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七尾旅人が満員のキネマ倶楽部で4時間熱唱、子供も巻き込み大盛り上がり

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七尾旅人(撮影:新保勇樹)

七尾旅人(撮影:新保勇樹)

七尾旅人が約4年ぶりの全国ツアー「七尾旅人 presents 歌の大事故 ワンマンツアー」の最終公演を1月8日に東京・東京キネマ倶楽部で開催。満員の観客を前に、4時間近いボリュームたっぷりのライブを届けた。

この日のライブは「息をのんで」「エンゼルコール」といった懐かしの歌から、2016年に劇場公開された公演「兵士A」で演奏された楽曲、そしてこの日が初披露となった新曲まで、さまざまな時期の曲を歌唱。ギターと歌声、エフェクター、サンプラーなどのシンプルな機材で、1人で色鮮やかな世界を描いていく。客席で幼児がグズると七尾はカズーを吹きながらあやし始め、会場は和やかな雰囲気に。前列で観ていた子供をステージに引っ張り上げ、曲に合わせてスマートフォンの着信音を鳴らさせてセッションをしたりと、彼らしい自由奔放なライブが繰り広げられた。

中盤以降は梅津和時をゲストに迎え、「星に願いを」のカバーなどを披露。梅津は七尾の歌に寄り添うように即興でサックスを吹いていく。その後「Tender Games」「兵士Aくんの歌」「LOVE IN WARTIME」などの「兵士A」からの歌が続くと、2人のセッションは緊張感のあるシリアスな雰囲気に。子供の頃に内戦の戦火をくぐり抜けたアフリカ・モザンビークの友人との出会いから生まれたという「Across Africa」では、七尾の咆哮に呼応するように象の鳴き声のようなサックスが響き渡る。そして七尾が沖縄・高江に住む友人のことや高江の現状について話し、高江で作ったという「蒼い魚」を歌うと、民謡風の美しいメロディを観客はじっと聴き入っていた。

ライブが終盤に突入すると、ステージの雰囲気は幸福感を増していく。「どんどん季節は流れて」では七尾が「お客さんを明るくしてもらっていいですか?」と照明に指示し、リフレイン部分を観客と一緒に合唱。キラキラした打ち込みフレーズに乗せて前向きな力にあふれたメッセージを歌う「Happy Talk」では、客席を3つのエリアに分けてオーディエンスにそれぞれ異なるメロディを歌わせ、会場全体で巨大なハーモニーを作り出した。

景気のいい打ち上げ花火のSEと共に「Rollin' Rollin'」が始まると、七尾はライブ序盤でステージに呼び込んだ子供を再び傍らに立たせてパフォーマンス。子供がマイクに向かって歌い出すと客席から歓声が沸き起こる。さらに七尾は、自分がかぶっている帽子のつばにドラム音源をつないだ振動センサーを設置。倍速で流れる「Rollin' Rollin'」のオケをバックに、パーカッションのように子供に帽子を叩かせながら、2人の間でコール&レスポンスを繰り広げた。

子供は引き続き「Future Running」にも参加し、この曲の後半では七尾と子供がステージ左側のバルコニーに駆け上がってフットワーキングによるダンスバトルを展開。子供がステージから降りたあとは、「街中で今 Angels Falling Down 君の目の前に Angels Falling Down」と歌う、曲名もまだ決まっていないという喜びに満ちた楽曲や、「小学生くらいの頃の気持ちを37歳でやっと言えた」と説明したうえで歌った「素晴らしい人」など、最後に新曲を次々と披露。アンコールの声に応えてステージに戻った彼は、綱渡りをするようにフロアの男性客の上に立ちながら「サーカスナイト」を歌い、盛大な拍手に包まれながら約4時間におよんだライブを締めくくった。

七尾旅人「七尾旅人 presents 歌の大事故 ワンマンツアー」2017年1月8日 東京都 東京キネマ倶楽部 セットリスト

01. Strange Magic
02. きみはひかり ぼくのひかり
03. コードをひとつ覚えたら
04. 息をのんで
05. エンゼルコール
06. telephone call
07. 星に願いを
08. 七夕の人
09. ストリッパーのおねえさん
10. Tender Games
11. 兵士Aくんの歌
12. LOVE IN WARTIME
13. アヴェマリア
14. Across Africa
15. 蒼い魚
16. 湘南が遠くなっていく
17. Memory Lane
18. どんどん季節は流れて
19. World Gone Crazy
20. Happy Talk
21. Rollin' Rollin'
22. Future Running
23. 新曲(※タイトル未定)
24. 素晴らしい人
<アンコール>
25. サーカスナイト

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