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白倉伸一郎×田崎竜太、「龍騎」OPや「アマゾンズ」第8話の裏話明かす

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左から田崎竜太、白倉伸一郎。

左から田崎竜太、白倉伸一郎。

トークイベント「白倉伸一郎プロデュース作品を振り返る。」の第2回が6月9日に東京・LOFT9 Shibuyaにて開催された。

このイベントには、特撮ドラマ「仮面ライダー龍騎」「仮面ライダーアマゾンズ」などで知られるプロデューサーの白倉伸一郎と、それらに参加した監督の田崎竜太が登壇した。

平成ライダーシリーズで、パイロット版と呼ばれる第1話・第2話をもっとも多く撮っている田崎。「アギト」「龍騎」「555」などその数は10作品におよぶ。「アギト」当時はフィルムカメラからビデオカメラに移行したばかりだったことから、「フィルムはもともと1秒24コマだけど、22コマで撮ると動きが機敏に見える。それがヒーロー番組の基本のやり方だった。でも当時のビデオはコマが変えられなくて、それができなかった」と苦労を語る。白倉が「『仮面ライダーアギトPROJECT G4』に取り掛かるときに技術パートから電話がかかってきて、『田崎監督がどうしてもカメラを買うって言うんです』『命令だから買うしかない』って(笑)」と明かすと、田崎は「喉から手が出るほど欲しかったハイスピードカメラ。スローモーションができて、コマが変えられるんです。『アギト』本編ではできなかったけど『龍騎』までに技術革新が起こった」「平成ライダーの歴史はデジタルシネマの歴史でもあるんです!」と熱弁した。

「龍騎」のオープニング曲「Alive A life」は、それまでとは異なる“エイベックスらしいユーロビートな曲”を目指したことなどから完成までに時間を要した。田崎が「なかなか曲が上がってこなかったから、とりあえずB'zの曲でコンテを作って、曲ができてから微調整したんです(笑)。だからテンポなんかもそのB'zの曲に合わせてもらった」と暴露すると、観客は驚きの声を上げる。

第1回ゲストの小林靖子が脚本を手がけ、白倉がプロデュースした「アマゾンズ」は現在シーズン2がAmazonプライム・ビデオにて順次配信中。同作にて田崎は、石田秀範と2話ずつ交代で監督を務めている。シーズン1と2の間の5年間を描く第8話は、衝撃の展開で視聴者を驚かせた。田崎は「靖子にゃんが、5年間に何が起きたかを年表にして持ってきて、すげー!となったんです。あれは俺の知ってる靖子にゃんじゃなかった。あのエピソードにはそれくらいのことが必要だった」と明かす。さらにファンから“アマゾンズフィルター”と呼ばれる独特の色調が、第8話だけ外れていたことから「カメラマンの上赤(寿一)さんが『8話は過去だから、普段抑えている色を鮮明にしよう』と言って。アマゾンズフィルターを始めた当人が言うからやってみたら、けっこう反響がありました。今のお客さんはこんなに色まで観てくれるんだってびっくりしました」と語る。

監督が新人俳優を鍛えるという話題では、「『555』後半で石田さんが綾野剛を鍛えている一方、僕は(実写ドラマ)『美少女戦士セーラームーン』で北川景子を鍛えていた」と語る田崎。『アマゾンズ』で俳優デビューした主演の前嶋曜に関して「石田さんにいじめられ、田崎にけちょんけちょんにされ、救いようのない状況(笑)」と言うと、「よく耐えましたね(笑)。石田さんは田崎監督よりドライなところがあって、できないと見放すときもある。『演技できないなら演出の力でなんとかする』といって顔を映さなかったり」と白倉も相槌を打つ。また白倉は「その面では、石田さんは今回優しかった。撮影1カ月前から“精神修行”をやってくれましたから。俳優とは何か、芝居とは何なのかを考えさせて『この映画を観てどう思ったか』を聞いたり、テクニックを教えたり。前嶋にはがっつり指導してましたね」と裏話を明かした。

この業界を志したわけを聞かれた田崎は、大学時代にサークルで8mm映画を撮っていたことから「僕は作品を完成させないことで有名だったんです。僕のサークルが上映会を開いていろんなサークルに声をかけたのに、主催したうちだけ間に合わなくて(笑)。それでリベンジしたいっていうか、間に合うように映画を作りたいと思ったんです」と笑う。中高時代に写真部に所属していたことも監督を目指すきっかけになったと言い「写真は、文学に例えると詩や俳句。映像で、小説や物語を語れないかなと思った」と語る。その流れから「ディケイド」第4話、第5話の劇用写真は田崎が撮っていたことも明かされた。

そのほかにもイベント内では、かつて助監督だった柴崎貴行が今では「宇宙戦隊キュウレンジャー」を手がけ、最近では上堀内佳寿也が「仮面ライダーエグゼイド」で本編監督デビューしたことなどにも言及。田崎は「古参スタッフがまだ一緒にやってくれつつ、新しいスタッフが参入してくれるのはありがたい」と述べる。学生時代の自身を“スタッフミーハー”と称する白倉は「だからこそ『アマゾンズ』のように新しい才能が花開くための舞台を用意することもできる。皆さんも、スタッフクレジットを見逃さずに注意していただけると、すごく面白い発見があると思う」とまとめた。

「白倉伸一郎プロデュース作品を振り返る。」では、7月29日に脚本家・井上敏樹を迎え第3回を開催。なお白倉と田崎が参加した「仮面ライダー電王 Blu-ray BOX1」が現在発売中で、「BOX2」は7月12日、「BOX3」は9月13日にリリースされる。

※田崎竜太の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記

※柴崎貴行の崎は立つ崎が正式表記

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