東京国際映画祭2冠「草原の実験」予告編、ナウシカ役声優・島本須美のコメントも

昨年開催された第27回東京国際映画祭において最優秀芸術貢献賞とWOWOW賞を受賞した、「草原の実験」の予告編がYouTubeにて公開された。

本作はロシアの新鋭アレクサンドル・コットが、旧ソ連で実際に起きた出来事にインスパイアされて作り上げた幻想的な物語。大草原に建つ小さな家で父親とともに暮らす少女を主人公に、彼女の淡い恋模様、穏やかな日常生活に突如差す暗い影を描く。

東京国際映画祭で宮崎駿作品を彷彿とさせると評された本作の予告編は、「風の谷のナウシカ」でナウシカ役を務めた声優・島本須美からのコメントで幕を開ける。続いて映し出されるのは青い空を飛ぶ飛行機と美しい風景、無垢な瞳を持つ主人公。彼女の写真を撮る青い瞳の若者と幼なじみの青年が登場してほのかな三角関係を予感させたあと、映像は次第に不穏な雰囲気を帯び始める。

2010年に監督した「ブレスト要塞大攻防戦」でロシアのアカデミー賞といわれるニカ賞3部門を受賞したコットは、「私は何かひとつのことについて語られ、最後にまったく異なる展開になる物語が好きです。この映画では三角関係が描かれ、人々は愛し、苦しみも経験しますが、ラストで起きる出来事に比べるとそれらはあまりに些細なことなのです」と話す。また、全編でセリフを排していることについては、「ときに沈黙は、セリフよりも多くのことを語ることができると私は思うのです」と説明している。

「草原の実験」は、9月よりシアター・イメージフォーラムほかで全国順次ロードショー。