日活ロマンポルノの製作開始45周年を記念し、「ロマンポルノリブートプロジェクト」として計65作がBlu-ray / DVD化される。
バラエティに富んだ65作品は、4月4日、7月4日、10月3日、2018年1月6日の4回に分けて発売。初Blu-ray化作品を集めた「Blu-rayシリーズ」、初DVD化作品を集めた「ゴールドプライスシリーズ」、再発作品を集めた「シルバープライスシリーズ」が用意された。
今回、初Blu-ray化となる作品には、
<4月4日発売作品リスト>
ブルーレイシリーズ
価格:4536円 ※初Blu-ray化
「花と蛇」
「箱の中の女 処女いけにえ」
「団鬼六 美女縄地獄」
「団鬼六 女美容師縄飼育」
ゴールドプライスシリーズ
価格:3240円 ※初DVD化
「カルーセル麻紀 夜は私を濡らす」
「女高生レポート 夕子の白い胸」
「女豹」
「恋の狩人 欲望」
「泣く女」
シルバープライスシリーズ
価格:2160円 ※再発
「高校エロトピア 赤い制服」
「やくざ観音 情女仁義」
「女高生100人(秘)モーテル白書」
「牝猫たちの夜」
「エロス学園 感度ばつぐん」
「宇能鴻一郎の看護婦寮」
「女体育教師 跳んで開いて」
<7月4日発売作品リスト>
ブルーレイシリーズ
価格:4536円 ※初Blu-ray化
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「天使のはらわた ブルーレイ・ボックス」※価格未定
ゴールドプライスシリーズ
価格:3240円 ※初DVD化
「闇に浮かぶ白い肌」
「ひと夏の体験 青い珊瑚礁」
「(秘)温泉 岩風呂の情事」
「温泉芸者 湯舟で一発」
「江戸艶笑夜話 蛸と赤貝」
シルバープライスシリーズ
価格:2160円 ※再発
「女教師 秘密」
「白衣物語 淫す!」
「看護婦日記 いたずらな指」
「団鬼六 花嫁人形」
「美姉妹・犯す」
「絶頂姉妹・堕ちる」
「色情姉妹」
<10月3日発売作品リスト>
ブルーレイシリーズ
価格:4536円 ※初Blu-ray化
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「ルージュ」
「夢野久作の少女地獄」
ゴールドプライスシリーズ
価格:3240円 ※初DVD化
「夢犯 MUHAN」
「SEXダイナマイト マドンナのしずく」
「ソープ(秘)最前線 密技96手」
「淫絶未亡人」
「(秘)ハネムーン 暴行列車」
シルバープライスシリーズ
価格:2160円 ※再発
「らしゃめんお万 雨のオランダ坂」
「縄姉妹 奇妙な果実」
「学生妻 しのび泣き」
「レイプ・ショット 百恵の唇」
「愛獣 悪の華」
「女医肉奴隷」
「主婦の体験レポート おんなの四畳半」
<2018年1月6日発売作品リスト>
ブルーレイシリーズ
価格:4536円 ※初Blu-ray化
「奴隷契約書」
「狂った果実」
「暗室」
「女教師 生徒の眼の前で」
ゴールドプライスシリーズ
価格:3240円 ※初DVD化
「鎌倉夫人 童貞倶楽部」
「セックス・ライダー 濡れたハイウェイ」
「ワイセツな女 黒い肌に泣く」
「ホールインラブ 草むらの欲情」
「制服体験トリオ わたし熟れごろ」
シルバープライスシリーズ
価格:2160円 ※再発
「凌辱めす市場 監禁」
「性談 牡丹燈籠」
「戦国ロック 疾風の女たち」
「女新入社員 5時から9時まで」
「新宿乱れ街 いくまで待って」
「昼下がりの女 挑発!!」
「赤塚不二夫のギャグ・ポルノ 気分を出してもう一度」
石井隆 コメント
今回BOXと各ジャケットにイラストを描くように依頼され、逡巡したのは、絵のトーンだ。「天使のはらわた」が映画化された時、僕は劇画家であり、原作者だったけれど、その当時の劇画のペンタッチにするか、あるいはもう一つ、インクを筆で塗り重ねて写真のようなタッチで描くイラストのトーン──既発売の「天使のはらわた 赤い眩暈」のポスターと DVDのジャケット絵のような──この2通りのいずれにするかを迷ったのだ。何故、迷ったのか。映画監督志望で上京、大学に入ったものの、斜陽の日本映画界では社員の採用がない。バイトで日活撮影所の撮影に潜り込むも、病弱で挫折を重ね、いつの間にか劇画を書いて生活するようになり、だから僕にとっての劇画はどうしようもなく、映画の代替行為だった。始まりは穴埋めに描かされた「黒い事件簿」のような劇画で、カメラを持って夜の新宿をロケハンし、その写真を背景に使いながら、名美と村木の物語を、答えの出ない女と男の関係を繰り返し繰り返し描いていた。当時の漫画は子供が読むものだったから、生身の女と男の描写は驚かれたのだろう、それから4年後、僕は幸運だったのかも知れない、上村一夫さんや真崎守さん、宮谷一彦さたち精鋭が筆を振るっていた「ヤングコミック」(少年画報社)から声が掛かり「名美もの」の短篇連載が始まり、それから間もなく、長篇「天使のはらわた」が開始、3年間にわたり1000頁を描き下ろした。映画化の声が掛かったのはその2年目、予期せぬ形で僕は映画の現場に戻れた。
しかし、その当初はまだそういう蔑称はなかったのだが、「天使のはらわた 赤い教室」の公開後の頃だろうか、今でもコメンテーターや文筆家として活躍する某氏が、僕の劇画にエロ劇画、それも「三流エロ劇画の旗手」というレッテルを貼った。彼におそらく悪気はなく、時代の空気は過激な傍流を求めていて、一種のアジテーションだったのだろう、しかしそれが彼の狙い通りマスコミ受けして宣伝され、僕は大手の出版社で決まりかけていた二本の連載企画が中止になった。「うちは一流なので三流は使わないと上司が言っている」というのが担当編集者から伝えられた理由だった。
その状況の中でロマンポルノに原作を提供し続けることは客観的に見れば火に油だったし、実際ロマンポルノの開始時には日活のスタッフにも“ポルノ”に抵抗を示し、名前を変えて参加している人も、日活を去った人もいた。しかし、その一方では殆どのスタッフは女と男を描く映画として矜持を持って堂々と実名で参加していたし、更に企画の担当者が熱心で差別意識はなく、女優も男優も頑張っていた。僕も何を言われようが女と男を描くことに後ろめたさなどは微塵もなく、原作を提供し続けシナリオを書いた。そこは僕がかつて絶望的に諦めなければならなかった映画の世界だったからだ。
だが今回、当時、蔑称で呼ばれた僕の劇画のタッチでジャケット絵を描くのは、矜持を持って、今も傑作、力作として遺っている映画の数々に、自分で蔑称のレッテルを貼り直すことになるのでは、だとしたら劇画の一方で僕があの頃描いていた、劇団の公演ポスターなどにも提供していた、何故か女性にも受けがいいイラストタッチで描くべきだろうか、それを逡巡したわけだ。時代がどんなに変わっても“ポルノ”への偏見がなくなったとは思えないからだ。そんな迷いは、僕が監督した「天使のはらわた 赤い眩暈」はさておき、原作・脚本で参加した10本を見直し、これらも含めてロマンポルノの17年が無かりせば、日本映画における女と男の関係性の描写、表現は果たしてどうなっていたのだろう?と思った時に消えた。関係者は皆、人生を賭けてこの差別されていた領域に全力でぶつかって行き、女と男、あるいは男と女の関係性をそれぞれに描き続けたことに思いは至った。だったら僕も拭っても拭っても消えない蔑称にめげず、敢えて当時の劇画タッチでジャケットを描こうと、名美をしっかり描こうと、描いた。少しでも多くの人たちにそれが届けばと願いながら。
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