今日は何の日?~マンガで覚えるたのしい記念日~ 第13回 [バックナンバー]
9月19日は「敬老の日」
おじいちゃん、おばあちゃんとの心温まるエピソードをマンガで
2022年9月19日 10:00 4
カレンダーを見ると「○○の日」と書いてあり、その日が何かの記念日になっていると気が付くことがあります。何かの日だと知るだけで、ちょっと今日が特別に感じて何かしたくなるもの。そんなときは、記念日に関係したマンガを読んでみるのはどうでしょう。本日9月19日は「敬老の日」にちなんだマンガを紹介します。
文・
羅川真里茂「赤ちゃんと僕」(白泉社)
若い人はそんなに年寄りとは関わり合いたくないもんですか?
「赤ちゃんと僕」第19話で描かれるのは、主人公・拓也と実が、公園でよくベンチに座っているところを見かけるおじいちゃんと仲良くなるエピソード。初めは他人を警戒して不審がっていた拓也だが、なんてことのない雑談をしただけで「年をとると話相手が欲しくなる」「今日は充実した日でした」と微笑むおじいちゃんに「僕達でよかったら又お話しよーね」と心を開く。接点のない他人と偶然に出会い交流が始まる──物語の導入としては憧れる展開だが、急に見ず知らずの老人に話しかけられた拓也の「ヘンな人だな」という反応はリアル。そんな拓也の不安を見透かすような「若い人はそんなに年寄りとは関わり合いたくないもんですか?」というおじいちゃんからの問いかけもなかなかシビアだ。その後に描かれるおじいちゃんと孫のディスコミュニケーション、老人介護問題と合わせて、自分が当事者だったらどうするだろうと考えさせられる。
天久聖一「サヨナラコウシエン」(リイド社)
大好きなおじいちゃんとちゃんとお別れするため、目指せ甲子園!
大好きだったおじいちゃんが死んでしまい、その事実を受け入れられず形見の野球ボールを投げ捨ててしまった少年・フジオ。なくなったボールを探すため夜中に家を抜け出すと、ボールは高校球児の夢の舞台・甲子園にあることが判明する。まだ5歳で甲子園がどこにあるかもわからないフジオに、ハエのブン太は告げる「近道なんてねえ!」「甲子園への道はただひとつ!」「よせんを勝ち抜くことだ」。オシャレ対決に、寿司が上手に握れないサイボーグ職人の手伝いと、甲子園の予選は変なことばかり。それでもフジオはがんばる、大好きなおじいちゃんとちゃんとお別れするために!
光用千春「コスモス」(イースト・プレス)
70歳──おばあちゃんの古希のお祝い、さあ宴会の始まりです!
母親が家を出ていき、お父さんとの2人暮らしが始まった小学生・花ちゃん。今まで「お父さん」としか思っていなかったが、ふとお父さんだって普通の人間だとわかってしまい、それがたまらなく不安になる。思考する小学生・花ちゃんが見た家族のこと、親戚のこと、クラスメイトのことを描く「コスモス」。その第4話ではおばあちゃんが70歳を迎え、古希のお祝いをしにお父さんの実家に行く。それまでの日常描写から変わり、たっぷりと間を取ったコマ割りで主役のおばあちゃんが現れるページは、これから始まる宴会の特別さが感じられるシーン。親族一同が集まっておばあちゃんをお祝いするエピソードは、敬老の日に読むべき1話だ。
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イイヤン @H_D_D
敬老の日に読みたいマンガ、俺は「アウターゾーン」かな。老人を馬鹿にしていた若者が目覚めると老人になっていて、アンパンを食べたら歯が折れたり、普段着で出かけたら「若者みたいな格好の気持ち悪い老人」と言われたり、俺は本当は年寄りじゃないんだーって言ってボケ老人として施設に送られる https://t.co/C2JcrATZme