山田洋次と吉永小百合が核廃絶を願う、「母と暮せば」長崎のイベントで上映

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12月11日、「母と暮せば」が長崎・長崎大学医学部記念講堂にて行われたイベント「核兵器のない世界へ 長崎国際会議」で上映され、監督の山田洋次とキャストの吉永小百合が登壇した。

「核兵器のない世界へ 長崎国際会議」の様子。左から山田洋次、吉永小百合。

「核兵器のない世界へ 長崎国際会議」の様子。左から山田洋次、吉永小百合。

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「母と暮せば」

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2015年12月に公開された「母と暮せば」は、終戦から3年後の長崎を舞台とするファンタジー。助産師として暮らす伸子のもとに、原爆で亡くなったはずの息子・浩二が姿を現し、2人が思い出話に花を咲かせるさまを追う。伸子を吉永、浩二を二宮和也が演じ、そのほかキャストには黒木華、浅野忠信らが名を連ねている。

「核兵器のない世界へ 長崎国際会議」の様子。

「核兵器のない世界へ 長崎国際会議」の様子。[拡大]

会場には長崎市内の市民や学生、海外からの参加者たち約300人が集まった。山田は「僕たちの国にとって大事な会議で、僕の映画が上映されたことを光栄に思います。ちょうど1年前、去年の12月12日に公開されたので、不思議な縁を感じます」と挨拶する。

本作を制作した理由について山田は「長崎大学の学生の浩二が死んでしまった話ですが、こういう悲劇が第2次大戦中、何百万どころでない犠牲者1人ひとりにあったのだと想像してもらいたかったからです」と述懐。続けて「愛する人と暮らして子供を作るということが、ついえてしまった。それは世界中の人にとって共通の悲劇です。僕ら戦争を経験した世代は、それを伝えていくのが責務だと思います」と自らの考えを述べる。

これまで英国オックスフォードや米シアトル、カナダのバンクーバーなどで詩の朗読を行ってきた吉永。「この映画に関わり、こんな形で3年も息子を待っていた母がいたということを実感しました。核兵器を廃絶するため、もっと声を出して世界に向かってアピールしなくてはいけないと撮影中に感じていました」と力強く語った。

最後に山田は「絶望するのは簡単。若者が情熱的に議論したと聞いて、希望を抱きます。ぜひがんばって」と集まった観客に対しメッセージを送った。

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(c)2015「母と暮せば」製作委員会

読者の反応

正法眠蔵 @sadistasadis

通常兵器しかない世界といったら皮肉に聞こえるか?

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