舞台挨拶には春日高男役の
自身が演じた仲村について「(原作の段階で)圧倒的な存在感があった」と評する玉城は、「演じるにあたってマンガを一番参考にしました。コマやセリフから彼女の魅力をすごくたくさん受け取ったと思います」と回想。これを受け押見が「僕の中では仲村佐和というよりも、“玉城佐和”になってるぐらい最高でした」と称賛すると、玉城は「ホッとしました」と笑顔を見せた。
高校生編に登場する飯豊は、「なるべく『惡の華』の(原作)ファンの人達に違和感なく、邪魔しないように観ていただきたいなというのを意識していました」と説明。オーディションで佐伯役に抜擢され、撮影当時は15歳だったという秋田は「皆さんオーラというかパワーがすごいので、お話も全然できなくて(笑)。でも芝居の中で引っ張っていただいて、映画の中で佐伯さんが存在できたのは皆さんのおかげだなと思っています」とコメントした。
ここで伊藤が「原作者さんから観た、この映画の『ここは……!』っていうシーンを聞きたいです」とリクエスト。押見は「パンツを被っている二宮金次郎の像を春日が教室から見ているシーンでは、春日の心情が水のように飲み込めました。僕がマンガの中でやりたかった春日の文系不良感がバッチリ表現されていたと思います。ほかにも言い出したらキリがないんですけど……。泣かずには観られないところもあって、原作者としては本当にうれしい映画です」と絶賛する。井口監督も「実際に先生が(映画について)どう思っていたか心配だったんです」と続けると、押見は「(自分の考えていたことを)全部わかってもらえたと思っていました」と述べた。
その後押見がイラスト入りの色紙をキャストと井口監督にサプライズでプレゼント。色紙を受け取った登壇者たちは喜びをあらわにしながらも、「天井に飾ります!」「インクが擦れないようにサランラップとか巻いたほうがいいかな?」と少しずれたコメントをし、会場を笑わせた。最後に11月13日からポーランドで開催される、ファイブ・フレイバーズ映画祭で本作が上映されることも決定。伊藤はこの発表を受け、「以前舞台で海外の思春期の少年を演じたことがあるんですけど、時代や性別、国、宗教が違っても思春期に抱える問題ってけっこう同じなんです。なのでポーランドで上映しても共感してもらえるんじゃないかなという自信があります。それとは別に海外の人たちの日本とは違った捉え方や反応もあると思うので、その声が聞けるのも楽しみですね」と期待を膨らませた。
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