「TAAF2019」授賞式、花田十輝・境宗久監督らが賞を励みに未来を見据える

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本日3月11日、東京・豊島区役所内のとしまセンタースクエアにて「東京アニメアワードフェスティバル2019」の授賞式が開催された。

「東京アニメアワードフェスティバル2019」授賞式の様子。

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大河原邦男

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6回目の開催となる「東京アニメアワードフェスティバル」は、アニメーション文化と産業の振興に寄与することを目的とした国際アニメーション映画祭。授賞式では、まずアニメーション産業・文化の発展に大きく寄与した人を顕彰する「アニメ功労部門」の受賞者の名前が呼ばれる。既に受賞の発表されていた「機動戦士ガンダム」などで知られるメカニックデザイナー・大河原邦男、「ひみつのアッコちゃん」の主題歌など数多くのアニメソングを歌唱してきた堀江美都子、「アルプスの少女ハイジ」ハイジ役などを演じた杉山佳寿子、「いなかっぺ大将」などの作画に携わり、現在もアニメーターとして活躍する二宮常雄らが登壇した。代表として挨拶をした二宮は「本当にみなさんに感謝します」と述べ、「平成最後の年に思い出深い賞をいただき、本当にうれしく思っています」と感激した様子で話した。

二宮常雄(左)。

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続いては、対象期間中に上映・放映された524作品よりTVアニメ90作品、映画10作品を「みんなが選ぶベスト100」として一般投票で選出し、その中からアニメーション業界に携わる人々の投票によって作品賞、個人賞を決定する「アニメ オブ ザ イヤー部門」の表彰に。こちらは既に各賞が発表されており、作品賞ではテレビ部門を「ゾンビランドサガ」、劇場映画部門を青山剛昌原作の「名探偵コナン ゼロの執行人」が受賞。個人賞の原作・脚本部門には花田十輝、監督・演出部門には京極義昭、アニメーター部門には刈谷仁美、音響・パフォーマンス部門には「ゾンビランドサガ」での演技などが評価された宮野真守が名を連ねていた。

「ゾンビランドサガ」キービジュアル (c)ゾンビランドサガ製作委員会

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作品賞でテレビ部門に輝いた「ゾンビランドサガ」からは境宗久監督が出席。「スタッフみんなが本当に楽しんで作って、一人ひとりがいろいろなアイデアを出し合いました」と話し「アニメーターさん、技術さん、撮影さん、キャストの皆さんもいろんなアドリブを考えてくれて、すごく楽しんで作ってくださって。それが受け入れられ、賞をいただけたことは、これからの励みになりますし、アニメーション制作の未来が見えました」と感謝を伝えた。

「宇宙よりも遠い場所」などの作品が評価され原作・脚本部門を手にした花田十輝は、2015年に続く2度目の受賞。会場にはコメントが届けられ、花田は「宇宙よりも遠い場所」の名前を出しながら「この賞は僕個人というより、作品を作り上げたスタッフ全員の賞として受賞させていただければと思います」と強調し、「昨今のアニメーションにおいて原作のないオリジナル作品はまだまだ数が少ない状況です。ですが、この賞を励みにこういったオリジナル作品を作っていけたらと思っております」と新たな作品の制作に意欲を見せた。

京極義昭監督(左)。

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監督・演出部門では「ゆるキャン△」の監督を務めた京極義昭が壇上に。京極は「ゆるキャン△」の制作現場について「制作会社が小さく、スタッフも少なくて。また若いスタッフが多く、正直、万全の体制ではなかった」と説明。続けて「一生懸命アニメ作りに取り組むスタッフばかりだったので、真摯に取り組んでそれをお客さんに正直に届けようということを合言葉にやってきました」と話し、「そのがんばりが伝わってたくさんのファンに喜んでもらえることができました」と振り返った。

コンペティション部門長編アニメーション グランプリの「アナザー デイ オブ ライフ」より。(c)2017: Platige Films SP. Z O. O., Kanaki Films S. L, Walking the Dog BVBA, Wüste Film GMBH, Animationsfabrik GMBH, Arena Comunicacion Audiovisual S. L

コンペティション部門長編アニメーション グランプリの「アナザー デイ オブ ライフ」より。(c)2017: Platige Films SP. Z O. O., Kanaki Films S. L, Walking the Dog BVBA, Wüste Film GMBH, Animationsfabrik GMBH, Arena Comunicacion Audiovisual S. L[拡大]

国と地域数、応募数ともに昨年を上回る応募のあった「コンペティション部門」では、長編アニメーションのグランプリにラウル・デ・ラ・フエンテとダミアン・ネノウが監督を務めた「アナザー デイ オブ ライフ」、優秀賞にファン・アンティン監督の「パチャママ」を選出。短編アニメーションのグランプリはニンケ・ドゥーツ監督による「花咲く道 11歳」、優秀賞はジョジー・マリス監督の「聖者の機械 6-前へ進め」が手にした。また同部門の豊島区長賞は中国のジエ・ウォン監督作「黄昏のクインテット(五重奏)」が獲得。「アナザー デイ オブ ライフ」、「花咲く道 11歳」は、それぞれ東京都知事賞にも選ばれ、この日壇上に上がった東京都の多羅尾光睦副知事よりトロフィーが贈られた。

「東京アニメアワードフェスティバル2019」授賞式の様子。

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最後に「東京アニメアワードフェスティバル2019」実行委員会副実行委員長の南雅彦氏から主催者を代表して挨拶がされる。南氏は「『アニメ オブ ザ イヤー部門』では、まさにこれからのアニメーションの明るい未来を感じる作品や個人の皆さんに賞を贈ることができ大変うれしく思っております。『コンペティション部門』にも昨年を大きく上回る作品が集まりました」と全体を総括し、「来年も我々が驚くような新しい映像を皆さんが作っていただくことを期待し、ここで皆さんと楽しいフェスティバルができればと思っております」と呼びかけた。

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「東京アニメアワードフェスティバル2019」受賞結果

アニメ功労部門

大河原邦男(キャラクターデザイナー)
小林治(アニメーター)
酒井あきよし(脚本家)
杉山佳寿子(声優)
高橋茂人(プロデューサー・プロダクション設立者)
高橋宏固(撮影監督)
鳥海永行(監督)
二宮常雄(アニメーター)
深沢一夫(脚本家)
堀江美都子(歌手)

アニメ オブ ザ イヤー部門

作品賞

テレビ部門:「ゾンビランドサガ」
劇場映画部門:「名探偵コナン ゼロの執行人」

個人賞

原作・脚本部門:花田十輝
監督・演出部門:京極義昭
アニメーター部門:刈谷仁美
音響・パフォーマンス部門:宮野真守

アニメファン賞

「BANANA FISH」

コンペティション部門

長編アニメーション

グランプリ:「アナザー デイ オブ ライフ」
優秀賞:「パチャママ」

短編アニメーション

グランプリ:「花咲く道 11歳」
優秀賞:「聖者の機械 6-前へ進め」
豊島区長賞:「黄昏のクインテット(五重奏)」

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