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「鈴木家の嘘」野尻克己が新藤兼人賞の金賞に輝く、「新藤監督の背中を追う」

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新藤兼人賞授賞式の様子。

新藤兼人賞授賞式の様子。

2018年度「新藤兼人賞」の授賞式が、本日12月7日に東京・如水会館で開催された。

1996年に設立された本賞は「この監督と組んで仕事をしてみたい」「今後この監督に映画を作らせてみたい」というプロデューサーたちの観点から、将来性のある新人監督を選出する映画賞。本年度は2017年12月から2018年11月に劇場公開された新人監督による長編作品185本が選考対象となった。

金賞は「鈴木家の嘘」でメガホンを取った野尻克己に授与された。これが劇場デビュー作の野尻は「新藤兼人監督の冠が付いた賞をいただけて、映画監督としてスタートラインに立てました。同時に、今後僕は新藤監督の背中を追いながら、いつかは抜かすのだという目標ができました」と緊張の面持ちで挨拶をし、「新藤監督のように100歳まで映画を作れるかはわかりませんが、引き続き作品を撮っていきたいと思います」と決意を新たにする。

銀賞に輝いたのは、趣里と菅田将暉の共演作「生きてるだけで、愛。」で監督を務めた関根光才。彼は「精神的な困難を抱えている人を描いた映画ですが、とても多くの方から共感いただけていることに驚きました。閉塞感を打ち破るような、勇気や希望を映画から感じ取っていただけたのではと思います」と万感の思いを表したあと、「これからも映画を作り続けたいなと思っております」と目を輝かせた。

そして優秀な作品のプロデューサーや企画者をたたえるプロデューサー賞は「カメラを止めるな!」の市橋浩治、上田慎一郎、豊島雅郎へ。市橋は「ENBUゼミナールのワークショップから生まれた映画です。我々だけの力ではなく、配給や宣伝、劇場の皆様の応援のおかげでここまで来れました。観ていただいたお客様からの応援があって広まったのかなと思っております」と感謝を伝えた。さらに上田は「ひたすら信じて映画を作ってきた10年があっての今日だと思っています。作品の成り立ちやそのあとの展開も含めて評価をいただけたのかなと」と心境を明かし、「大げさに言うと、自分は宣伝もエンタテインメントだし作品の一部だと感じているんです。作品を作る人と届ける人の距離がなくやれたことが、成功として大きかったと思います。この賞をスタッフやキャスト、そしてファンの皆様と一緒に受け取りたいです」とにこやかに話す。豊島は「隣の席の方が、この映画がいかに面白いかと語らっているのを直に3回ほど目撃しまして。(作品が)流行っていくというのはこういうことなんだなと身をもって実感しました」と飲食店での体験を挙げて喜びを表現した。

なお、永年にわたり質の高い娯楽映画を作り続けている功績をたたえる日本映画製作者協会 特別賞には、11月30日に死去した映画プロデューサー・黒澤満に授けられた。

「鈴木家の嘘」「生きてるだけで、愛。」「カメラを止めるな!」は、全国の劇場で上映中。

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