舞台挨拶には宍戸岩男役の
司会者から「インタビューや舞台挨拶でご自身にとっての代表作になったとおっしゃっていましたけど……」と話を振られた安田は、「撮影の手応えとか現場の熱とかを感じて、『ひょっとしたら僕にとっての代表作になるかもしれない』とは話させていただきましたね」と訂正しながら、「なるかならないかはご覧になった皆さまの評価次第でございます」と呼びかける。また安田は本作に関する周囲からの反響について、「ハマる方はハマって、駄目な方は駄目みたいです(笑)。自分の演技についてより、作品の話が多いですね。作品がいいということは出演者がいいということですから。作品を評価してくださることが我々にとって一番大きなことだと思います」と語った。
木野はナッツ・シトイ演じるアイリーンを追い詰めていくツルというキャラクターについて「最近は優しいお母さんとかおばあさんの役が多かったので、(周りからは)『大丈夫?』って言われたりして。(現場で)監督に鬼になれと言われれば必死で鬼になっていました。観た人たちは本当に怖かったと思います」と撮影の様子を振り返る。伊勢谷は自身が演じたヤクザの塩崎について「僕はそういう役回りが多いので慣れておりますが、例に漏れずいい感じの役ではないですね(笑)」と自虐的に笑いながら、「現場では安田さんとナッツの熱にほだされました。芝居合戦というかそれぞれが高め合うような映画らしい現場で楽しかったです。緊張したと同時にいい影響を受けました」と回想した。
また原作が「愛なんて誰か見たことあるの?」という疑問を起点に生まれたということから、それぞれが思う「愛の定義」をトークすることに。安田は「愛……」と悩み、「見返りを求めないのが愛ですかね。すすきので停電がひどかったときに風俗店がお風呂を無料開放したのは無償の愛だなと思いました」と出身地である北海道での最近の出来事を挙げる。新井は愛の定義について「男と女はキスをしたら結婚しなきゃいけないっていう考えが、今でもどこか自分の中にあるんです」と持論を述べながら、「娘が2、3歳くらいのときにキスしようと寄ってきても、将来この子が後悔するだろうからとよけたりしました(笑)。そんな作者が描いたのがこの映画(の原作)です」と説明した。
最後に吉田は「企画自体がだいぶやんちゃな作品です。この映画にお客さんが入らないとこういう映画が今後作りづらくなっちゃうんですよ。だから……わかりますよね……?」と含みをもたせながら笑い、「原作も読んでみてください。この話は監督が考えたんじゃないよ、おかしいのは(新井を見ながら)こっちの人だからねってわかって!」とコメント。また新井は「映画とマンガで媒体は違えど、表現するということにおいて目指すべきところは、観てる人、読む人に『圧倒された』と思わせることだと思います。この映画はそれをクリアしています」とアピールした。
なおナタリーでは、「愛しのアイリーン」の特集記事を展開中。コミックナタリーでは新井が歴代の著作をじっくり振り返るロングインタビューを、映画ナタリーでは吉田監督と安田の対談と、木野へのインタビューを掲載している。関連する特集・インタビュー
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