ホラーを語るリレー連載「今宵も悪夢を」 第23夜 [バックナンバー]
選者 / 南波志帆「ロンドンゾンビ紀行」
ゾンビVS “つよつよ”なおじいちゃんおばあちゃん
2022年8月12日 21:00 4
ホラーやゾンビをこよなく愛する著名人らにお薦め作品を紹介してもらうリレー連載「今宵も悪夢を」。集まった案内人たちは身の毛もよだつ恐怖、忍び寄るスリル、しびれるほどの刺激がちりばめられたホラー世界へ読者を誘っていく。
第23回は
文
ゾンビが蔓延る中、ぽんこつ兄弟は祖父のため老人ホームへ
みなさん、こんばんは。「今宵も悪夢を」案内人のすいか生肉ゾンビが大好きな南波志帆です。
私はくすっと笑える遊び心のある、ユーモラスなゾンビ作品が大好物で、この連載でもお届けしております。そんな私が、今回ご紹介するのは、「ロンドンゾンビ紀行」です。
舞台は、ロンドンの街とまさかの老人ホーム。そこに入居している無敵おじいちゃん。そして、主人公は孫のぽんこつ兄弟。
老人ホームが取り壊されることになり、それを阻止するために大金が必要で、兄弟と寄せ集めのクレイジーな仲間たちが銀行強盗に入ります(手段がまずぶっ飛んでます…!)。強引になんとかお金をバッグに詰めて外に出ると、警察に完全に包囲されており、しょうがなく一旦銀行に戻ることに。人質をつれて外に出ると、警察も街の人もみんなゾンビになっていて大パニック…!!!
といった形で、この物語ははじまります。幸か不幸か、なんというタイミング…! 世界が一変したことにより、法律もなにもぐちゃぐちゃで強盗が奇跡的にチャラになっちゃうのもなかなかですし、そもそもこんな世界じゃお金の価値なんてなくなるじゃんという呆気なさ。ゾンビが蔓延る世界では、どんなに大金を持っていようがただの紙切れになってしまうわけです。儚い。
ぽんこつ兄弟は生き残った仲間たちと、飄々とゾンビをかわしたり倒したり、途中で大量の武器も仕入れたりしながら、老人ホームに向かいます。あの無敵おじいちゃんは必ず生きているはずだと信じて。そこにたまたまあった、2階建ての真っ赤なロンドンバスで。
彼らが老人ホームに合流してからの展開が私は大好きです。大量の武器を見た瞬間の、目のキラキラ感、ぶっ放し方の鮮やかさ、爽快感、とにかくおじいちゃんおばあちゃん達がつよつよなのです!(笑) あの世代の方々の気合いの入り方はやっぱりレベル違いだなと恐れ入るのでした。
あんな風に、逞しい高齢者になりたいものです。私のいまの将来の夢は「老衰」なので、その未来のために、今を健康に積み重ねていきたいなと改めて思いました。
南波志帆(ナンバシホ)
1993年6月14日生まれ、福岡県出身のシンガー。2008年11月にミニアルバム「はじめまして、私。」でデビューを果たし、デビュー10周年を迎えた2018年には初のベストアルバム「無色透明」をリリースした。2014年からNHK-FM「ミュージックライン」のDJを務めている。
「ロンドンゾンビ紀行」(2012年製作)
祖父が入居している老人ホームの閉鎖危機に頭を悩ませる兄弟、テリーとアンディ。状況を打破するため、銀行強盗で大金を手にしようとするのだが、外に出てみるとそこはゾンビたちが蔓延る世界に変わっていた。そして老人ホームには、ゾンビたちに対抗する老人たちの姿が……。
監督を
※「ロンドンゾンビ紀行」はU-NEXTにて見放題で配信中
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この企画なんか微妙な映画多いなぁ https://t.co/BwMS2KQoCB