「小畑健展 NEVER COMPLETE」は「Manga」「Illustration」「Never Complete」の3つのパートから構成され、約500点の原画や資料を展示。展覧会名にもある「NEVER COMPLETE」という言葉には、「全ての絵は決して自身にとっての“完成形”ではない。『目指したい表現はまだまだ描く先にある──』」という小畑の思いが込められている。
「Manga」のゾーンでは
「Never Complete」ではデジタル作画を取り入れた、大場原作による最新作「プラチナエンド」の設定資料やラフ、ネームを使って制作の過程を紹介していく。なお本展用の描き下ろしイラスト「NEVER COMPLETE」や、「DEATH NOTE」の新作読み切り10ページ分も展示されている。
内覧会には小畑も登壇。小畑は30年の歩みについて、「少年ジャンプという場所でこれだけ長く続けられるというのは想定していませんでしたし、正直自分が一番驚いています。うまくいったりいかなかったりの繰り返しで、圧倒的にうまくいかなかった時間のほうが多かったです。それでもここまで続けられたのは、使い続けてくれた週刊少年ジャンプ編集部や、支えてくれたファンの方々、一番大きのはいい原作に出会えたというのが大きかったんじゃないでしょうか」と語る。本展には原画以外にも制作の過程が垣間見えるラフなどが展示されていることについて小畑は、「制作の過程を見ると、描き損じていたり間違っていたりする部分がすごく多くて。意外と自分はジタバタしながら描いてきたんだなって思い返します。ジタバタしているところなんて本当は見せたくはないんですけど、もしかしたらそういう部分が面白いのかなとも思ったので、面白がってもらえたら」と意図を説明。また自身の絵については「個性がなく、マンガ的な絵ではないことがコンプレックスだった」と明かしながら、「実はそういうあまり主張しない絵だったおかげで、さまざまな原作者と組めて、色んな作品を残せたんじゃないかと(今回の原画展を開催するにあたって)気付かされました。この先も描き続けていくにあたって、今回気づいたことをヒントにして進んでいけるんじゃないかなと思っています」とコメントした。
また会期中にも作品に手を加え変化していくという描き下ろしイラスト「NEVER COMPLETE」については、「『NEVER COMPLETE』というテーマで、原作がない状態で自分の絵を描くっていうのは、自分でもどういう絵ができあがるのか楽しみです。この先自分が絵を描いていく中でオリジナルを描くかもしれないし、新しい原作者と組むかもしれない。そのときの状況に合わせて新しい絵を生み出したいなっていう気持ちを、今回の絵に込められれば」と意気込んだ。さらに「DEATH NOTE」の新作読み切りについては、「連載していた『DEATH NOTE』の読み味とはまったく違うものになっています。デスノートは拾った人がどう使うかでまったく違うものになるんだと感じました」と説明した。なお少年ジャンプ+では明日7月13日0時に小畑による「DEATH NOTE」の新作読み切りネームと、週刊少年ジャンプ2008年11号(集英社)に掲載された「DEATH NOTE」の特別読み切りを公開する。
「画業30周年記念 小畑健展 NEVER COMPLETE」
会期:2019年7月13日(土)~8月12日(月・祝)
時間:10:00~17:00 ※最終入場は、閉場の30分前まで。毎週金・土曜日と7月14日(日)、8月11日(日)は20:00まで延長。
会場:東京 アーツ千代田3331
料金
通常チケット・初日限定券
(前売り)一般・学生1300円/中学・高校生600円/小学生400円、(当日)一般・学生1500円/中学・高校生800円/小学生600円
特典セット券
(前売り)2300円、(当日)2500円
図録セット券
(前売り)3400円、(当日)3600円
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