「スルガメテオ」5巻

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「スルガメテオ」野球の実力は“尻”を見ればわかる! 剛速球と立派な尻を持つピッチャーの青春野球譚

PR田中ドリル「スルガメテオ」

160km/hの剛速球を投げるマシン・スルガメテオの正体は、とんでもなく尻のデカい15歳の内気な少年だった──。星群高校に入学した1年生の駿河彗は、その立派な尻を見込まれて野球部のキャプテン・甲斐陽人にスカウトされる。内気な性格の駿河は、一度は入部を拒否するが、実は駿河はスルガメテオの“中身”だったことが明らかになり……。高校野球を通して人との交流やチームプレイを学んでいく駿河と、星群高校野球部の成長が描かれる。「スルガメテオ」は、週刊少年マガジン(講談社)で連載中。

/ 小林聖

田中ドリル「スルガメテオ」1巻
田中ドリル「スルガメテオ」1巻
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いいケツを探していたらピッチングマシンだった件

ときどき既存のマンガ作品のタイトルを、一昔前のライトノベルみたいにしてみる遊びをしているが、それで言うと「スルガメテオ」は「ケツのデカい新入生を探していたらピッチングマシンだった件」になる。わかりやすくなるだろうと思ったら、むしろ原題より何言っているのかわからなくなるパターンだ。ただ、嘘を言っているわけではない。「スルガメテオ」はケツ探しから始まる野球マンガだ。

本作の主役となるのは弱小の高校野球部。万年1回戦負けどころではなく、去年まで人数が足りず同好会だったというレベルだ。物語はそんな新設野球部のキャプテン・甲斐陽人が部を救うルーキーを探す場面から幕を開ける。そして、探すポイントが尻なのである。

新設野球部のキャプテン・甲斐陽人が出会ったスルガの尻。

新設野球部のキャプテン・甲斐陽人が出会ったスルガの尻。 [高画質で見る]

陽人はモノローグで「野球の実力は尻を見ればわかる…ッ!!」と語る。走るのはもちろん、ボールを投げる、取る、打つとさまざまな動きを要求される野球で、動きを支える大殿筋群が重要だと考えているのだ。そうしてエースピッチャー候補として見つけたのが、スルガという大きなケツの新入生。野球部入部を渋っていたスルガだが、実はその正体がバッティングセンターにある球速160kmの超難度ピッチングマシン・スルガメテオの“中身”だったことが明らかになる。

隕石のような剛速球とデカいケツというバランス感覚

ライトノベル風タイトルにするのはあくまで遊びではあるが、こうして見るといかにもマンガ的なハッタリの魅力が強く印象づけられる。弱小野球部に、突然埋もれていた超高校級のとんでもないエースがやってくるのだ。いい意味でマンガ的な話でワクワクする。だが、こういうある種のご都合展開にすんなり気持ちが入っていけるのは、別のところで説得力があるからだ。

例えば、すでにコミックナタリーで公開されている本作の別のレビューでも触れられている部員同士の友情もその1つだ。スルガをはじめ超高校級のプレイヤーが次々登場する一方で、普段のやり取りでは普通のシャイな高校生らしさが印象に残る。試合の勝ち負けだけでなく、部員同士の友情やその中での成長も本作の大きな軸であり、ここには理想も含めてリアルさがある。

内気なスルガも、次第に野球部に馴染んでいく。

内気なスルガも、次第に野球部に馴染んでいく。 [高画質で見る]

そして、試合などの演出面もハッタリとリアリティのバランスが印象に残る。

160kmの生きた球を投げる高校生というのはいかにもマンガ的。投球の描写も砂塵が大きく舞い、あたかも空を割っているような力強さを背景で表現する。このあたりはハッタリ感マシマシだ。

一方で、なんでもありではない感を出しているのが野球にまつわる蘊蓄だ。例えば、前述の触れたケツの話。ちょっと調べただけでも、ピッチャーにとって大殿筋の重要さはいろいろな人が指摘しているのがわかる。身体全体を使って腕をしならせボールを放つピッチャーにとって、大殿筋をはじめとした下半身や広背筋など背中の筋肉は非常に重要な要素と言えよう。

そうした理論面は、セリフだけでなく作画でも表現されている。投球を見せる前のただ立っている何気ないスルガの後ろ姿を見ても、尻だけでなく背中が大きくがっしりしているのが印象に残る。野球に詳しくない人間でもパッと見て「野球選手ってこういう身体つきだよな」と思える姿が描かれている。

スルガの投球シーン。

スルガの投球シーン。 [高画質で見る]

また、試合に入ってからは、単に剛速球や才能で押し切るわけではなく、読み合いや戦術が重要な要素になってくる。このあたりも作品のリアリティを支える要素となる。

現実離れした才能、能力と土台となる現実感。そのバランスが「スルガメテオ」というマンガ的ハッタリを気持ちよく読ませ、作品にのめり込ませてくれているのだ。

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「スルガメテオ」第1話を試し読み!
©田中ドリル/講談社

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