「インドシナ」の俳優
本作は、ドイツ人作家ハンス・ファラダが、ナチスドイツの秘密国家警察“ゲシュタポ”の文書記録から終戦直後に書き上げた小説「ベルリンに一人死す」を映画化したもの。1940年、戦争で一人息子を失った夫婦が、ペンとハガキを武器にヒトラー政権に抵抗するさまを描く。ヒトラーへの怒りを込めて「総統は私の息子を殺した。あなたの息子も殺されるだろう」と記したポストカードを街中に置くようになった夫婦へ、ゲシュタポの猛捜査が迫っていく。「ハワーズ・エンド」でアカデミー賞主演女優賞を受賞した
2002年に「天使の肌」で長編監督デビューしたペレーズ。今回、新作の製作のため奔走する間に、自分の家族にナチス党員はいなかったこと、親戚がガス室で殺されていたことなどを知ったという。「当時ナチス党員でなかったということで、家族はかなりつらい思いをしたはずだ。あらゆる場所に住む人たちにこの話を伝えることが大切だ」と語っている。
「ヒトラーへの285枚の葉書」は東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国で順次公開。なお4月末には、ペレーズの来日も決定している。
ヴァンサン・ペレーズ コメント
父親はスペインの出身だ。祖父は共和国軍のためにスペイン内戦でフランコ将軍のファシスト政権と戦い処刑された。母親の家族はドイツ系だが、ナチスから逃れて国外へ脱出した。母は1939年に生まれた。そして他の多くの人たちのように国外へ脱出し、5年間あちこちを転々と歩き回り、戦後にドイツに戻ってきた。ドイツ人の血が流れている人間なら、たくさんの疑問を抱えているはず。僕はそれらの答えを見つける必要があった。僕にはおじが3人いて、1人はロシアの戦線で殺された。精神科病院に入っていた大おじは、試験的なガス室で殺された。こうした精神科病院やガス室を僕は訪ねた。ドイツ人は過去の記憶を残しておくのが上手だ。何が起こったのかを誰も忘れるべきではないと考えているんだ。旅の間に、家族の中でナチス党員だった人は誰もいないということも知った。これは重大な事実だ。当時ナチス党員でなかったということで、家族はかなりつらい思いをしたはずだ。あらゆる場所に住む人たちにこの話を伝えることが大切だ。そして、誰でも闘うことができる、そして闘うには勇気が必要になると示すことが大切だった。
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ペンとハガキでヒトラーに抵抗、実話もとにしたヴァンサン・ペレーズ監督作が公開 https://t.co/5FW054pgfL