「漫画家・森薫と入江亜季 展」の担当者に聞いた、マンガの原画の魅力
コミックナタリーの読者には、マンガの原画展に行くのが好きな人も多いはず。だがマンガの原画の、どこに注目したらいいかを教えてもらったことがある人は、ほとんどいないのではないか。自分でもペンを走らせているマンガ家や、仕事で原画を目にすることの多いマンガ編集者、そして原画展を企画・制作する学芸員といったプロは、原画を鑑賞するときどんなところに注目しているのだろう。そんな人たちに、「こういう視点で観ると原画展ってもっと面白いよ」と教えてもらえたら、原画展に行くのがもっと楽しくなるかもしれない。そんな思いから、「マンガ原画展の歩き方」はスタートした。今回は、世田谷文学館で開催中の「漫画家・森薫と入江亜季 展 ―ペン先が描く緻密なる世界―」(以下、「森入江展」)で会場の展示を担当している、学芸員の原辰吉氏に取材を申し込んだ。森薫と入江亜季は、どちらもアナログの手描きにこだわり続けている作家で、緻密に描き込まれた原画は、つい時間を忘れて眺めていたくなる魅力に溢れている。本企画のテーマにぴったりだ。原氏は「マンガは専門ではない」と前置きしつつも、快くコミックナタリーの取材に応じてくれた。