DIR EN GREY、3年ぶり大阪城ホールで名盤再現ライブ

2012年1月24日 22:09 345 4 音楽ナタリー編集部

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DIR EN GREYが1月22日、大阪城ホールで「UROBOROS -that's where the truth is-」と題したライブを実施した。

「UROBOROS -that's where the truth is-」の様子（撮影：小坂和義）。

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京（撮影：小坂和義）

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2008年11月に発表した前作アルバム「UROBOROS」のリマスター作品「UROBOROS [Remastered & Expanded]」を、1月11日にリリースしたばかりのDIR EN GREY。大阪城ホールは2008年12月末に彼らが「UROBOROS」の世界観を表現するライブを初めて行った場所であり、また今回のライブで本作を再現することが事前にアナウンスされていたため、開催前から大きな注目が寄せられていた。

定刻を数分過ぎた頃に会場が暗転。すると、ステージを覆うように設置された紗幕にロウソクなどの映像が映し出されると同時に、アルバムのオープニングSE「SA BIR」が会場内に鳴り響く。そして紗幕の向こうにメンバーが1人、また1人と現れ、5人揃ったところで1曲目の「VINUSHKA」が静かにスタート。徐々に盛り上がる展開を持つこの曲の中盤で、京（Vo）が「此処が真実だ！」と歌詞の一節を叫ぶと目の前の紗幕が落ちる。ステージ後方には廃墟のイラストが現れ、演奏はさらに激しさを増していった。

DIR EN GREYはその後も「UROBOROS」リマスターバージョンに忠実に、アルバム収録曲を演奏。曲によっては薫（G）やDie（G）、Toshiya（B）が楽器を持ち変える間にオリジナルのSEが流れるなどして、アルバムの再現ながらも「UROBOROS」をよりアップデートさせたかのような音世界が展開されていく。また、曲中にはステージ後方や頭上に多数設置されたスクリーンを使い、各曲のイメージを増幅させるような映像やメッセージが上映された。

「STUCK MAN」「冷血なりせば」で会場のテンションが一気にヒートアップすると、メンバーは定位置から離れステージ上を動き始めた。DieやToshiyaは観客を煽るようなアクションを見せ、薫は耳を強烈に刺激するギターサウンドを鳴らす。その後方に構えるShinya（Dr）は、パワフルなドラムプレイで観客を魅了した。そして、ステージ中央に立つ京はときに繊細な歌声を聴かせ、あるときにはスクリームやグロウルを多用してオーディエンスを威嚇する。ライブ本編終盤に披露された「DOZING GREEN」では、客席からの大合唱で会場は一体感を増していき、アルバムのラストナンバー「INCONVENIENT IDEAL」で「UROBOROS」を再現する壮絶なライブ本編は幕を閉じた。

DIR EN GREYの5人が静かにステージを降りると、会場中にアンコールを求める歓声が鳴り響く。少し長めのインターバルを経て、今度は会場に新作アルバム「DUM SPIRO SPERO」のオープニングSE「狂骨の鳴り」が爆音で流れ始めた。そしてステージに再び現れたメンバーは、そのまま「THE BLOSSOMING BEELZEBUB」を演奏。「UROBOROS」再現ライブを経た彼らは何かから解き放たれたかのように、ひたすらヘビーなサウンドを大音量で鳴らし続ける。「DIFFERENT SENSE」では京が「大阪っ！おまえらの声をもっと聴かせてくれ！」と煽ると、客席からはバンドの演奏に負けないほどの大合唱が湧き起こり、続く「残」でその盛り上がりは最高潮に達した。

二度目のアンコールでは、「羅刹国」「THE FINAL」といった過去の人気ナンバーを演奏。「THE FINAL」では観客のバンドに対する強い愛情が伺える大合唱が、再び会場中に鳴り響いた。そして、京が「ラスト、行けるか？大阪、行けるか？おまえら、ひとつになってかかってこい！」と叫ぶと、ラストナンバー「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」に突入。爆音で鳴らされるバンドサウンドと京のグロウルが、会場をよりカオスな状態へと導いていった。

こうしてDIR EN GREY史上過去に例のないスペシャルライブは終了。約2時間半の熱演を経て、メンバーは笑顔でステージを後にした。誰もいなくなったステージ上のスクリーンには、「The continuation of that scary dream. DUM SPIRO SPERO」という文字が表示される。この言葉が何を意味するのか現時点では不明だが、「UROBOROS」再現ライブを経たDIR EN GREYが最新作「DUM SPIRO SPERO」を抱え今後どこへと進んでいくのか、期待が高まる。

DIR EN GREY「UROBOROS -that's where the truth is-」
＠大阪城ホール 2012.1.22. セットリスト

SE. SA BIR
01. VINUSHKA
02. RED SOIL
03. 慟哭と去りぬ
04. 蜷局
05. GLASS SKIN
06. STUCK MAN
07. 冷血なりせば
08. 我、闇とて・・・
09. HYDRA -666-
10. BUGABOO
11. 凱歌、沈黙が眠る頃
12. DOZING GREEN
13. INCONVENIENT IDEAL
＜アンコール I＞
SE. 狂骨の鳴り
14. THE BLOSSOMING BEELZEBUB
15. 蜜と唾
16. 「欲巣にDREAMBOX」あるいは成熟の理念と冷たい雨
17. DIFFERENT SENSE
18. 残
＜アンコール II＞
19. 羅刹国
20. THE FINAL
21. 激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇