「僕愛」「君愛」栞と和音、恋人にするならどっち?宮沢氷魚が究極の“選択”に苦悶

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アニメ映画「僕が愛したすべての君へ」「君を愛したひとりの僕へ」の舞台挨拶が本日10月15日に東京・ 丸の内TOEIで行われ、両作の主人公・暦役の宮沢氷魚、「僕愛」の主題歌・挿入歌を担当した須田景凪、原作者の乙野四方字が登壇した。なお本記事にはネタバレが含まれるため、これから鑑賞予定の方はご注意を。

「僕が愛したすべての君へ」「君を愛したひとりの僕へ」舞台挨拶の模様。左から須田景凪、宮沢氷魚、乙野四方字。

「僕が愛したすべての君へ」「君を愛したひとりの僕へ」舞台挨拶の模様。左から須田景凪、宮沢氷魚、乙野四方字。

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公開から一週間が経った「僕愛」「君愛」。すでに反響もそれぞれの耳に届いているとのことで、宮沢は「周りの友達が全員『君愛』から観てて。僕は『僕愛』から観ているので、『こういう感じ方をしてるんだ』って新しい発見があります」とうれしそうに述べる。乙野は舞台となる大分が自身の故郷ということで、「かなり地元の風景を忠実に描いてくれていて、地元の友達から『観たよ』ってすごく反応がありました」と明かした。

宮沢氷魚

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宮沢は改めて収録を振り返り、「2作品ということで相当プレッシャーがあったんですが、若い頃から中年まで演じたり、同じ暦でも違う人生を歩んだ暦を演じたりと、いろんな挑戦ができてうれしかったです。自分の声が1つのピースになって作品が完成しているのを観て、すごく感動しました」としみじみと笑顔を見せる。また「僕愛」の中で一言だけ声の出演を果たした須田は「10秒もないセリフだけど、考え出したらキリがない作業。声優さんは本当にすごいと改めて感じました」と初めてのアフレコの感想を語った。

乙野四方字

乙野四方字[拡大]

この日は2作品続けて上映後の舞台挨拶ということで、ネタバレも交えてトークを展開。司会者から「僕愛」のラストで暦のIP端末がエラーになっていたのは理由を尋ねられると、乙野は「皆さんに考えてほしいのではっきり答えは言わないですが、ラストの老婦人は栞なんですね。あのとき、栞のIPもエラーになってるんです。それがなんでなのか、『君愛』のラストも合わせて考えると、見えてくるのかなと思います」と、読み解くヒントを提示してみせた。

須田景凪

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また登壇者同士での質問に答えるコーナーも。宮沢から乙野へは「書いているときに、どの平行世界を書いているのかごちゃごちゃにならなかったのか」という質問が寄せられた。すると乙野は「頭の中だけで整理して書いているので、すごくごちゃごちゃになります(笑)。特に幼少期のお互い入れ替わるところは、自分でもすごく混乱してました」と回答。それでも基本的に図や表は書かないという乙野に、宮沢は「すごいなあ……」と尊敬の眼差しを送った。須田は「普通に生きてたら、こういう作品って生まれないじゃないですか」と、作品が生まれた背景について尋ねる。「もともと平行世界を扱った作品が好きで、いつか書きたいと思ってたんですが、せっかくなら自分だけの平行世界の形を考えようと思ったんです」と乙野。そのきっかけになったのは、学校などで使われる丸いルーレットのような当番表だという。「これって平行世界の形だなって。外側の“教室”とか“廊下”とかが平行世界で、内側の“1班”、“2班”が登場人物で……」と説明すると、須田もその着想に驚いていた。

左から須田景凪、宮沢氷魚。

左から須田景凪、宮沢氷魚。[拡大]

一方、乙野は宮沢と須田に「もし恋人にするなら栞と和音どっち?」という究極の選択を迫る。宮沢は苦悩の表情を見せつつ、「僕個人としては、和音。引っ張っていってくれる、自分が迷子になったときに答えを導き出してくれるような存在。僕がけっこう優柔不断なので……」と回答。須田は「『君愛』の家出のシーンがすごく印象的なのと、作中では一緒に成長していけないので、未来を見てみたい」と栞を選んだ。乙野は「僕はもちろんどっちも愛してますんで」ときっぱり答え、須田に「ずるくないですか(笑)」と突っ込まれていた。

なおコミックナタリーでは、「僕愛」「君愛」の見どころを紹介する特集を公開中。観る順番で結末が大きく変わるという、挑戦的なアニメ映画を味わうための足がかりにしてほしい。

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(c)2022 「僕愛」「君愛」製作委員会

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