舞台「おお振り」西銘駿、バッテリー組む猪野広樹との関係は「三橋と阿部みたい」

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ひぐちアサ原作による舞台「おおきく振りかぶって」が、本日2月2日に開幕した。

舞台「おおきく振りかぶって」ゲネプロの様子。

舞台「おおきく振りかぶって」ゲネプロの様子。

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左から脚本・演出の成井豊、百枝まりあ役の久住小春、阿部隆也役の猪野広樹、三橋廉役の西銘駿、田島悠一郎役の納谷健、花井梓役の白又敦。

左から脚本・演出の成井豊、百枝まりあ役の久住小春、阿部隆也役の猪野広樹、三橋廉役の西銘駿、田島悠一郎役の納谷健、花井梓役の白又敦。[拡大]

ゲネプロ前の囲み取材には、三橋廉役の西銘駿、阿部隆也役の猪野広樹、モモカンこと百枝まりあ役の久住小春、花井梓役の白又敦、田島悠一郎役の納谷健、脚本・演出を手がけたキャラメルボックスの成井豊が登壇。舞台出演は今作が2回目となり、座長を務める西銘は「とても緊張していて、千秋楽までやっていけるのかと不安に思っていた」と口火を切ったが、「稽古が始まって、本当にみんなに優しく接していただいて。今は不安はないです。『おお振り』を愛している皆さまを絶対にがっかりさせないという思いで1カ月間やってきました。やっと初日を迎えられたので、絶対にみんなで素敵な舞台にしたい」と語る。

舞台「おおきく振りかぶって」ゲネプロの様子。甘夏を握りつぶす百枝まりあ(右)。

舞台「おおきく振りかぶって」ゲネプロの様子。甘夏を握りつぶす百枝まりあ(右)。[拡大]

また出演が決まって初めて原作に触れたという猪野は、「絵はかわいらしいタッチだけど、描いてある話はすごく熱くて、青春。いろんなスポーツマンガがある中で『おお振り』という作品の色が確立しているので、それを舞台上でどうやるのかがひとつの課題だった」と話す。また今作の脚本・演出を務める成井のキャラメルボックスに憧れていたといい、「あざっす!」と成井に述べるひと幕も。モモカンこと女監督の百枝まりあを演じる久住は「男勝りな役は今までやったことがなくて。できるかなって不安でした。成井さんに『男に見えない!』と怒られて悩んで。でも稽古場からみんなが支えてくれてなんとか初日が迎えられました」と役作りの難しさを吐露する。

出演にあたり自ら頭を丸めたという白又は「試合に負けたら終わり、というのは高校野球の醍醐味でもあると思うんですが、試合後の桐青高校のバッテリーの語りが好き」と好きなシーンを挙げた。そしてムードメーカーと紹介された納谷は「本当に笑いが絶えないカンパニー。稽古が終わった後にみんなで柔らかいボールとバットで野球をするのが一番楽しかった。そういったことで絆がどんどん深まった気がします」と笑顔を見せる。

舞台「おおきく振りかぶって」ゲネプロの様子。

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また小学校で野球、中学校でソフトボールをやっていたという西銘は、「とにかくアニメを観て三橋のフォームを研究して。緩やかな投球フォームなので、舞台上でも遅く緩く投げて、打たれるんじゃないかという緊張感があるけど打たれない、というところを再現できてるんじゃないかなと思います」とこだわりを明かす。そのほかの野球は未経験だったというキャスト陣も気合い十分で、白又は「バッティングセンターにむちゃくちゃ通いつめました」、猪野も「映像を観たり本を読んで、キャッチャーの座り方を勉強しました」と努力のあとをうかがわせた。

左から阿部隆也役の猪野広樹、三橋廉役の西銘駿。

左から阿部隆也役の猪野広樹、三橋廉役の西銘駿。[拡大]

そして三橋と阿部、バッテリーを演じる2人の絆について問われると、西銘は猪野について「アドリブを出してもすぐに突っ込んでくれるし、阿部として引っ張ってくれるんです。三橋と同じく、僕も猪野くんに引っ張ってもらっている。現実でも三橋と阿部みたいに感じています」と役柄に自分たちを重ねる。一方の猪野も「稽古が始まった頃、積極的に仲良くならなきゃと思ったんですけど、駿が人懐っこいので、結局彼のペースに飲み込まれて。あかん負けれられへんなって(笑)。いじったり、“すべらない話”をやったり、ワキャワキャやってました」と、息ぴったりな関係性について語った。

成井は「テーマとしては『舞台上でちゃんと人間が会話して、ドラマを作ろう』と役者にも言った。1人1人の人生、感情を客席に向かってぶつける、そういう生々しいお芝居になったのではないかなと思う」とコメント。西銘は「以前の舞台ではピンマイクがあったけど今回はないので、発声とかをイチから成井さんに勉強させていただきました。ドラマではセリフの間を溜めたりするけれど、セリフを区切らずバンバン言うように教えていただいて。そこを意識しているシーンもたくさんあります。成井さんはやっぱりすごいなと思いました」と成井の演出を受けての感想を述べる。

舞台「おおきく振りかぶって」ゲネプロの様子。

舞台「おおきく振りかぶって」ゲネプロの様子。[拡大]

舞台は中高一貫校から県立西浦高校に進学した三橋が、新設されたばかりの硬式野球部の女性監督・百枝に強引に野球部に入部させられるところから始まる。三橋の秘めた力をいち早く見抜いた捕手・阿部と出会い、部員わずか10人、全員1年生の野球部の中で、彼はどのように奮闘していくのか。マンガ原作の舞台を初めて手がける成井は、「一番苦労したのはまさに野球を舞台でやるということ。ほかのスポーツに比べて野球がたぶん一番難しいんじゃないかと思う。塁の位置は決まっていてランナーはその間を走らなければいけないが、それをどう表現するか。役者みんなにアイデアを出してもらって、いろんな工夫をしています。その結果、おそらくはちゃんと野球の試合に見えてるのではないかと」と演出について語り、「劇中の半分近くが野球の試合だが、その1つひとつが全部見どころだと思います」と述べた。どのように野球シーンが表現されているかは、劇場で確認を。

公演は2月12日まで、東京・サンシャイン劇場にて行われる。なお本公演のDVDが、6月6日に発売されることが決定した。特典映像として、本編に加え千秋楽のカーテンコール、全キャストの挨拶を収録。公演期間中に会場で先行予約をすると、出演者の集合舞台写真の特典が付き、一般発売日よりもひと足早く商品が届く予定だ。8ページのブックレットには、舞台写真が多数掲載される。

なおコミックナタリーではアニメ「おおきく振りかぶって」Blu-ray BOXの発売を記念し、アニメ版で三橋役を務めた代永翼、阿部役の中村悠一による対談を実施。作品の魅力や当時の出来事を振り返りながら、「大事な作品」と口を揃えて語る2人の「おお振り」に対する強い思いにも迫った。

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舞台「おおきく振りかぶって」

会期:2018年2月2日(金)~2月12日(月・祝)
会場:サンシャイン劇場

スタッフ

原作:ひぐちアサ(講談社「月刊アフタヌーン」連載中)
脚本・演出:成井豊(キャラメルボックス)

キャスト

西浦高校

三橋廉:西銘駿
阿部隆也:猪野広樹
百枝まりあ:久住小春
花井梓:白又敦
田島悠一郎:納谷健
泉孝介:安川純平
栄口勇人:竹鼻優太
水谷文貴:湯本健一
西広辰太郎:亀井賢治
沖一利:関根翔太
巣山尚治:元木諒
篠岡千代:澤田美紀
志賀剛司:筒井俊作

桐青高校

高瀬準太:金井成大
河合和己:加藤潤一
島崎慎吾:松本祐一

武蔵野第一高校

榛名元希:平田雄也
秋丸恭平:川隅美慎
加具山直人:島野知也

三星学園

叶修悟:石渡真修
織田裕行:鶏冠井孝介
畠篤史:吉田英成

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(c)ひぐちアサ・講談社/舞台「おおきく振りかぶって」製作委員会

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