の車中で食べた思い出があります」と述懐。永瀬は「おふくろの味」と回答し「去年、急におふくろを亡くしまして。今はおふくろが作った料理なら、なんでも食べたい。できることならば食べてみたいですね」と語った。
構想から7年ほどの月日を経て完成にこぎつけた常盤は「日本を代表する俳優陣で監督デビューしたのは、映画界で僕くらいだと思います。苦労したことはほぼ記憶になくて、演技派の俳優陣が家族として見事に集まってくれました」と感無量の様子。染谷も「優しい映画です。観終わったあとに家族や大事な人を思うような作品になりました。ふっと背中を押してくれる映画だし、おいしい映画です。楽しんで観てほしい」とアピールした。
「最初の晩餐」は11月1日より東京・新宿ピカデリーほか全国でロードショー。
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染谷将太、思い出の味は爆発?「最初の晩餐」完成披露イベントで明かす
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