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オタール・イオセリアーニ来日、フェリーニが涙したエピソード明かす

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監督最新作「皆さま、ごきげんよう」の公開を控えるオタール・イオセリアーニが来日。11月7日に東京・岩波ホールで行われた記者会見に出席した。

現代のフランス・パリを舞台にした本作は、アパートの管理人にして武器商人の男と骸骨集めが大好きな人類学者を中心に、混沌とする社会の不条理をユーモラスに描いたもの。キャストにはリュフュスアミラン・アミラナシュヴィリピエール・エテックスマチュー・アマルリックらがキャストに名を連ねる。

イオセリアーニは、ボリウッドとハリウッドの登場により映画業界に起きた変化に触れながら「今“映画”と言えるのは映画作家の作品です。作家の映画というのは、作品に最初から最後まで“作家”として責任を持つこと。少ないですが今もそのような作品はあります。でも若者は悲しいことに映画作家の作品ではなく、商業映画を観ています……」と現状を嘆く。また「道」「甘い生活」などで知られるフェデリコ・フェリーニとのエピソードを挙げて「フェリーニの映画はイタリアでは観られていないそうなのです。もちろん、フェリーニのことはみんなが知っています。以前フェリーニと電話をした際『あなたの映画を観る時間がない』と言われたと彼は泣いていました。『時間があればハリウッドの映画を観るからね』と」と語った。

「映画にとって街の風景とは大事なのでしょうか」という質問に対し、イオセリアーニは「撮影する場所はどこでも構わないのです。厚紙に描いた背景をバックに撮ってもいいんです」と答え、「いつか富士山を背景に撮ってみたいです。でも、東京は変わってしまいました……。20世紀初めは無秩序で生き生きしていて素晴らしかったです」と続ける。さらに通訳が話をしている最中に突如立ち上がり「通訳をされている間に一服してきます」と一旦退出する場面も。イオセリアーニの自由奔放さに会場から笑いが起こった。

「皆さま、ごきげんよう」は、12月17日より岩波ホールほか全国で順次ロードショー。

(c)Pastorale Productions- Studio 99

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