「ただいま、おじゃまされます!」花澤香菜×石川界人×石谷春貴|“驚き”が“ときめき”へ塗り変わるマジック

4月7日より順次放送されているTVアニメ「ただいま、おじゃまされます!」(以下「ただおじゃ」)。オタク活動に邁進する会社員の仲間なかま凛子りんこと、左隣に住む謎多き紳士・佐槻さつき鏡斗あきと、そして右隣に住む凛子の最推しマンガの原作者・右沙田うさだ春真はるまによる三角関係を描いたラブコメディだ。ある日、右沙田によって凛子の部屋の壁が蹴破られ、最終的に3人の部屋がつながってしまうという衝撃的な展開から物語が動き出す。

原作は和戸村による同名マンガ。コミックシーモアのオリジナルマンガ編集部・シーモアコミックスが展開し、少女マンガレーベル・恋するソワレで連載中だ。2020年10月の配信開始以降、反響を呼び、電子書籍でマイクロ版が26巻、タテヨミ版が78巻まで刊行されている。

コミックナタリーでは、アニメの放送を記念し、凛子役の花澤香菜、佐槻役の石川界人、右沙田役の石谷春貴による鼎談をセッティング。「ただおじゃ」の魅力やアフレコの裏側、そして彼ら自身の“推し”について、作中の3人のような息の合ったテンポ感で、和気あいあいと語り合ってもらった。

取材・文 / 阿部裕華撮影 / 武田真和

恐怖から“ときめき”に変わる、壁をぶち破るラブコメディ

──ラブコメディ作品が数多くある中で、「ただおじゃ」ならではの面白さや魅力はどのようなところにあると感じられますか?

花澤香菜 まず、凛子と右沙田の部屋の壁がつながってしまうところですね。それが一番衝撃だと思うんですよ(笑)。読んでいて一番「これだよね、少女マンガって!」と思わされるような、実際に起きたら少しびっくりする出来事が「ただおじゃ」では見事に成立していて、それがドキドキにつながっていくところが魅力的だなと思います。

花澤香菜

花澤香菜

石川界人 一見すると、ともすれば恐怖を伴うような展開ですよね……(笑)。右沙田が壁をぶち破ってきたり、佐槻が急に偽物の彼氏を名乗り始めたり、現実的に考えたら少し怖いかもしれないと思うんです。

花澤 最初のウサ春先生(右沙田)は、怖すぎるもんね……。

TVアニメ「ただいま、おじゃまされます!」第1話より、ウサ春こと右沙田春真。

TVアニメ「ただいま、おじゃまされます!」第1話より、ウサ春こと右沙田春真。

石谷春貴 そうですね。壊した凛子と右沙田の部屋の壁、分厚かったですし。室内なのに靴を履いていますし……。

石川 スニーカーを履いていますからね。

石谷 アメリカンスタイルですよね(笑)。

石川 とはいえ、佐槻も急に「部屋上がっていい?」「うち来る?」とか言うので、ちょっと怖いですよ……。

花澤 怖いですね。凛子とソファに座ったとき、すごく近かったですし……。

石谷 そうですね(笑)。

石川 それで凛子に「警戒心がなさすぎる」と怒るのもどうかなと思うんですが(笑)。話が進んでいけば、佐槻にもちゃんと凛子への好意があって、アプローチとしての行動なんだとわかってきて、そこに少しときめきがあるのかなと思っています。凛子が両隣の2人(佐槻と右沙田)としっかり向き合っていくことによって、恐怖じゃなくて“ときめき”に変わっていく。いきなりキュンとするのではなく、黒から白へとまったく違う色になっていく流れが「ただおじゃ」の面白さではないかなと。

TVアニメ「ただいま、おじゃまされます!」第1話より、仲間凛子の部屋で壁ドン返しをする佐槻鏡斗。

TVアニメ「ただいま、おじゃまされます!」第1話より、仲間凛子の部屋で壁ドン返しをする佐槻鏡斗。

石谷 それに、凛子、佐槻、右沙田の3人が3人ともすごく個性豊かじゃないですか。全員個性的でありながら、本人たちはそれを普通だと思って生活している。周りから見たら不思議な個性を持った人たちの日常からドラマが始まっていくのが、すごくラブコメっぽいなと思っています。自分と違う価値観に触れるのは楽しいですし、そこが「ただおじゃ」のよさだと思います。

優しさの塊の凛子と、素直な右沙田、もったいぶる佐槻

──それぞれが演じられるキャラクターの魅力や、推しポイントを教えてください。

石谷石川 凛子はかわいいですよね!

花澤 とってもかわいい!

TVアニメ「ただいま、おじゃまされます!」第1話より、仲間凛子。

TVアニメ「ただいま、おじゃまされます!」第1話より、仲間凛子。

石川 素直で料理上手で、オタクグッズに溢れているとはいえ、部屋がすごくきれいなんです。

石谷 めっちゃきれいですよね。

花澤 凛子自身は自分の部屋のことを「魔界」と言っていたけど、とても整理整頓されているんですよね。

石川 そんなお部屋の中で座って、アニメを観てキュンキュンしているなんて、もうかわいすぎます。

花澤 かわいいんだよな……。

石谷 あと、めちゃくちゃ素直ですよね。凛子だからこそ、この3人で成立している感じがすごくあります。

花澤 そうだね、凛子はベースが優しさでできているから。

石谷 そうなんですよ。優しさの塊みたいな子なんです。普通なら壁を蹴り破られたら怒るじゃないですか。

石川 訴訟レベルです。

一同 あははは(笑)。

花澤 会社でがんばって残業して……という描写もあるので、日々のストレスは溜まっているはずなのに、すごく優しい子なんです。

石谷 アニメを観てストレスを発散しているのでしょうね。

石川 右沙田もかわいいですよね……。

石谷 確かに、かわいいですね。

花澤 かわいいけど、あんな人が実際にいたら怖いかも……(笑)。

石谷 荒っぽいところがありますよね(笑)。でも言っていることは素直なんですよ。

花澤 そうそうそう! すごく素直!

石川 「ご飯作って、一緒に食べて、ゲームしていけよ、コラ!」と言っているところで、僕はもう右沙田に心奪われました……。

一同 (笑)。

石谷 右沙田は少し子供っぽいところが魅力的ですよね。何も隔てないではっきりモノを言うから圧があるだけで。言っていることは少年みたいにピュアですし、それに意外と気遣いもちゃんとできる人なんですよ。

石谷春貴

石谷春貴

花澤 ラブコメという視点で考えると、結構ストレートに言葉を言ってくれるので、そういうのが好きな女子はとてもときめくと思います。

石川 右沙田は、本当にまっすぐな言葉を伝えてくれるじゃないですか。「世の男性みんなそうあれ!」「好きという気持ちはハッキリと口に出して言え!」と思います(笑)。

花澤 そう! 佐槻はもったいぶりすぎなの。

石川 佐槻は余裕があって“モテ男ムーブ”をしているんですが、結局言葉では伝えられていないんですよ。

石谷 踏み込む勇気がないんですよね……。

花澤 言葉にしたくないみたいなところがあるよね。

石川 佐槻は、共感しちゃうんですけどね。

石谷 そこも佐槻の優しさなのかなと思っていて。凛子との関係性を崩したくないし、乱したくないというところがすごく見えます。

花澤 でも、佐槻、行動ではグイグイきているよね?

石谷 グイグイきていますけど、それに気づかない凛子も凛子ですよね(笑)。

花澤 まあね……(凛子も凛子で)鈍感なのよね……。

石谷 「まさか私に?」と思ってしまうくらい、凛子は自己肯定感がちょっと低めなので。それでいうと、佐槻も意外と自己肯定感が低いんですよね。

石川 「俺なんかが、こんな魅力的な凛子につり合うわけない……」ということを考えてしまっているところがありますよね。直接的に「好き」とは言わずに、「好きと伝われ!」みたいなお願いムーブをしている。「伝わってください!」という、他力本願な感じというか(笑)。

石谷 神頼みですね(笑)。

石川 そういうところに、いじらしさを感じるといいますか……。余裕があってすごくモテそうなんだけど、実は余裕がないし、一歩踏み出せない弱さを見せるところがギャップとして魅力的なのかなと思います。

石川界人

石川界人

花澤 私は、右沙田と凛子が仲良さそうにしていると、佐槻が背後で“ブリザード”を起こしているところが好きです(笑)。佐槻の感情がダイレクトに伝わってきます。

石谷 佐槻は、ヤキモチを焼くと体感温度が下がるんですよね(笑)。

右沙田、佐槻、どっちが推し?

──そんな魅力溢れる佐槻と右沙田、お三方はどちらが推しですか?

石川 (即答で)右沙田です! アフレコのときからずっと「右沙田いいよ! 幸せになってほしい!」と言っていました。先ほども言いましたが真っすぐに自分の気持ちを言葉にするし、ちゃんと人のことを見ているし、何より嘘がない。素直なキャラクターなので好感が持てますね。

石谷 右沙田は演じやすかったし、友達にいたら「気持ちいいやつなんだろうな」と思いました。佐槻も関係性を取り持ってはくれそうなんだけど、「本当に俺のこと好きなのかな?」みたいになりそう(笑)。

石川 相手を不安にさせる感じですね(笑)。

石谷 そうですね(笑)。ニコニコしていて何を考えているかちょっとわからないところもあるので。だけど、付き合っていくと素が出てきそうなので、関係を深めるんだったら佐槻かなという感じです。攻略対象みたいな!

石川 ゲームじゃないんだぞ!(笑)

一同 あはは(笑)。

花澤 私はリアルにいたら右沙田派なんですけど、キャラ的に好きなのは佐槻なんですよ……! 眼鏡でちょっとネチネチ言ってくる人、好きなんだよなー!

TVアニメ「ただいま、おじゃまされます!」第1話より、佐槻鏡斗。

TVアニメ「ただいま、おじゃまされます!」第1話より、佐槻鏡斗。

石谷 ネチネチ言ってくる人(笑)。

石川 花澤さん、横やりごめんなさい。佐槻のことネチネチ言ってくる人だと思っているってことですか!?(笑)

花澤 佐槻は右沙田にネチネチ言っているじゃないですか(笑)。あの感じが「本当に凛子のこと好きなのね!」とわかっていじらしくて好きなんですけど、実際にお付き合いすることを考えると、わかりやすくてさっぱりした関係を築けそうな右沙田がいいなと思います。