KAN、スキマ、kahoら国技館でピアノ弾き語り競演

昨日4月13日に東京・両国国技館にてライブイベント「J-WAVE TOKYO PIANO JAMBOREE supported by 宝山」が開催された。

これは全出演アーティストがピアノと歌のみでパフォーマンスを披露するというイベント。観客に360度囲まれたセンターステージで、さかいゆう、kaho、K、大橋トリオ、大塚愛、塩谷哲 with JUJU、スキマスイッチ、清水ミチコ、KANの9組が熱演を繰り広げた。またこの日は各アーティストごとに演目テーマを用意。それぞれテーマに従う形でライブを展開した。

トップバッターとして登場したさかいゆうは、ステージに上がるとまず四股を踏んで観客を沸かせる。両国国技館でプロレスを観たことがあると明かし、「How Beautiful」では「懐かしい両国国技館」と歌詞を替えて歌う場面も。その後も彼は「いつかの旋律のあるメロディ」というテーマを掲げ、「薔薇とローズ」や「君と僕の挽歌」を歌い上げた。

続いては、この日が人前での初ライブとなるkaho。1曲目のQueen「Bohemian Rhapsody」のカバーから深みのある歌声を場内に響かせる。MCで「今日が私にとって初めてのライブになります」と話すと、観客からは温かい拍手が送られた。そして彼女はBruno Marsのカバー2曲や自身のデビュー曲「Every Hero」を堂々と披露しステージを後にした。

Kは映画「ターミネーター2」のテーマソングにあわせてステージへ。「ターミネーターのあとにバラードなんですけどね（笑）」と笑い、「Only Human」からライブをスタートさせる。6月4日リリースのニューアルバム「On My Journey」収録の新曲「誓い」を初披露し観客を喜ばせる場面も。そして演目テーマ「できれば一緒に」に沿い、コラボアーティストとしてKANを呼び込む。以前にも共演したことがあるという2人は和やかな雰囲気でビリー・ジョエル「My Life」のカバーをプレイした。

大橋トリオは、矢野顕子と共作した「My Life」で1曲目から観客を惹きつける。「今日は『大橋ヒトリオ』でやってきました」とテーマを紹介。「Bing Bang」では「自分1人だと走ってしまうので、グルーヴィーにテンポキープをお願いします」とオーディエンスの手拍子を煽る。そして「ここに生まれてきたことを噛みしめてほしい」と語り、バラード「Bing Bang」をしっとりと歌い上げた。

「春ときどき愛」というテーマを掲げて登場したのは大塚愛。「（女性なので）一生上がれないと思っていたところに上がれて……。人生には奇跡が起こると証明できてしまいました」と両国国技館のステージに立てた喜びを語った。そして「ほろ酔い的な曲を」という紹介から「さくらんぼ -カクテル-」を披露。「もう1回！」の掛け声を囁くように自身で告げるなど、ヒット曲をアダルトに魅せる。「SMILY」では観客のシンガロングを煽り、最後は「羽ありたまご」を静かに歌唱した。

約30分の休憩を挟み、後半の1番手を飾ったのは塩谷哲 with JUJU。最初に塩谷が1人でステージに現れ、スティーヴィー・ワンダー「Superstition」をたっぷりと聴かせる。そしてJUJUを呼び込みジャズナンバー「Calling You」を披露。2人はMCで「土俵じゃないけど土俵だなって感じがする」「独特な感じ」と両国国技館のステージについて語る。そしてJUJUは「すっごい緊張する」と言いながらも「奇跡を望むなら...」を力強く熱唱し、オーディエンスを魅了した。

スキマスイッチは「もしもギターが使えたなら…」というテーマを掲げて登場。大橋卓弥（Vo, G）が「スキマスイッチ、普段はピアノとギターなんですけど……。この新鮮な感じにお付き合いください」と話し、2人は連弾というこの日ならではの特別アレンジで「ユリーカ」や「SL9」をプレイしていく。2人で向き合いピアノを弾くことについて常田真太郎（Key）が「まさか対面してライブをするとは思わなかった」と照れる場面も。「さみしくとも明日を待つ」のアウトロでは2人が壮大な連弾を聴かせ、ラストナンバー「奏（かなで）」では、大橋がピアノを離れマイクを手に立ち上がって切ないバラードを熱唱した。

「箸休め」というテーマで登場したのは清水ミチコ。ピアノのイスに座るなり、観客の無茶振りに応えるというサービスで観客を喜ばせる。そして綾戸智恵や美輪明宏の物マネで笑いを誘っていった。360度の客席を見渡し「最高な気分です！」と興奮を露わにしながら、最後に演奏した「ひとつだけ」では、矢野顕子と忌野清志郎の掛け合いを精巧に再現。観客からは笑いとともに大きな拍手が送られた。

最後は「此処は何処ですか？」というテーマでライブに臨んだKAN。行司の格好で姿を現すと、観客からはざわめきが起こる。KANは1曲目「50年後も」を歌い上げると「ここはどこかということをきっちり認識しておけば、着るものはアレかコレしかないだろうと……」と衣装について説明。続けて手拍子を煽ると「愛は勝つ」で会場を盛り上げた。そして「せっかくピアノが2台あるので」と言いスキマスイッチを呼び込む。3人は2台のピアノでKANの「カレーライス」をしっとりと歌い上げた。さらにさかいゆう、Kを呼び込み、5人で「よければ一緒に」をプレイ。5人のポジション決めで揉めたり、しゃべってばかりのKANに常田がツッコミを入れるなど、ステージには和気あいあいとした雰囲気が漂い、曲の最後には場内から大合唱が巻き起こる。しかしスキマスイッチ、さかい、KがステージをあとにしようとするとKANが「終わりにしてはいまいちパッとしなかった」と4人を引き止めた。そして「スキマスイッチ、さっきあの漢字4文字の曲やってないじゃん！」と言い、5人でスキマスイッチの「全力少年」を披露。2台のピアノには常田とKAN、さかいとKがそれぞれ位置取り、曲が始まると4人は2台を行き来する。ボーカルも5人で交互に担当し、常田も一節歌うというレアな場面も観られた。このパフォーマンスにファンも立ち上がって盛り上がり、大団円のうちにこの日限りのイベントは幕を閉じた。

なおこの日の模様は4月29日（火・祝）22:00からJ-WAVEにてオンエアされる。

HOZAN presents J-WAVE TOKYO PIANO JAMBOREE SPECIAL

2014年4月29日(火・祝)22:00～24:00

「J-WAVE TOKYO PIANO JAMBOREE supported by 宝山」
2014年4月13日 両国国技館 セットリスト（カッコ内はオリジナルアーティスト）

さかいゆう

01. How Beautiful
02. Life is
03. 薔薇とローズ
04. 君と僕の挽歌

kaho

01. Bohemian Rhapsody（Queen）
02. When I Was Your Man（Bruno Mars）
03. Talking To The Moon（Bruno Mars）
04. Every Hero

K

01. Only Human
02. dear...
03. 誓い
04. My Life（ビリー・ジョエル）

大橋トリオ

01. 窓
02. A BIRD
03. Bing Bang
04. 生まれた日

大塚愛

01. プラネタリウム
02. Re:NAME
03. 恋愛写真 -春-
04. さくらんぼ -カクテル-
05. SMILY
06. 羽ありたまご

塩谷哲 with JUJU

01. Superstition（スティーヴィー・ワンダー）
02. Calling You
03. 奇跡を望むなら...

スキマスイッチ

01. ユリーカ
02. SL9
03. 藍
04. さみしくとも明日を待つ
05. 奏（かなで）

清水ミチコ

01. 100年の声の歌
02. テネシーワルツ（綾戸智恵）
03. ヨイトマケの唄（美輪明宏）
04. ウソだったのかい
05. 私のフォークメドレー
　・少年時代（井上陽水）
　・かもめはかもめ（研ナオコ）
　・さとうきび畑（森山良子）
　・春よ、来い（松任谷由実）
　・千の風になって（秋川雅史）
06. ひとつだけ（矢野顕子 with 忌野清志郎）

KAN

01. 50年後も
02. 愛は勝つ
03. カレーライス
04. よければ一緒に
05. 全力少年（スキマスイッチ）