ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018で「
「血を吸う粘土」の梅沢が、結婚5年目を迎える直前のバツイチ同士の中年夫婦を描いた本作。犬の散歩中に不思議な体験をし、夫の立てる音に敏感になってしまったさおりを黒沢、筋トレが趣味の自己陶酔的な夫を木村圭作が演じている。劇中に登場する“巨大人体耳かき”を手に登場した黒沢は、「この映画祭に来ると自分がどの立ち位置でがんばっていられるのか、自分が何者なのかを見届けることができる。そしてここは再スタートの場となっています」と挨拶した。
夫が発する生活音や笑い声など、さまざまな“音”が印象的に描かれる本作。特殊メイクアーティストとして活動する梅沢は、「普段は目に見えないものを具現化するのが特殊メイク。そして音こそが本当に目に見えない。それを映画の表現として形にしたかった」と着想のきっかけを明かす。また自身も音に敏感だそうで、「耳栓をしてニット帽を被っていないと寝られないくらい敏感で。そういった、自分が抱えているストレスを表現したかったという理由もあります」と続けた。
なぜさおりが自身を空気のように扱う無神経な夫と離婚、または夫を殺さないのかを話題に挙げる黒沢。「そういった判断を下すのは若いうち。2人がバツイチでなかったらその選択肢もあったと思うんです。じゃあさおりが夫との関係性でどこに折り合いを付けたか。特に女性は結婚、出産、育児など人生において周囲の関係が常に変化していきます。臨機応変に対応しているつもりでも、自分の中に“積み”重なる何かがあって」と説明し、「でも女は50に近くなると図太くなる。さおりみたいに、自身を追い込んだり夫との関係性を考えたりしなくなるんです。『彼は彼でいいんじゃない』って」とさおりの心の内を明かした。
「今まで演じたキャラクターの中で、もしかしたら普段の自分に一番近いかもしれない(笑)」と語る木村圭作。夫役は当て書きだったそうで、梅沢が「僕の中では圭作さんが真逆の性格だと思って書いてたんです。だからそう言われてびっくりしてしまいました」と述べ会場から笑いが漏れる場面も。また犬の肛門から夫の顔が排泄される衝撃的なシーンについて質問が飛ぶと、梅沢は「圭作さんのダミーヘッドがあって、それが出てこられる犬の下半身を作るんです。そしてダミーヘッドを中から押し出しました」と答えた。
最後に梅沢は「2年前に撮影しまして、ようやくこの機会に皆さんに観ていただけてうれしいです。この作品は自分が勝手に作った自主映画ですが、今後も何かしらの形で上映できたら」と締め、舞台挨拶は幕を閉じた。
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