「かもめ食堂」「めがね」などで知られる荻上が5年ぶりに手がける本作。荻上は2013年に新聞記事で見つけた「トランスジェンダーの子供を持つ母親が、子供のためにニセ乳を作る」というエピソードに着想を得て、オリジナル脚本を書き上げた。母親の育児放棄で捨てられたも同然となった少女が、叔父とその恋人・リンコに出会い、奇妙な共同生活を始めるさまを描く。
老人ホームで介護士として働くトランスジェンダーのリンコ役には、「ほかは考えられない」という荻上たっての希望により生田が起用された。その恋人のマキオに扮するのは「バクマン。」の
撮影現場に入った生田は「難しい役だと改めて実感していますが、こうした役をいただくことはそうないことですし、全力で取り組んでいます」とコメント。荻上は「私にとっても、生田さんや桐谷さんにとっても、転機となる作品だと思っています」と語り、「もはや、生ぬるいものを作る気など一切ありません。この映画は、私の人生においても、映画監督としても、荻上直子、第二部の始まりなのです」とイメージを覆すような作品を予期させる言葉を寄せた。
「彼らが本気で編むときは、」は2017年2月25日より東京・新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国でロードショー。
生田斗真 コメント
荻上監督の最新作ということで、企画書をいただきました。トランスジェンダーの女性を描いていて、荻上監督独特の、かわいくもあるし、優しくもある温かい脚本で、監督の期待に応えたいという思いが湧きました。監督はとてもサバサバした方で、違ったら違う、よかったらよかったと物事をはっきり言ってくださるので、とても信頼しています。
桐谷さんの存在もとても心強いです。僕のことをたくさん褒めてくれるし、大丈夫、大丈夫って背中をポンと押してくれるんです。もともとマキオさんのように器が大きい俳優さんだし、頼りたくなる存在ですね。
撮影に入ってみて、難しい役だと改めて実感していますが、こうした役をいただくことはそうないことですし、全力で取り組んでいます。
桐谷健太 コメント
最初はマネージャーから「すごい良い物語だよ。育児放棄した姉の娘を自分で育てていこうと思う青年役だ」と聞きました。
荻上監督作品は、「めがね」や「かもめ食堂」、「トイレット」などを以前観ていて、ホッとしたのを覚えています。脳みそとか腸とか、内臓が休まる感じのイメージがあって(笑)。荻上監督は、自分で本を書いて、自分で監督されているので、説得力が半端じゃないし、演出の指示が的確で、「なるほど、確かにそれがマキオかも!」って思えるんです。監督の演出によって、俺のマキオは余分なところが削がれ、本物の「小川マキオ」になって、転がり出していく感じです。
斗真とも「この映画は俺らのターニングポイントになりそうやね」と話しています。自分にとって何かが凄く変わりそうな作品と感じていますし、今までやったことのない人物像なので、自分自身も凄く楽しみだし、肩の力を抜いてマキオとして監督の世界にちゃんと漂えるようにしたいです!
撮影は映画の現場!って感じで楽しいです!
荻上直子 コメント
数日前にクランクインしましたが、私にとっても、生田さんや桐谷さんにとっても、転機となる作品だと思っていますし、そうなるように努力しているところです。癒し系、スローライフなどが、私の過去の映画のイメージでした。ならば言いたい。本作「彼らが本気で編むときは、」では、癒やしてなるものか! もはや、生ぬるいものを作る気など一切ありません。この映画は、私の人生においても、映画監督としても、荻上直子、第二部の始まりなのです。
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